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記事提供:AbemaTIMES

6月30日にオンエアされたAbemaTV『AbemaPrime』の特集コーナー「所太郎の今だから言える“真実”」で、

過去6月におこった2つの凄惨な事件「2008.6.8 秋葉原無差別殺傷事件」と「1997.6.28逮捕 神戸連続児童殺傷事件」、そしてそれらに共通する“犯人が1982年生まれ”という観点から、「西鉄バスジャック事件」が取り上げられた。

同コーナーはレポーター・所太郎氏が過去に取材した事件事故を振り返り、若い世代に今だから言える本当に伝えたい真実を学んでもらうという趣旨で、この日は特別ゲストとして文筆家の古谷経衡(ふるやつねひら)氏が出演した。

■「秋葉原無差別殺傷事件」

日曜日の昼過ぎ、歩行者天国の交差点に2トントラックで突っ込み、ダガーナイフで無差別に襲った。

この事件で7人の方が亡くなり、10人が重軽傷を負うなど多くの人が犠牲になった。逮捕された加藤智大死刑囚は事件後、「誰でもよかった」と供述していた。

あれから8年たった今。当時の被害者の方に改めて話を聞いた。事件はまだまだ終わってはいなかった――。

事件当時から電気街の振興会長を務めている小野一志さんは、犯罪抑止のため、50台の防犯カメラを設置したり、街をパトロールするなど、あの事件をひとつのきっかけに、街全体で秋葉原復活への努力を続けてきた。

その一方で、事件が未だ残す傷跡もある。

あの日、トラックではねられた人を助けようとして、加藤死刑囚に切り付けられた男性が口を開いてくれた。湯浅洋さん、62才。

「大事な神経までぶった切って…。(後遺症は残ってない?)痛みは残っています。もう一生とれないと医者にいわれてますから」(湯浅さん)

「後ろから人がぶつかってきたなあっていう記憶はあるんです。

なんだろうなと思って立ち上がって、後ろを振り返ったら、たぶんお巡りさん、交差点のど真ん中で後ろから背中刺されるところで。

と同時に、ものすごい痛みが走った。痛くてどうしたんだって見たら、血が…。

その時はワイシャツだったもんで、ワイシャツを押し出すように、鼓動に合わせてボコッ、ボコッ、って血が吹いているんですよ」

この事件を起こした加藤智大死刑囚は、警察の取り調べに対してこんな言葉を口にした。「誰でもよかった」。「濃密な人間関係があれば、『誰でもよかった』にはならないのではないかと思います」(所氏)

湯浅さんは逮捕後、加藤死刑囚から送られてきた手紙を読んで、事件を起こすような印象はまるでうけなかったと話す。

手紙には、“どうせ死刑囚だと開き直るのではなく、つぐなう手段として真実を話すことで、今後同じようなことがおこらないようにすることで防ぐ”などという文章が書かれていた。

「やったことを本当に悪いことをしたと思っていない気がするんですよねえ。もう事件から8年もたつのに、まだそのへんの幼稚さっていうか、人への謝罪の仕方もちょっとわかってないんじゃないかなっていうのは一番ありますよね」(湯浅さん)

このVTRを見て、古谷氏は、

「基本的にはつぐないはできません。唯一あるとすれば、自らの命をもってすればつぐなえるということはできるかもしれません。経験を参考にしてくれとかいうのは、詭弁でしか無いと思いますね。ちょっと腹立たしいような気もしますね」

とコメントした。

■神戸連続児童殺傷事件

通称「酒鬼薔薇事件」とも言われている事件で、1997年、神戸市須磨区で小学生ばかりを次々と襲った神戸連続児童殺傷事件。

14歳の中学3年生が、殺害した小学生の頭部を切断し、中学校の正門前に放置するなど、その猟奇的で残忍な犯行は世間を震え上がらせた。この事件によって、3人が重軽傷を負い、2人の尊い命が奪われた。被害者はすべて小学生だった。

「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」と名乗り、報道機関に対し、「人の死が見たくて見たくてしょうがない」などという犯行声明文を送るなど、少年犯罪史上例をみない凶悪事件として大きく報道された。

なぜ、まだ子どもの14歳の少年が残虐な犯行に及んだのか。当時の報道で度々使われていたのが「心の闇」という言葉だった。

少年が起こしたこの凶悪事件に、多くの大人たちが戸惑い、こどもたちを見る目が変わっていく。この事件をきっかけに未成年の犯罪にも厳罰化を求める声が多く上がり、少年法が改正された。それほど大きな影響をもたらした事件だった。

そして所氏は、「酒鬼薔薇聖斗」という強烈な印象を残した同世代の人間に、ダークヒーローとして間違った形で影響を受け、新たな事件が起こったことを指摘。「西鉄バスジャック事件」だ。

■西鉄バスジャック事件

2000年5月3日。ゴールデンウィークの楽しい日常を奪ったのは“バスジャック”という卑劣な犯行だった。

佐賀発、福岡天神行きの高速バスが、刃物を持った当時17歳の少年に乗っ取られた西鉄バスジャック事件。

車内には21人の乗客が乗っており、その中には6歳の女の子の姿もあった。途中のパーキングで男性や高齢の女性を解放しながらも、九州自動車道を走行し続けた。

その様子は報道機関によって生中継で報じられていた。

乗っ取られてからおよそ15時間半が経過した午前5時過ぎ、警官隊の突入により人質は全員解放、17歳の少年は逮捕された。しかし、この事件で走行中に少年に刺された女性1人が死亡、2人がけがをした。

少年は事件を起こす前、「酒鬼薔薇事件」について事件発生当時から強い関心を持っていたことがわかっている。彼もまた「心の闇」を抱えての犯行だったと報道が過熱していた。

番組では、この事件が起こったバスに乗車し、少年に襲われて負傷した山口由美子さんが電話にて出演してくれた。

――(秋葉原連続殺傷事件の湯浅さんは、いまだに傷が痛むというが)山口さんもでしょうか?

山口:私もまだ痛みますね。ずっと、いつも痛いですね。何かがあるからとかじゃなくて。(一生つきあわなくてはいけない?)そうですね。

――不登校や引きこもりの子供をもつ親の会「ホットケーキ」をたちあげました。

山口:集まって話し合いをする場です。この事件にあったことが、そういうことを始めたきっかけになっています。

親の子供をみる視点をかえることで、家庭が子供の居場所になっていく。「親の会」の目的は、学校に行っているかどうかにかかわらず、子供たちに寄り添って、子供たちの「今」を受け入れることができるようになるということなんです。

…子供たちは環境で育っていく、いちばん身近な環境というのは「親」なんですよね。

――あの少年もそうだった?

山口:そうなんですよ。不登校から引きこもりになったと聞いています。

――今、少年についてどういう感情をもっていますか。

山口:事件によって、ものすごくマイナスを抱えたと思うんです。でもそこから、もう一回自分なりの生き方を模索してほしいなあと思います。もちろん事件のことを忘れてはほしくないんですけれども。

この3つの事件には、実は共通点がある。

それは犯人の全員が「1982年生まれ」ということ。もちろん1982年だから…というわけではない。これらの事件を同世代の人はどう感じていたのか、古谷氏、そしてゲストの熊田曜子も同じ82年世代の生まれ。当時について、振り返った。

古谷:とんでもないというか、ショックを受けましたよね。

神戸のときは中3で、当時ある週刊誌が犯人の少年の写真を掲載した。まわしてみていたら、全校集会が開かれて、そういうものは君たちの心の闇的なものを刺激するから持ってきてはいけないと。ざわざわしてましたよ、教師はとくに。

同じ年の子が、警察に挑戦状をかいたというのは、当時の少年としては、0.1%くらい、色んな意味ですごいやつだなと思いました。そのあとバトルロワイヤルブームとかでてきて、ある種の暴力性ともつながっていったかもしれませんよね。

熊田:私も82年生まれで、学校に行っているときに同い年だったっていうのですごくびっくりして。

(大人たちは)いろいろ理由づけをするんですよ。殺し合いのゲームがたくさんでてきたときで、命を軽く扱う世代何だとか言われたりして、殺すシーンが出てくるような連載がなくなったものもあったりして。

でも私は、直接関係ないと思っていました。同じものをみても、マネしたいと思う人のほうが圧倒的に少ないんですよね。すごく考えました。

古谷:アニメ、漫画の影響って必ずいわれる。今から考えれば、「心の闇」はみんなもっている。なんで(そういうふうに)言うのかなって思いましたよね。

1982年生まれに、「何か」があるのか――。

社会心理学に詳しい新潟青陵大学大学院の碓井真史教授は番組の中継取材に、「82年生まれが特に悪いというのは無い。歴史に残るという犯罪を犯したのは、たまたまです」とコメント。

ただ、社会性とか時代性はとの関連性については、「少年犯罪自体は増えていないけれども、奇妙な犯罪は増えている、現代っ子の子供達かなと思いますね。1950年代、戦争や貧困を知らない、豊かな世代に生まれた人の子供たち」と分析した。

秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大死刑囚は、昨年2月2日、最高裁で死刑が確定している。また酒鬼薔薇事件の少年は医療少年院に送致され、2004年に保護観察が終了。

昨年、手記を出版したものには犯行に至った経緯や事件後の暮らしぶりなどが書かれており、大きな波紋を呼んだ。

西鉄バスジャック事件で逮捕された少年は医療少年院に収容されたものの、10年前の2006年に退院している。

それぞれの事件が残した傷跡はあまりにも大きい。

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