2015年の7月、アフリカ、ジンバブエの国立公園で観光客に人気だったライオン「セシル」が心無いトロフィーハンターの犠牲となり亡くなった事件を覚えている人もいるでしょう。このニュースをきっかけにトロフィーハンターと呼ばれる人たちが注目され、世間から批判を浴びました。

トロフィーハンターとは

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トロフィーハンターとは野生動物を趣味で殺して、その横で自慢げに写真を撮り、頭部や角を持ち帰って自慢する人たちのこと。日本でもハンターは存在しますが、お金持ちのアメリカ人のようにわざわざアフリカに行って大型の野生動物を撃ち殺すという人はまずいないでしょう。

得意げに笑みを浮かべるハンター

出典 http://www.express.co.uk

動物保護団体はもとより、世界中の人々から猛批判を受けたライオンセシルの殺害。トロフィーハンターは何もあの歯科医師だけではなくあちこちに存在します。とはいえ、トロフィーハンターが多いといわれる米国でも、実はその9割の人々はトロフィーハンターを批判。

写真は、アメリカのビジネスマン、ブラッド・セヴァーズという人物。彼はこれまでライオン、チーター、サイ、ゾウ、バッファローやワニなど多くの大型野生動物を殺してきました。その得意げな様子がFacebookで公開されていたこともあり、多くのユーザーから批判を受けたことも。

その後、自身のFacebookで画像が一般公開されることがない現在でも猛批判は続いており、彼の狩猟をやめさせるように署名運動まで行われているほど。

殺したキリンの死体に寄り添い笑顔で写真を撮る女性ハンター

出典 http://www.independent.co.uk

こちらのレベッカ・フランシスという女性ハンターも、世間で猛バッシングを受けているトロフィーハンターの1人。この写真が世間に出回ってからも彼女は「罪の意識は全くない」と主張。

そして「大金を払って決められたルールで狩猟しているのだから地元の人達にとっては感謝されこそすれ悪いことはしていない」とメディアのインタビューで堂々と答えたことでも話題になりました。

更にこの女性ハンターが「動物が好きだからやっている」というコメントをしたように、実はこうしたトロフィーハンターの多くは趣味で殺しているというところだけにフォーカスされがちですが、「野生動物の保護を思うからこそしている」という人も少なくはないようなのです。

アフリカの国立公園では、野生動物の保護資金のほとんどをハンターたちに頼っています。つまり、広大な敷地にいる多くの野生動物のわずか2%を狩猟にあてるために、一頭1万ドル(約100万円)という高額な費用で狩猟を許可しているのです。

そして狩猟で得た収入で、野生動物が生息しやすいような環境作りや、自然の植物が生育しやすいように囲いや柵を作らない形で保存するように努めることで、広大な国立公園で野生動物が保護され繁殖にもプラスになっているとハンターたちは信じています。

アメリカの裕福な狩猟家は「寄付」と称して野生動物を殺す目的でその費用を野生動物の保護にあてていると主張しています。確かに、野生動物の姿が見られるのはハンターたちの支援による力が大きいのかも知れません。でも、モラルで言うと動物の命を尊重していない卑劣な行為に他ならないのではないでしょうか。

しかしハンター全員が動物支援をしているわけではない

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百歩譲って、ハンターは狩猟をする代わりに大金を動物の保護にあてる支援をしているとしましょう。でもやはり全てのハンターがそうであるとはいえないのです。ルール違反を犯し、決められた敷地内以外でのハンティングや密猟などを行う輩が増えてきたために、全ての人間に守られるべき野生動物の一部が絶滅に追い込まれているのです。

そこには「野生動物の保護」も「人が生きる為の手段」もなく、ただの人間のエゴしか存在しません。その昔、この地球上で狩猟をしていた人が多かったのは食料としての手段を狩猟に頼っていたからです。動物と人が共存してきた社会を、人だけのエゴで破滅させてはいけないのではないでしょうか。

出典 https://www.youtube.com

ここに一本の衝撃的な動画があります。トロフィーハンターにより無念にも殺された一匹のライオン。

女性ハンターはその傍で記念撮影

出典 https://www.youtube.com

大物を仕留めた嬉しさからか、女性ハンターには笑顔が見られます。

出典 https://www.youtube.com

カメラの設定をしていた男性ハンターも、撃ち殺したライオンを前にドヤ顔で女性ハンターと一緒にポーズ。

男性ハンターがカメラに近付いたその時…!

他のライオンが襲って来た!

出典 https://www.youtube.com

驚いて逃げる女性ハンター。男性も慌てて逃げようとします。

ハンターに飛びかかるライオン

出典 https://www.youtube.com

この続きは、みなさん自身の目で是非動画を見て頂きましょう。

出典 YouTube

実はこれは、トロフィーハンターたちの残酷さにフォーカスしたキャンペーン動画。CGを駆使して作られたものですが、実際に起こっているようにしか見えません。そしてもし、このようなことが起こったら、その時人は初めて自分のしてきたことを思うのでしょう。いえ、ひょっとしたらそんな時間も与えられないかも知れません。

520万回以上再生されているこの動画には「毎回、心無いハンターたちによって絶滅危惧種の動物の命が奪われています」とメッセージが。「保護に金銭的な面で協力している」とハンターはハンターなりの言い訳もあるのでしょうが、やはり動物の命が単に狩猟が趣味という人達によって奪われてしまうのはやるせないと思ってしまいます。

危害を加えなければほとんど襲ってくることさえない動物たち。先日報道された動物園の事件でも、人間が必要以上に彼らのテリトリーを侵すから悲劇が生まれてしまうのです。そして罪のない動物たちの命が奪われてしまう…。

人間のエゴによりこのような悲劇を生み出してはならないのです。ルールを守っているとはいえ、「生き物の命を奪うことを快感に感じる」トロフィーハンターが増えて欲しくはありません。女性ハンターのレベッカ・フランシスさんは「野生動物とペットは違う」と言ったそうですが、命に区別などないのではないでしょうか。

古代から動物と人は共存して来ました。今は、一部の身勝手な人たちの私利私欲のために動物社会を破滅させているといっても過言ではありません。クジラ捕鯨も同じだと筆者は思っています。他の動物の命を頂き生きることができる私たちがこれ以上「生きるため」にクジラを食べる必要はあるのでしょうか。

野生動物の保護にはその研究費用も含め莫大な資金がかかります。でも、命を奪わずに保護できる方法を私たちは見つけなければいけないのではないでしょうか。環境や自然を私たち人間が滅ぼしてしまう前に、大切なことに気付く人がもっと増えてほしいと願わずにはいられません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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