記事提供:しらべぇ

後を絶たない電車内での痴漢被害。恐怖で声をあげられずにただじっと我慢し、被害に遭っても泣き寝入りしてしまう人が多いのが現状である。

だが、そんな状況にいる人を助けてあげられる可能性のあるアプリが登場した。その名も、『Don't Worry』声にできない声、つまり今まさに痴漢被害に遭っている人のSOSを拾い上げるのだ。

■友人からのSOSがキッカケで

しらべぇ編集部では、同アプリの開発者である秋元京平さんに取材。アプリ開発のきっかけなど話を聞いた。

「知人らとやっているLINEグループで雑談していたときに、その中のひとりの女性から今まさに電車内で痴漢被害に遭っているというメッセージがあったんです。

みんな励ましのメッセージを送ったりしましたけど、つらい思いを必死に我慢しているのを目の当たりにして、何もできないもどかしさと無力感を強く抱きました。これはどうにかならないのか、と思ったことがキッカケです」

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困っている人がいるのを知っていながら、何もできない。そんな経験をした人もいるのではないか。

■どうやって被害者の声を聞くの?

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被害者のSOSを受信するためには、同アプリをインストールしておく必要がある。使い方は簡単で、Bluetoothをオンにするだけ。

機能としては、痴漢被害に限らず助けを求めたいときに使える仕様になっており、使用している電波(Bluetooth)の特性上、アプリをインストールしている人が近く(10m範囲くらい)にいないと届かないという。

そのため、「近くに人がいるけど気づかれない」シチュエーションが多い痴漢被害に最適だと、秋元さんは語る。

「電車内では多くの人がスマホを見ていますから、近くで誰かが痴漢被害に遭っていることがわかる通知がスマホにくることで、周りへの注意を促せます。周囲の人の注意を向けることで、被害は減らせるのではないかと思いました」

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■女性の気持ちに寄り添ったアプリ

同アプリの最大の魅力を秋元さんに聞いてみると、被害女性の気持ちを最大限に汲んだものだとわかる。

「SOSを発信することで、声や音を出さずに周りに痴漢被害にあっていることを伝えられることと、誰がSOSを発信したか正確にはわからないことです。

・知られるのが恥ずかしい
・人違いで冤罪を生んだらどうしよう
・注意して逆上されたら

などの理由で、声も出せず防犯ブザーも鳴らせないような心理的障壁が、このアプリでは軽減できるのではないかと思います」

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■女子大生が実際に使ってみた

電車通学をしている女子大生の記者も、さっそく『Don't Worry』をインストール。友人の協力を得て、このアプリの実用性がどのようなものなのか体験してみた。

今まさに被害に遭っているという想定でSOSボタンを押すと、すぐに近くの友人に受信された。とくに音もならず、加害者には気づかれない。

多くの人が電車でスマホ画面を見ていると考えると、アプリをインストールさえしていれば、すぐさまあたりを見回すに違いない。これはかなり万能だ。なにより、アプリがあることの安心感がすごい。

秋元さんによると、実際にアプリを試していた人の中には「SOSの内容をもう少し具体的にしてほしい」という要望もあったそう。たとえば、被害者は男性なのか女性なのか、どのあたりの方向にいるのか、どういう状況にいるのか、などの情報だ。

この部分に関しては悩んだそうだが、機能を逆手に取られたり、誤解やいたずらなど不本意なケースもあると考慮した結果、現状の機能に落ち着いたという。

■誰にでも良心や正義感はあるはず

最後に、秋元さんに今後の展開を聞いてみた。

SOSを受信できる人がいないと意味がないサービスですので、コンセプトとともに多くの人に広めていきたいと思っています。

通勤・通学で電車に乗る人たちがこのアプリをインストールするだけで、痴漢犯罪の抑止力になると確信しております。

そのためには、アプリ単体だけでなく、すでに多くの人が入れているアプリ、たとえば路線情報を検索するアプリなどに『Don't Worry』の受信機能を追加するようなことも展開できたら嬉しいですね。

無関心社会とは言われていますが、ほとんどの人々に良心や正義感は潜在的にあるものだと信じていますので、このアプリをきっかけに、周りへの注意・関心を喚起できたらいいと思っています。

痴漢被害から守る、痴漢被害を減らせるのはこのアプリの機能ではなく、人々のそういった気持ちだと思っていますので」

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また秋元さんの話によると、この事業は儲けを一切考えずに展開しているそうだ。そのため現状の機能であれば、どれだけユーザーが増えてもユーザーからお金を取るモデルにすることはないという。

誰でもシンプルに使えるからこそ、多くの人が気軽に手に取ることができるこのアプリ。痴漢被害を減らす助けになると、希望を感じることができた。

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