現在、英バーミンガムのタウンワースにある「Relax Kids」のクラスで行われた授業が素晴らしいと話題になっています。

「Relax Kids」というのは、感情のコントロールを上手く表現できない子供たちにリラックスして穏やかに過ごしてほしいというコンセプトのもと設立された特殊学級です。人よりも繊細な子供、自閉症や多動性障害を持つ子供、うつになったりストレスをためやすくイライラしがちな子供など、精神的に不安定な子供たちを対象にこの学校では授業をゆっくり進めています。

現在「Relax Kids」はオンラインによる授業も行っており、人気の高い特殊学級の一つ。そんなタウンワースにある「Relax Kids」でコーチをしているロージー・ダットンさんが、今回子供たちにとってもわかりやすく「いじめ」の影響を説明したのですが、その方法がとても素晴らしいと絶賛されています。

「いつもと違うことをしてみよう」と思い立ったのがきっかけ

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精神的に不安定な子供たちを教えていくのは決して生易しいことではないでしょう。クラスを受け持っているダットンさんは、イギリス人に馴染み深いりんごを使って授業をしようと思い立ちました。

りんごは、子供も大人も大好き。イギリスでは人気のフルーツNO.1といっても過言ではありません。でも、ダットンさんがクラスで子供たちに突然りんごを配り始めると子供たちの表情が困惑。実はこのりんごが、後に子供たちをあっと言わせることになりました。

ダットンさんは授業の前に、いくつかのりんごをわざと床に落として痛めていました。でも見た目にはわからない落としたりんごと落としていないりんごの両方を使い、「いじめ」によってどれだけ人は影響を受けるかということを子供たちに教え説いたのです。

予め落としておいたりんごを子供たちにそれぞれ手渡し、りんごに向かって「あんたの存在さえ気付かなかったわ」「なんだか臭いわね、あんた」「きっと中に虫でもいるんじゃないの」などと罵倒し続けました。

そして落としていないりんごには「あなたは本当に綺麗ね」「素敵な肌の色で美しいわ」「可愛い」などと称賛の言葉を述べた後、りんごを切ってみると…子供たちはいっせいに「あっ!」と驚いたのです。

罵倒したりんごは中がひどいことになっている…

出典 https://www.facebook.com

見た目では全くわからなかったりんごですが、中を割ってみるとこんなに違いが。ダットンさんは「特に子供たちの間でいじめがあった時、子供たちは心の中はひどい悲しみでいっぱいなんですが表には出さないということが多いんです。でも、いじめられた人の心はこんな風になっているんだよということをわかりやすくクラスの子供たちに教えたかったんです」と話しました。

学校のFacebookにもたくさんの反応が

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Relax KidsのFacebookに投稿されると約15万の「いいね」と19万のシェア、2万件近くのコメントが寄せられたそうです。それだけ多くの人がダットンさんの教え方を絶賛。「いじめは外側をみているだけでは決してわからないもの」だということを子供たちにもよくわかってもらえたことでしょう。

実は、ダットンさん自身も先週、嫌なことを経験したそうです。「表面は笑っていましたが、心は傷ついていました。言われた言葉で心に痛みを感じたんです。」他人の心無い一言で傷ついても、笑顔を見せれば相手は傷ついているかどうかはわからないもの。でも、心の中を見れば本当のことがわかる。りんごはまさにそれを象徴しているのですね。

いじめを受けている人に対しては「あなたが周りに話さなきゃ誰もわかりようがない」と思う人もいるでしょう。でも言いたくても、言えばまたいじめられるかも知れないという恐怖で言えない子供がたくさんいます。そんな子供たちの心は、この落としたりんごのように傷ついているのです。

「勇気を出して立ち向かう強さを学んでほしい」

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ダットンさんは子供たちに「いじめられるようなことがあっても、勇気を出して立ち向かってほしい」と日々教えています。精神が不安定な子供たちは、他の子供のグループについていきにくいということも多いでしょう。子供の中にはちょっとみんなと違うだけでそれを苛めの題材にするというケースもあります。

言葉の暴力は目に見えない分、一番厄介

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また、「舌には骨がありません。でも骨のある体のどの部分よりも強く人を傷つけることができるんです。だから発言には十分注意をしてほしい」と強く訴えるダットンさん。身体的な暴行は当然ですが、言葉の暴力も相当なダメージとなるのはみなさんも既にご存知でしょう。

ちなみに英語ではsharp tongue(鋭い舌)という表現をしますが、これは「辛辣なものの言い方をする人」のことを指します。「あなたってほんと、sharp tongueを持ってるわね」と言われれば「言い方どれだけキツいのよ」と批判をされているのと同じです。

ダットンさんのちょっとユニークな「りんごを使ったいじめがテーマの授業」は、クラスの子供たちの心にきっと残ったことでしょう。「誰も止めなければ、りんごはどんどん腐っていく」といじめが蔓延しないようにわかりやすく説いたダットンさんは、素晴らしい教師ではないでしょうか。

こんな先生に教わることができて羨ましい!子供たちにも是非、いじめの怖さをきちんと理解してもらって少しでも社会のいじめが減るようになればと願う筆者です。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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