ロキタンスキー症候群を知っていますか

Licensed by gettyimages ®

約5,000人に1人の割合で発症するといわれるロキタンスキー症候群は、メイヤーロキタンスキークスターハウザー症候群(MRKH)と呼ばれ、子宮と膣が一部もしくは全部欠乏して生まれる先天性の疾患です。

原因ははっきりとは解明されていないのですが、恐らく胎児の発育障がいによるものではと推測されています。通常、生理が始まる思春期になっても生理が来ないことで気付くことが多く多感な時期に「妊娠不可能」と宣告されてしまうことで、精神的にもかなりの苦痛を負う疾患だと言われています。

手術によって、人工膣を装着することができるので将来、パートナーとの性行為はできるようにはなるものの、どうしても自分の子供を妊娠したいと強く望む女性にとっては子宮がないというこの疾患は残酷なもの。

子供を産まない人生を選ぶ女性は、産むか産まないかという選択肢があって初めて「産まない」ということを選べるもの。その選択肢がなかったとしたら、やはりショックを受けることは想像に難くありません。

このほど、世界初の子宮移植が成功

Licensed by gettyimages ®

これまで、ロキタンスキー症候群を患う女性は「生涯、妊娠はできない」という自分を受け入れて生活しなければなりませんでした。ところが、世界初で子宮の移植に成功しこの症状を持つ女性が妊娠&出産に成功したのです。このことは、同じ症候群を患う女性にとって大きな一歩となりました。

マリーン・ステンバーグさん(38歳)がロキタンスキー症候群だと発覚したのは15歳の時。やはり生理が来ないので不思議に思い受診したのがきっかけでした。マリーンさんの場合は、子宮と膣が全て欠乏していました。

そこで3年前、スウェーデンの移植開発プログラムに参加する形で世界初の子宮移植にチャレンジ。このほどめでたく妊娠&出産することができたのです。

息子、ヴィンセント君とマリーンさん

15歳の時に「妊娠は不可能な体」と告げられて激しいショックを受けたマリーンさん。これまで、医学界では子宮移植を試みてはいたものの失敗に終わっていました。30歳の時にマリーンさんは運命の相手と出会います。パートナーのニルソンさんに自分の身体のことを告げると「妊娠以外で家族を持つ方法を考えよう」と言ってくれました。

代理出産で子供を持つことを考えていた二人ですが、やはり自分の子供を妊娠し家族が欲しいと願っていたマリーンさんは、このプログラムのことを知り参加。マリーンさん以外の女性参加者は自分の母親から子宮の移植を試みる予定でした。ところがマリーンさんは、古くからの友人の61歳の女性の子宮を提供してもらうことになったのです。

子宮移植が成功しIVF治療を始め、妊娠

Licensed by gettyimages ®

子供が欲しいというマリーンさんの強い願いが奇跡を呼んだのでしょう。子宮の移植手術が成功しただけでなく、その後の不妊治療でも見事妊娠し「世界初の子宮移植での出産」となりました。

そしてその後、他国でも同じ方法で3人の男児と1人の女児が移植後の妊娠で誕生したそう。更に筆者の住むイギリスでも、ロキタンスキー症候群を持つ女性や病気で子宮を摘出した女性にこの方法を積極的に取り入れていく予定をしているということです。

きょうだいを産んであげることはできないが満足

子宮移植をして妊娠が成功したマリーンさんですが、二度目の妊娠となると危険を伴うという理由から今回移植した子宮を再び摘出したとのこと。そのために、ヴィンセント君には血の繋がったきょうだいを与えてあげることはできなくなりましたが、それでも夫婦はこの上ない幸せと喜びを感じています。

「世の中の全ての女性の励みになれば」

Licensed by gettyimages ®

自分の子供を切望している女性にとって、子供が産めないという宣告は絶望と苦悩を味わうことでしょう。マリーさんさんは、そんな苦悩を乗り越えて今回自分の赤ちゃんを妊娠し出産することができました。

この経験が、どれだけ子供を欲しかった自分を幸せにしてくれるか身を持って感じたというマリーンさんは、子宮を持たない世界中の女性にも諦めないでどうか希望を持ってほしいと訴えています。

「ほんの少しの可能性でも諦めないで!」

Licensed by gettyimages ®

ロキタンスキー症候群を患う患者のレベルはそれぞれ異なるために、子宮の移植をしなくても体外受精で妊娠できる可能性がある女性もいます。ただ、マリーンさんの場合は子宮と膣を持たない状態で生まれたので子宮の移植が必要となりました。

素晴らしい医療チームの技術のおかげで、これまで成功することができなかった子宮移植に成功し、世界で初めて妊娠したマリーンさんはやっと念願のママになることができました。夢にまで見た我が子との対面はただただ感激して、すぐに愛おしさが込み上げて来たそう。

これまで人一倍辛い思いをしてきたからこそ、これからは家族3人で幸せになって欲しいですね。そしてこの記事が、不妊で悩んでいる女性の励みになってくれることを願ってやみません。

この記事を書いたユーザー

Mayo このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

得意ジャンル
  • 話題
  • 動物
  • 社会問題
  • 海外旅行
  • 育児
  • テレビ
  • 美容、健康
  • カルチャー
  • ファッション
  • コラム
  • 感動
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら