これからどんどん暑くなっていく季節。車に子供を乗せる親が最も注意しなければいけないのが「子供の車中置き去り」です。筆者の住むイギリスでは、夏もさほど気温が高くなることがないために、日本やアメリカと比べ「車中に子供を置き去りにして熱中症で死なせてしまった」というニュースはあまり耳にしません。

とはいえ、イギリスでは子供だけを車中に置き去りにするのは違法。そして死亡者が頻繁に出ないからといって、置き去りにしている親がいないのかというとそうでもないことも調査で判明しています。アメリカも同じく、違法であるにも関わらず「5分なら…」などという気持ちで「つい」置いて店に立ち寄ってしまう、ということもあるようです。

日本では法律上「違法」とはされていないので子供が深刻な状態に陥らない限りは送検はされないようですが、法律で定められているいない云々に限らず、夏の暑い日に車中に子供だけを置いておくということがどれだけ危険かということの認識が、まだ十分に伝わっていないのではないでしょうか。

冷房をつけていても危険であることを覚えておきたい

Licensed by gettyimages ®

悲しいことに、日本でもアメリカでも毎年夏がやってくると「車中の子供が熱中症で死亡」というニュースを耳にします。非利益団体「Kids and Cars」の調査によると、アメリカでは1990年以降、600人以上の子供が車中に置き去りにされ熱中症で死亡しているというのです。

置き去りにされて子供が死亡してしまう親によると「車の中にいることを忘れていた」「短時間なら大丈夫だと思った」「冷房をきかせているので平気だと思った」という理由がほとんどなのですが、窓を開けていても冷房をきかせていても絶対に子供を車中に置いておくのはやめましょう。

子供は後部座席に乗せることが多いと思いますが、意外と冷気が届きにくいもの。特に女性は冷房が苦手な方が多く、運転席、助手席で丁度いい程度にしておくと、後ろは暑くてたまらないということがあります。

特に3列シートの車だと1番後ろは日も当たりやすくかなり暑いので、年齢の低い子ほど前に近い席に乗せるようにしましょう。また東を向いて走る時間が多いなら左側、西なら右側に子供を乗せることで日の当たり方を軽減できます。また夏場は普段から後部座席にシェードを付けて日よけをしておくと、エアコンの効きも良くなるのでオススメです。

出典 http://maternity-march.jp

車中は乾燥しているからこそ脱水症状になりやすい

Licensed by gettyimages ®

エアコンがきいている車内だからこそ、乾燥しやすく子供が汗をかいても見えないために脱水症状になっているとは気づきにくいということがあります。特に「寝ているから起こしたくない」という理由で「ちょっとの時間だけ」と買い物に走ってしまう親もいるでしょう。

でも寝ているからこそ、チャイルドシートの子供は汗をかきやすく脱水症状を起こしやすいのです。熱中症のリスクは「見た目、汗をかいていないから」ということでは判断してはいけないのです。

イギリスでは、2000人(18歳~34歳)を対象に行われた調査で40%以上の親が「子供を車中に置き去りにした経験がある」と答えてました。4人に1人が子供を置き去りにした経験があるというのは衝撃的です。年齢が若い親ほど「危険」という認識が薄かったことも判明しています。

男性の方が「置き去り=危険」の意識が低い

Licensed by gettyimages ®

イギリスでは、男性が子供を車中に置き去りにする時間は平均27分、女性は17分という調査結果も。つまり男性の方が「子供を車中に置き去りにすることは危険」という認識が低いことが明らかに。

日本ではJAFの調査によると28%の親が子供を車中に置き去りにした経験があるそうです。エアコンが効いていない場合は、15分で危険レベルになるということなのですが「じゃ、10分なら大丈夫」という意識ではなく「絶対に置き去りにしない」という意識を持つことが大切ではないでしょうか。

テキサス州ダラスで赤ちゃんが熱中症で死亡

Licensed by gettyimages ®

このほど、痛ましい事件がテキサス州ダラスで起こりました。生後半年の女児を車中に4時間置き去りにし、熱中症で死亡させるという事件を起こしたのは、女児の父親マイケル・テッドフォード(33歳)でした。

彼は3歳と5歳の娘を朝9時ごろ保育所に送って行き、その後家に帰り仮眠を取ったそう。三女を車中に置き去りにしていることに気付いたのは4時間後に目覚めた時だったと言います。車に戻ってみれば、ぐったりした三女の姿が。

その時、父は信じられない行動に出た!

Licensed by gettyimages ®

熱中症になりぐったりしていた三女を、キッチンに抱えて来た父親。そしてなんと冷蔵庫に娘を入れて蘇生しようと試みたのです。パニックになっていたのかも知れません。でも、この時間が娘の生死を決めることとなってしまいました。

息絶えてしまった娘を前に、父親は外出している妻に連絡し911へ電話。人工呼吸を試みたりしたものの、娘が息を吹き返すことはありませんでした。冷蔵庫に入れずにすぐに救急隊員を呼んでいれば、ひょっとしたら助かっていたかも知れません。

この日の外気温は32℃だったそう。娘がいることを忘れて降りた父は、当然冷房を切っていたために車内は相当気温が上がっていたことでしょう。親の不注意により大切な娘の命は儚くも消え去ってしまったのです。

絶対に、置き去りにしないで!

Licensed by gettyimages ®

親の「つい、うっかり」「ほんのちょっとの間」は子供にとって生死に関わる危険を引き起こすことになるのだということを、今一度認識して頂ければと思います。この父親のように、子供を大切に思うからこそ慌てて冷蔵庫に入れてしまったのかもしれません。自分の過失で息をしていない我が子を見つければ誰でも正気の沙汰ではいられないでしょう。

でも、油断をしなければその事故は未然に防げるのです。失った命はもう二度と戻ってはきません。どうか、あなたの大切な子供のために「絶対に、車中に置き去りにしない」ことを約束してください。

この記事を書いたユーザー

Mayo このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

得意ジャンル
  • 話題
  • 社会問題
  • 動物
  • 海外旅行
  • 育児
  • テレビ
  • カルチャー
  • 美容、健康
  • ファッション
  • 感動
  • コラム
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス