昨日、国民投票にて英国のEU離脱決定を記事にさせて頂きました。24日の投票結果を迎えた朝から、英国内のメディアはひっきりなしに「今後の英国はどうなるのか」と懸念の声を上げています。

投票率がわずか数パーセントという差での離脱となったわけですが、実は離脱の意味を100%理解せずに投票した人たちが意外にも多かったということに、国自体がまたも衝撃を受けているのです。

投票後に「EUって何?」と検索する英国民

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離脱決定の直後から、Googleで「EUって何?」と検索していた英国民。その数もかなり多く、いかにEUの意味、また英国との関連性を理解していなかったのかが伺えます。

そしてある男性は「自分一人が離脱と投票しても、絶対に残留という結果が出ると思った」とメディアで語り、「なんというリスキーなことを」とこれもまた国民に衝撃が走っています。

つまり、多くの人がこんな程度で投票したという可能性もあるのです。彼らのほとんどはEU離脱後、英国がどのような状態になるか理解していなかったのではないでしょうか。「自分の投票で英国がどうこうなるわけがない」という考えを持った国民によって英国が離脱を決定づけられたのであれば、残留を希望し今回結果に涙した人たちはさぞ悔しい思いをしていることでしょう。

オンライン署名には既に300万人以上の署名が?

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投票結果から間もないにも関わらず、オンライン署名運動に既に300万人の署名が集まっているというのはどうも怪しいということで調べた結果、7万7千人の名前が詐欺であることが判明。筆者としては、いったい英国民は何をやっているのだと言いたい心境です。

実際に、仮に署名者が多かったからといって、「じゃ、国民投票のやり直しね」という簡単な問題ではないので、果たしてこの署名活動はどのような影響を与えるかは今のところ不明ですが、「しまった!とんでもないミスをした」と後悔している国民がこれほど多いということです。

そもそも、移民問題にいっぱいいっぱいだった英国民が「もうこれ以上、移民で英国を埋め尽くしたくない!」と鎖国感情を抱いてしまったことにより、EU離脱が決定したのだとしたらそれは誤算だったのではないかと一部のメディアは報道しています。

というのも、フランスから海を渡りこれまで英国に流れて来ていた多くの難民たちは、少なからずフランスの規制を受けていました。それはフランスも英国もEU加盟国だから。EUが団結して難民に取り組んでいたわけです。

それが、英国が離脱してしまうということはフランスから難民がどれだけ英国に流れてこようとも、EUを離脱した以上は「関係ない赤の他人」になってしまうわけですから、英国に流れ来る難民に対してフランスは何の規制もしなくなくなるというわけです。

そうすれば、難民・移民の数がもっと増えてしまうということを英国民は十分に考えていなかったといえるでしょう。移民制度を理由にEU離脱を希望した国民は今後もその移民問題に直面していかなければならなくなったのです。

EU離脱どころか国内分裂が始まっている英国

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一方で、あくまでも「離脱」を強く希望している国民はあるエリアではポーランドからの移民に対してあからさまな嫌がらせを始めている様子。子供たちが通う学校の近くに英語とポーランド語で書かれた陰湿なメッセージがかかげられており、この報道を見た英国在住のポーランド人たちは悲しみを隠せない様子。

「英国のEU離脱決定! ポーランド人の害虫はもういらない」

このような移民への嫌がらせは警察が対応していくことになりますが、既にこんな調子で国内分裂が始まっているという情けない状態なのです。

「円満離婚ではないが速やかに離縁状を」

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欧州委員会のジャンクロード・ユンケル委員長は、英国のEU残留を希望していた一人でした。ところが反対の結果となり今は「円満な離婚ではないが速やかに解決を」とブリュッセルのEU本部へ送る離縁状の催促をしました。

10月までに送るという英国側の申し出に「理解できない」とユンケル委員長。確かに結果が出ているのに何故さっさと離脱しないのだ、と思うでしょう。英国内で予想だにしない「離脱決定」という余震がかなり強い現在、国民自身も心配からパニック状態になり署名運動まで行う始末。

ユンケル委員長は「自分のお尻は自分で拭きなさい」と言いたいところなのでしょう。こういう結果になったのはもはや離脱表明をした投票者の自業自得ではないのか、と。

スペインのマドリードにはこんなメッセージが…

出典 https://twitter.com

「イギリス難民のみなさん、歓迎しますよ」というメッセージですが、EUを離脱することになって「困るのは英国民だろう」という強烈な皮肉が込められているといっていいでしょう。経済的にも大変動が起きるであろう今後の英国。何がどうなっても、EU諸国は「対岸の火事」として知らん顔をすることになるのです。

「ショック」という人たちがいる一方で、移民の嫌がらせをし始めた人たち。彼らは全て23日に「離脱」の投票をした人たちなのです。「離婚したいならさっさと離婚届けを出して!」という欧州委員会にプレッシャーをかけられている英国。

自分で離婚を切り出しておいて…と今後EU諸国を敵に回してしまうことになれば、英国はますます追い詰められてしまうでしょう。そうなることを予測できなかった今回の投票。国民は投票前に英国のこと、EUのこと、そして関係性、必要性を十分考慮すべきだったのかも知れません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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