去年からホームレスの人々にロンドンの路上で無料でヘアカットをしている1人の男性がいます。彼の名はジョシュア・コームズさん(28歳)。エクセター在住の美容師であるコームズさんはサロンでの多忙な1日が終わってもそのまま家に足を向けることはありません。

彼が向かうのは、ホームレスたちがいる街の路上。過去にニューヨークを旅してインスパイアされたことがきっかけで、「誰かのために何かをしたい」と無料でホームレスにヘアカットを提供しているのです。

時にロンドンのアイコン「ビッグ・ベン」の近くで

時にミレニアム・ブリッジの上で

時に地下鉄駅構内で

ロンドンだけでなく、あらゆる場所にいるホームレスにヘアカットを無料で提供しているコームズさんの写真を撮り続けているのは、友人で写真家のマット・スプラックリンさん。彼らはこのヘアカットを通して「社会における人と人の助け合い」を伝えたいと話しています。

ホームレスが「小銭をください」と懇願しても、実際にそうする人はほんのわずか。コームズさんは「お金を渡しておしまい、っていうよりももっと人との繋がりを大切にしたい」と「ホームレスに無料でヘアカット」にチャレンジ。1晩に7人のヘアカットをするというコームズさんの行為は、多くの人々をインスパイアしています。

ホームレスの人たちの表情にも変化が…!

髪を切ってもらってさっぱりすると、自然と表情も明るくなりますよね。普段、暗闇を抱えているホームレス達の表情もこんなに変わります。コームズさんは、きっとそんな彼らの表情の変化を見るのも楽しみの一つなのでしょう。

カットやトリミングの後は、みんなホームレスとは思えないほど表情が生き生きとして見えます。写真家のスプラックリンさんのInstagram「#DoSomethingForNothing」にも、コームズさんのInstagram「joshuacoombes」にもヘアカットの様子を撮影したたくさんの素敵な写真が投稿されています。

「誰かのために何かをする」ことは、易しいようですがなかなか行動にうつしにくいもの。自分の日々の生活でいっぱいいっぱいという私たちにとって、全く見知らぬ誰かのために時間を割き、エネルギーを使い、思いを寄せることは決して簡単ではないのです。

でも、人と繋がることでその人を知ることができる

コームズさんは「ヘアカットという些細なことから、今まで知らなかった誰かの人生を知って、その人と会話をして、笑ったりし合えるということは自分にとって人生の糧となる」と語っています。

彼らの笑顔が眩しい!

ホームレスの彼らにとって「ヘアカット」という身嗜みを整えることはその日暮らしのギリギリの生活を強いられる上で、必要なことではありません。きっと何か月もずっと髪を触ることなんてなかった人もいるでしょう。

でもコームズさんにヘアカットしてもらったことで人としての身嗜みがどういうものかを思い出し、すっきりした自分を鏡で見てちょっぴり照れくさいような気持ちになり、またその気持ちを懐かしく感じたりする彼らには、やっぱり最後に最高の笑顔が表れるのです。

彼らの笑顔は決してお金では買えないもの。コームズさんもきっと、こんなにホームレス達が笑顔を見せてくれるからやり甲斐があると感じているに違いありません。

感謝の気持ちが温かい

ヘアカットをした後、ホームレスたちとハグや握手を交わすコームズさん。「単なるヘアカット」はこの瞬間「とても大きな意味を持つ人との触れ合い」に変わるのです。

去年から続けているこの「ホームレスへの無料ヘアカット」。噂が噂を呼び、現在は国際的に話題になっているそう。ロンドンからブラジル、韓国など様々なメディアでも取り上げられており、コームズさんはこのプロジェクトをもっと世界に広めていきたいと意欲を燃やしています。

コームズさんの活動に感銘を受けたソーシャルメディアエージェンシー「Be Social Global」CEOが、コームズさんらと提携し、今年の4月にロンドン市内でmeetupを開催したところ数百人が参加するという大イベントにまで発展しました。更に今年の終わりには、世界的イベントの開催を予定しているそう。

櫛とはさみだけで誰かのために大きな何かをすることができる

「チャリティーにお金を寄付することは簡単かもしれないけど、みんなに知ってもらう状況を作ることのほうがやり甲斐があるよ」と語るコームズさん。

はさみと櫛というたった二つのアイテムから、大きな何かを社会に生み出し大きな成果を得ることができ、そしてホームレスの人たちから素晴らしい笑顔がこぼれるならば、それはお金よりもはるかに価値のあることでしょう。

美容師であるコームズさんはあくまでも「自分にできること」をしているだけ。でも「自分にできること」を行動にするだけで、自分の人生も誰かの人生も大きく変わることがあるのです。自分にできる形で、私たちが日々生きている社会で起こっている問題に貢献することは大切ではないでしょうか。

あなたも是非、見つけてみませんか、社会で自分ができる何かを。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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