普段元気に遊びまわっている我が子が、ある日を境に意識不明の重体となり、二度と帰らぬ人になってしまったら…。その原因が、日常の泥んこ遊びにあったら?世界でわずか400例と言われる「アカントアメーバ」に感染し、入院して2週間でこの世を去ってしまった米ジョージア州のリーランド・シューメイクくん(享年6歳)。

リーランド君は活発でいつも笑顔の眩しい少年だった…

出典 https://www.facebook.com

元気な子供は男女限らず、普段外で遊ぶことも多いことと思います。リーランド君もそんな一人でした。典型的な男の子で、泥んこ遊びが大好き。でもこの泥んこ遊びがまさか命を奪う羽目になってしまうとは誰が予想できたでしょうか。

リーランド君が感染したのは、世界でも稀と言われる「アカントアメーバ」でした。アメーバ性脳炎には「原発性アメーバ性髄膜脳炎」と「肉芽腫性アメーバ性脳炎」の2種があると言われます。

原発性アメーバ性髄膜脳炎は、水中に存在する「フォーラーネグレリア」というアメーバが鼻から感染し、脳細胞に致命的な損傷を与えてしまう通称「殺人アメーバ」と呼ばれていることでも知られています。

これまでも川で泳いだりして感染した例がいくつか挙げられている以外に、排水管の中に潜んでいたアメーバが家の水道の蛇口に上がって来て感染という極めて稀な例も過去にアメリカで起こっています。日本でもこの感染により死亡したという例があります。

リーランド君が感染したアカントアメーバは、泥や土の中の病原菌が外傷から侵入し、中枢神経を破壊。頭痛、発熱から次第に昏睡状態に陥り死に至るといわれています。通常、人の体にはアカントアメーバに対してある程度の免疫はあるといわれていますが、リーランド君の場合手や腕などに偶然外傷があり、そこから感染し免疫力の落ちていた体内に入ってしまったために致命的となってしまったのでしょう。

免疫不全、糖尿病、悪性腫瘍、全身性エリテマトーデスなどの基礎疾患が感染リスク要因となる。

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息を引き取る一か月ほど前から体の調子が悪くなりだしたリーランド君。感染してから数日~1週間で死に至る原発性アメーバ性髄膜脳炎とは違い、アカントアメーバによる肉芽腫性アメーバ性脳炎は感染してから一ケ月~数か月間で死に至ると言われています。

普段は元気に振る舞っていても、ひょっとしたらリーランド君は免疫抗体があまりない体質だったのかも知れません。これまで大きな病気をすることがなければ非常にわかりにくいことだといえるでしょう。運悪くこのアカントアメーバに感染したことによって命を失うということは、リーランド君になんらかの健康状態の疾患があったと思われます。

病院で昏睡状態の息子を見て母は…

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リーランド君の母アンバーさんは、Facebookにこの写真を投稿。きっと誰にでもすがりたい気持ちだったのでしょう。「どうしていいかわかりません。泣いてばかり。この子を失うことだけはできません。必死で祈っています。こんなことが起こるなんて思ってもいなかった…。心も体ももうバラバラになってしまいそうです。」と心境を綴っています。

泥んこ遊びで命を奪われることになるとは…

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全く予期していなかった出来事。そしてそれは最悪のものとなってしまいました。医師にも「覚悟してください」と言われ、憔悴しきった状態で一旦服などを取りに自宅に戻ったアンバーさんと夫ティムさん。そして、テーブルにリーランド君が書いたと思われるメモを見つけたのです。

「僕は傍にいるよ。ありがとうね、ママ、パパ」

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赤のペンで書かれた文字とハートの絵。「僕は傍にいるよ。ありがとう、ママ、パパ。愛を込めて。幸せにね。さよなら。」そのメモを見た瞬間、アンバーさんは泣き崩れてしまいました。

「いつ、あの子が描いたのかはわかりません。でもこのメモを見た瞬間私たちの心の糸は切れました。」病院で必死に闘っている我が子に、どうしてやることもできないという苦しみをアンバーさんもティムさんも抱えていたことでしょう。リーランド君自身、まるで死を悟ったかのように両親に残したメモを見て涙が溢れ出た両親。

「死なせたくないに決まってる。でも見送らなければいけないのか…。」両親は、絶望のどん底にいるような気持だったと察します。それから暫くして旅立って行ったリーランド君。両親の「生きてほしい」という願いは叶うことはありませんでした。

「息子は、私たち家族の中心となる光でした」

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あまりにも突然、リーランド君を失ってしまった両親。家族の光が消えてしまったも同然に思えたアンバーさん。リーランド君と過ごした6年という短い人生を振り返って、母のアンバーさんは「素晴らしい子供だった。今でも失ったことが信じられない。毎日、あの子を想い会えない寂しさと悲しさでいっぱいになる」とFacebookに気持ちを綴っています。

「ママはもう一度、あなたの笑顔が見たい」

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突然の出来事で、最愛の我が子を失うことになってしまったアンバーさんとティムさん。まさかと思うような普段の泥んこ遊びがこのような悲運を招くとは誰も予想できないこと。

健常者には起こることはないということですが、自分の子供の免疫力が低下していたり外傷がある場合は念のため気を付けた方がいいでしょう。稀なケースではあっても全く起こらないというわけではないのです。

これから夏休みになり、子供を外で遊ばせる機会も増えることと思います。そんな時にもし子供が普段の様子とちょっとでも違うなと感じたら、泥や土などをいじらせないようにするのも一つの予防でしょう。

アメーバは、子供が好きな川や泥に潜んでいる危険な病原菌。子供は擦り傷などを作りやすいので、気付いたらすぐに絆創膏などで手当てをして遊ばせることも、その他の感染症にかかりにくくするための予防策です。大げさにしているぐらいがやっぱりちょうどいいのかも知れません。

リーランド君をこんな形で失ってしまった両親の胸の痛みは計り知れません。アンバーさんは「いつか天国であの子にまた会えるから」となるべく気丈にいようと心がけてはいるもののやはり「ママは、あなたの笑顔がまた見たい…」と胸の内を語っています。

大切な我が子を失うことなど、子を持つ親にとったら想像もしたくないこと。でもこうした出来事もあるので、やはり親は普段から十分気を付けて、どんな状況でもしっかり子供を見ていなければいけないと再認識させられる筆者。リーランド君の冥福を祈ります。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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