記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
6月21日は「世界ALSデー」です。世界中でALS(筋萎縮性側索硬化症)の撲滅を祈ってさまざまなイベントが行われるようですが、実際どんな病気なのか、よく知らないという方が多いのではないでしょうか。

そこで、この世界ALSデーに向けて知っておくべき情報を、医師に聞いてきました。

「アイス・バケツ・チャレンジ」が盛り上がりましたが…

皆さんは、ALSという病名を聞いて、何を思い浮かべますか。昨年話題になったチャリティイベント「アイス・バケツ・チャレンジ」を思い出す方が多いのではないでしょうか。

たくさんの有名人がフェイスブックやテレビなどでバケツに入った氷水を頭からかぶる様子が見られましたね。自分が水をかぶるときに、次にチャレンジする人を指名するというシステムも注目を集め、世界中で拡散しました。

もしかしたら、この記事を読んでいる方の中に友達から指名されて自分もかぶった、という人もいるかもしれません。諸説ありますが、本来は「ALSの現状に対して目を覚ます」という意味合いがあると言われ、氷水をかぶらない場合はALS協会に100ドル寄付するという趣旨だったようです。

「アイス・バケツ・チャレンジ」の盛り上がりには賛否両論ありましたが、日本だけで9000人以上の患者がいると言われながら、あまり知られてなかったALSにスポットライトを当てられたという意味では、非常に成功した試みだったのではないでしょうか。

ALSってどんな病気?

さて、改めてALSはどのような病気かというと、人間が身体の筋肉を自分の意志で動かすときに、脳や末梢神経からの命令を実際に動く筋肉に伝える役割をする運動神経ニューロンが侵される神経変性疾患です。

つまり、脳で「この部分を動かしたい」という指令を出しても、筋肉に伝わらずにだんだん筋力が低下し、筋肉が痩せていってしまいます。話しにくさや嚥下障害、進行すると呼吸困難を生じます。

しかし一方で、進行しても身体の感覚は問題なく、目を動かしたりものを見ること、話を聞くことなどはできますし、失禁もほとんど見られません。

ALSの原因と治療法について

ALSの原因はまだはっきりしませんが、グルタミン酸過剰や神経の老化と関係があると言われています。またごく一部、家族性のものも見られ、そのうち2割には特定の酵素(SOD1)の遺伝子異常が見つかっています。

残念ながら、現在はALSを根本的に治す治療法はなく、進行をゆるやかにする薬や対症療法のみになります。平均寿命は3年から5年と言われ、今のところ症状は一旦悪化すると改善することはありません。

しかも、本人の意識が最後までクリアであることから、患者も家族も非常につらい病気で、世界的に最も特効薬の開発が望まれる疾患の一つと言えます。

では、何もできない? そんなことはありません。

「治療法がないならどうしようもないじゃないか…」、そう思うかもしれません。でも、世界ALSデーに向けて情熱を傾けている方々がいます。

たとえば、患者さん自身が疾患啓発活動としてCMを企画したり、その他にもALSの理解度をチェックするコンテンツを作ったり、仰向けに寝転がったまま5分間体を動かさず患者の気持ちになってみるイベントを開催したり、さまざまな形でALSと向きあい、患者を支援する活動が行われています。

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【医師からのアドバイス】

ALSは難病の中の難病、簡単に治せるものではありません。でも、そういう病気があることを知ったり、誰かに教えてあげて、患者さんやご家族のことを慮ることはできます。

6月21日には、ALSという病気について周りの人と話したり、イベントに参加してみることで、ALSに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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