記事提供:CIRCL

だんだん暑くなってくるこの時期だからこそ注意したいこと。それは「脱水症状」だ。

脱水症状は暑さによる発汗だけではなく、感染性胃腸炎や風邪による発熱や下痢でも容易になる可能性がある(※1)。

今回は軽度の急性胃腸炎を患った乳幼児に対して、カナダの研究グループが行った興味深い研究を紹介する。

なんとこのグループは、軽症の胃腸炎の際は、脱水症状を緩和するために通常取り入れられている経口補水液よりも、リンゴジュースを患者に飲用させた時の方が治療の失敗が少ないことを示したのだ。

名前以外は正直知らないかも!脱水時に活躍する経口補水液って何だろう?

脱水症状は体の中の水分だけが減っていると思っている方もいるかもしれないが、実際は水分とともに電解質も減っている

電解質というのは、血中に存在するカリウムイオンやナトリウムイオンなどのことだ。これらのイオンが血中に十分量存在することで、私たちは体を正常に動かすことができるのだ(※2)。

脱水症状緩和のために適用される経口補水液という言葉を、ニュースやコマーシャルで聞いたことがある人は多いと思うが、実際は何なのかよく分からない人もいるのではないだろうか。

経口補水液というのは、体が急激な状態変化で失われた「水」と「電解質」を補給・維持するのに適した病者用食品のことだ(※1)。今では薬局をはじめ、コンビニでも取り扱いがあるので、気になる人は試してみてはいかがだろうか。

ただ経口補水液は他のスポーツドリンク等と比較すると、クセがあることも多く、個人にもよるが「美味しい」と好んで飲む人は少ないかもしれない。また、乳幼児では味が好まれない傾向にある(※3)。

乳幼児における軽度の胃腸炎では希釈したリンゴジュースが治療により効果的だった

カナダのCalgary大学のStephen B. Freedman氏らのグループは、軽症の胃腸炎を患う乳幼児に対して次のような実験を行った。

軽症の胃腸炎で入院している一部の患者に対して、入院中に脱水対策で飲用している経口補水液を2倍希釈したリンゴジュースに変更した。

退院後には、経口補水液を飲用していた患者にはそのまま同じものを飲んでもらい、リンゴジュースを飲んでいた患者には普段から飲用しているもので本人が飲みたいと思うものを飲んでもらう。

この検討を647人の小児患者に対して、経口補水液の群とリンゴジュースの群が1対1になるよう無作為に実施した。

その結果、リンゴジュースを飲用していた患者の方が、経口補水液を飲用していた患者と比較して、治療失敗率が10%ぐらい低かったのだ(※3)。

もちろん、過剰に糖分を含む飲料だと、スポーツ等をしなければその分のエネルギーが外に出て行きづらいため、飲み過ぎには要注意だ。

しかし特に乳幼児に関しては、軽度の脱水が疑われる際、無理に嫌がる経口補水液を飲ませるよりも、飲み慣れたリンゴジュースを薄めて飲ませるなどの方が良いことが多いということだ。

乳幼児の軽度の下痢などの際には参考にしてみてほしい。ただし、極度の脱水状態が見られる時は命に危険があることも。すぐに病院へ連れて行こう。

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