イギリスでまたも悲しい事件が起こってしまいました。実の両親による虐待でわずか6歳の命を絶たれてしまったエリー・バトラーちゃん。

エリーちゃんの父親、ベン・バトラーは2001年に強盗未遂事件を起こしてその証拠隠滅を図ろうとした罪を犯し、2004年には路上で男性への暴行事件、そして翌年に元恋人への暴行など、エリーちゃんが生まれる前からでも何かと事件を起こしてばかりでした。

エリーちゃんの母ジェニーと2006年にパブで出会い、ジェニーはエリーちゃんをすぐに妊娠。その年の年末にエリーちゃんが生まれました。ところが、悲しいことにこれがエリーちゃんという子供の非運の始まりだったのです。

生後6週間にエリーちゃんは病院へ

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生まれて間もない6週目に、エリーちゃんは額に火傷を負って病院へ。その時母親のジェニーは「ヒーターに勝手に転がって行った」と医師に説明。そして一ケ月も経たないうちに再度病院へ搬送される目になったのです。原因は「激しく揺さぶられた」ということで、脳にダメージが与えられたかもしれないということでした。

それから約半年後、エリーちゃんは両親のもとから母親の両親のもとに引き渡されることに。そして父親のベンは1年半の実刑判決を受け2009年の10月に釈放。夫妻はエリーを取り戻そうとテレビに出演しキャンペーンを行うなど、まるで「大切な子供を奪われた両親」のようにメディアの前で演じていました。

2012年11月、裁判でエリーちゃんは両親の下へ帰された…

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当時の裁判官は「子供は両親といることが何よりの喜び」とし、エリーちゃんを祖父母の下から両親の下へ帰しました。エリーを取り戻したいという両親の懇願がその時の裁判官には真意に思えたのでしょう。ところが、これがエリーちゃんの命を縮めるきっかけとなってしまったのです。

翌年の3月にエリーちゃんの母、ジェニーが妊娠したことが発覚。しかし夫ベンは激しく拒否。そして妊婦であるジェニーに暴行を加えたため出血したジェニーは中絶を余儀なくされました。ベンの暴行癖は治らなかったのです。

その後、2013年6月に頭の怪我で病院へ連れて行かれたエリーちゃん。両親は「階段から落ちた」と説明。そしてその数ヶ月後、目の周りに殴られたような痣を作っているエリーちゃんを学校にいる生徒や教師は目撃しています。

同年10月に、エリーちゃんはまたも病院へ。ペットの犬を追いかけていて階段から落ち、気絶したと父のベンは説明。ところがこの時、エリーちゃんの頭蓋骨にヒビが見られ肩の骨が折れていたのです。この頃病院側は警察に通報。両親に虐待容疑がかかったのですが既に遅すぎました。エリーちゃんは度重なる父の虐待に、同月末に息絶えてしまったのです。

夫の暴力行為に自ら怯えながらも娘を殺害した夫をかばおうとした妻

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自分の娘を殺された悲しみや怒りよりも、夫への忠誠心が先だったのか、エリーちゃんの母ジェニーはベンのエリーちゃんへの虐待行為をかばう供述をしています。その罪でジェニーも実刑判決を受け、ベンは終身刑となりました。

最期まで「自分はやっていない」と否定し続けていたという父親。エリーちゃんを一時期預かっていた祖父母は、たった一人の孫を失った悲しみで言葉もないほど憔悴しきっています。

「可愛い孫を手放しさえしなければ…」

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エリーちゃんの成長を2年半でも見て来た祖父母にとっては、エリーちゃんが話し始めたり、歩き始めた成長過程を目を細めながら見守って来ました。ところが裁判により両親の下へ帰ってしまったために、今回の悲劇は起こったのです。


自分の娘のことを、あくまでも「エリーの母親」としか言わないジェニーの父、グレイさん。「エリーの母親は、エリーを預かっている間も4回ほどしか訪ねては来ませんでした。父親は2回ほど。子供が可愛い親の態度とは全く思えなかった」と怒りを露わにしています。

グレイさんからすれば、自分の娘ジェニーをも憎む気持ちでしょう。どうして我が子を庇ってやれなかったのか、どうしてもっと愛情を注いでやれなかったのか。きっと我が娘に詰め寄りたい気持ちがあるに違いありません。でも、今となってはもう全てが遅いのです。

エリーちゃんを預かっている間も、ベンはグレイさんに脅迫の手紙を何度か寄越しています。「娘を帰さなければただじゃおかない」と預かってもらっていることの感謝どころか妻の両親を敵対視していたベン。

エリーちゃんの死後、両親の下へ戻した裁判官に批判が集まっているようですが、今更何をどう批判しても、もうエリーちゃんは戻っては来ないのです。

虐待されるためだけに生まれて来たのは悲し過ぎる!

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不幸にもそんな両親のもとに生まれてしまったエリーちゃん。6年の間に楽しかったこと、幸せだったことが一度でもあったのでしょうか。おじいちゃんとおばあちゃんに引き取られていた間は心の平穏を保てる生活を送っていたことでしょう。でもそれもほんのわずかのこと…。

血の繋がった両親と暮らすことが一番幸せかどうか、というのはこうした虐待事件を目にすると考えずにはいられません。虐待されるために生まれて来たようなエリーちゃんの人生は、あまりにも不公平で理不尽で、悲し過ぎます。

父親が、エリーちゃんを祖父母から取り戻してまで傍に置きたかった理由は、虐待への執着があったからでしょう。終身刑の実刑判決を受けた今、閉ざされた刑務所の中で殺してしまった我が子を思い遣る気持ちはあるのでしょうか。一度も娘を愛してやれなかったことを悔いる心があるのでしょうか。

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嘘偽りの両親に連れ戻されたエリーちゃんが気の毒過ぎます…。

涙を流して悲しみを訴えるグレイさん。彼の気持ちを思うとやりきれません。6歳にしては背負うものがあまりにも大き過ぎて、また残酷すぎました。子供の命を奪った両親に、罪を反省する気持ちがあるのならまだ救われるでしょう。少なくともこれから長い投獄生活で、自分の犯した許し難い罪を償ってほしい。

たった6年で旅立たなければいけなかったエリーちゃんの冥福を祈ってやみません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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