母子二人きりの長旅

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まだ幼い子供を連れての飛行機での長旅は親にとってもかなり苦痛でストレスがたまるもの。狭い空間でもし子供が泣いたり愚図ったりしたら。他の乗客にこれ見よがしに舌打ちされたり聞こえるようにため息つかれたり、「うるさい!」と怒鳴られたりしたら…。

フライトの前から心配になる気持ちは、恐らく子供を持つ親なら経験済みの方もいることでしょう。筆者も息子と二人の15時間のフライトを経験したことがありますが空港で息子が愚図って大変でした。

当時2歳半だった息子はパパと離れたことで寂しがり、一方で早く飛行機に乗りたいと駄々をこねて搭乗待ちのロビーで愚図り出したのです。たくさんの人がゲートへ行く間時間待ちをしていたために、息子の愚図りに注目する人もいて、搭乗する前からほとほと神経が擦り切れました。

床に転がり愚図りが収まらない息子。いくら言い聞かせても「今すぐ飛行機に乗る」の一点張り。搭乗ゲートが決まっていないのでどんなに暴れられてもどうすることもできず、といった状態でした。

そして搭乗ゲートがわかり乗客が移動し始めた時もまだ愚図っており、周りの呆れたような冷めた視線を感じながらも、その場で愚図る息子に対応しきれない自分に泣きたくなっていた筆者。

今度は早く移動しなければ乗り遅れてしまう…そんな時に1人の男性が近付いて息子に話しかけてくれたのです。その初老の男性は英語ではない言語で、息子の手を取り掌に彼の指で優しく円をかくように撫で、何かをずっと囁いてくれました。

言葉はわからなくても、優しく何かを言い聞かせてくれているような男性の態度に胸が熱くなった筆者。息子も見知らぬ人から突然話しかけられて、戸惑いの表情を見せたもののそのうち落ち着いて泣き止みました。

その男性は私に微笑んだ後、搭乗ゲートへ。落ち着いた息子のおかげで筆者も無事にゲートへ向かうことができました。空港の中のたくさんの人の中でこの男性だけが、子育ての大変さの理解をダイレクトに示してくれたことに涙が出る思いでした。

同じ不安を抱えたある一人のママが出会った男性

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このほど、Facebookにあるメッセージが投稿されました。軍に努めているご主人が仕事で家を離れてしまって孤独な女性は、まだ幼い娘と二人で女性の親族を訪ねることに。飛行機の長旅は前日から女性を神経質にさせていました。

過去に嫌な経験をしたことがあった

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この女性、過去に娘を連れて旅をした時に機内で疲れのためか愚図って泣き止まない娘を必死であやしていると、乗り合わせた1人の男性に「俺が黙らせる前にあんたがその赤ん坊を黙らせろ!」と怒鳴られたのです。

女性は男性を無視したのですが、屈辱で涙が溢れてきたそう。誰だって子供だった時があり、「子供だから仕方ない」と理解してくれれば助かるのですがなかなか理解を示してくれない大人も少なくありません。このママが悔しい思いをした気持ち、十分わかります。

だからこそ、今回の長旅も不安を抱えていた母親。ところがやはり愚図ってしまった娘。泣き止まない赤ちゃんにイライラして視線を投げかけてくる乗客にプレッシャーを感じながらもあやしていたそう。

すると、隣に座っていた1人の男性が笑顔で「あんた、よくやってるね。」と一言。全く期待していなかったその言葉に驚いた母親に、更にその男性は席を変わるように言って来たのです。そして赤ちゃんの隣に座り、男性はiPadを取り出し自身の家族や孫の写真を女性に見せ、赤ちゃんにゲームを開いて一緒に遊ぼうとしてくれたのです。

小さな親切でどれだけ救われたか

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6時間のフライトがこの男性のおかげであっという間に終わったとその母親はFacebookで感謝の気持ちを綴っています。「彼は、自分の家族のことを色々話し、私の家族のことも聞いて来てたくさん話をしました。娘も、彼が相手になってくれたおかげで愚図るのをやめて落ち着くことができたんです。」

「彼は、見知らぬ親子に自分の時間を犠牲にしてくれた」

出典 https://www.facebook.com

その後、その男性は女性の荷物を持ち、スーツケースを受け取るのも手伝ってくれたそう。そして女性の両親と挨拶を交わし素早く去って行ったということです。涙を浮かべながら男性の親切を両親に訴えた女性。彼の親切がどれほどこの母親を救ったことか。きっと幼い子供を持つ親なら、その気持ちは十分理解できるのではないでしょうか。

この母親の投稿に男性に対しての称賛コメントが続々と寄せられました。「私も子連れ旅行で乗客に文句言われたことがある」という人達も多く、この女性の気持ちに多くの人が理解を示しました。

一方で「でも、その乗客はもしかしたら具合が悪いのかも知れないし、家族に不幸事があってそこへ行く途中かも知れない。そんな人たちからしたら、子供の愚図りはストレス以外の何ものでもないのでは?」といった意見も。

確かに、子育ての苦労や大変さはその親にしかわからないでしょう。それと同じように他の乗客にも様々な事情があって機内に乗り合わせている場合もあります。でも、「それでも子供だもの。仕方がないというぐらいの器の持ち主でいたい」という声も。

公共の場で、我が子が愚図ることに何より神経をすり減らせているのは親なのです。ちょっとした理解を示すことで誰もが気持ちよく旅ができるなら、どうしてそれをしない方が賢明だと言えるでしょうか。

この男性がした親切まではいかなくても、「仕方ない」という思いやりを持つことで子供連れの家族が救われるのです。確かに騒いでいる子供を全く注意しないというのは親にも責任がありますが、赤ちゃんは泣くもの。大人でも辛い長旅なら子供には尚更だということを認識してあげると、自然と舌打ちも出なくなるのではないでしょうか。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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