心無い人間により虐待を受けている動物は数多く存在します。野生動物の密猟も立派な虐待。そして飼い主がペットを躾と称して必要以上に叩いたりすることも立派な動物虐待です。先日、ロンドンの街中で女性の飼い主が死んだ犬を引きずって歩いているところ、それを目撃した通行人からRSPCA(英国動物虐待防止協会)に通報されるという事件がありました。

散歩の途中で急死してしまった飼い犬を、そのままリードに繋いだままズルズルと引きずって家まで帰ろうとしていたその女性は、通行人が注意するも「あんたには関係ないでしょ!」と聞く耳を持たなかったそう。いくら犬が息絶えていたからといっても、これは立派な虐待だと批判が殺到しました。

虐待で両目をくり抜かれた犬、ニム

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ニムも虐待の犠牲となった一匹です。現在7歳のニムはルーマニアのブカレストで心無い輩の虐待を受け両目を失ってしまいました。動物好きな人の手により、ニムはイギリスの「Blind Dog Rescue」という盲目の犬の救助をしている団体にニムを預ける手配を整えてくれたおかげで、ニムはルーマニアからイギリスに渡ってきたのです。

イギリスに着いた最初の頃は、ニムは痩せ細り震え、まともに立っていられない状態でした。それほどニムへの身体的虐待が精神的にも追い詰めていたのです。ハムステッドにあるロイヤルフリーホスピタルで看護師をしているシャーン・ポーターさん(38歳)は初めてニムに会った時、ニムの恐怖を全身から感じ取ったそう。

誰かが優しく触れようとしたただけで、恐怖に慄くニムはお漏らしをするほど震えていたと言います。それほどまでにニムが人間にトラウマを与えられたのかと思うとやりきれない気持ちになったというポーターさん。心を痛めながらも懸命にニムの心を解きほぐす努力をしてきました。

自分の名前に反応したのはそれから6週間後だった

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懸命のケアのおかげで、ニムとポーターさんは心を分かち合うように。ゆっくりではあるものの、名前を呼ばれると反応するようになったニムを一生面倒見ていこうと誓ったポーターさん。両目が不自由なニムは、まっすぐ歩くことも困難。そのためにポーターさんの声を頼りに前に進みます。

今は目の見えない他の犬たちと共に暮らしているニム

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ポーターさんは、ニムだけでなく他にも目の見えない数匹の犬の世話をしています。その犬たちと一緒に暮らしているニム。少しずつ新しい環境にも慣れて、人への信用も取り戻し、幸せに暮らしている様子。

「ニムがこれまで背負って来た辛さを思うと胸がいっぱいになる」というポーターさん。言葉が話せない動物に、このような残虐な行為をする人間は悲しいかな存在するもの。でもまたそんな動物を必死で救おうとしている人たちもいるのです。

ニムは人々の癒しになっている

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人が愛情を注ぐと動物は必ず返してくれます。ポーターさんは、ニムの回復を祈って毎日たっぷりの愛情を注いできました。そしてそんなポーターさんの気持ちを理解するかのようにニムもまたゆっくり心を開いていったのです。

現在もまだケアが必要なニムですが、目の見えないニムを見た人たちは抱き上げ、優しく撫でます。「ルーマニアでは目を失ってしまったけど、イギリスに来てニムは幸せな生活を手に入れました」とポーターさん。

これからも二人三脚で歩んでいくポーターさんとニム

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この写真からもわかるように、ニムはポーターさんを信頼しています。これまで闘ってきた人との恐怖はもう感じる必要はないのです。ポーターさんの周りにはニムを愛する人がたくさん。目が見えない分誰よりも幸せを感じ、これからも平穏な生活をニムが送れることを願ってやみません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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