予想外の出来事が永遠の別れに…

Licensed by gettyimages ®

当時、カナダのモントリオールに住んでいた20歳のミリアムさんは、新しい恋人とパーティーへ。ミリアムさんはこの恋人に運命を感じていました。母親のミッシェリーンさんにも目を輝かせながら「彼のことが大好きなの」とよく話していたそうです。

20歳という「なんだってチャレンジできる気がする」年齢。ミリアムさんにとっては、まさにいろんなことが楽しくて仕方がなかったでしょう。ところが、ある出来事でそのかけがえのない命が奪われてしまったのです。

それは…彼との「キス」

ミリアムさんは、重度のピーナッツアレルギーだった

Licensed by gettyimages ®

ミリアムさんは、新しい恋人に自分のナッツアレルギーのことをまだ話していませんでした。それが悲劇を生んでしまったのです。パーティーの前に彼が自宅でピーナッツバターサンドイッチを食べて来たことを知る由もなかったミリアムさん。

パーティーの後、おやすみのキスを交わすと直後に発作が。ピーナッツによるアレルギーでミリアムさんの体にアナフィラキシーショックが起こってしまったのです。

病院に緊急搬送されたが…死亡

Licensed by gettyimages ®

恋人とキスの直後、全身に痙攣が起こり呼吸困難になったミリアムさんを見て、驚いた恋人が救急車を要請し病院に搬送されるも、ミリアムさんはそのまま息を引き取ってしまったのです。

母親のミッシェリーンさんは、悲しみを乗り越え「娘に遭った悲劇を他の人に繰り返してほしくない」とメディアで話す決心をしたそうです。突然にして起こるアナフィラキシーショック。日本では去年、叶美香さんが咳止めシロップで発作を起こし緊急入院したのを覚えている方もいることでしょう。

日本では年間50~90人が死亡

Licensed by gettyimages ®

アナフィラキシーショックが起こる原因は薬物や食べ物、蜂に刺された時などいろいろですが、食べ物で起こるアレルギーの中では最も深刻で注意が必要だと言われています。自分がどんな食べ物にアレルギーを起こすかを把握していなければ、アレルギー源があるものを口にした時(または匂いを嗅いだ時)に激しいショック症状を起こすことになるからです。

特に食べ物によるアレルギーは、軽いもので蕁麻疹や腫れなどの症状がありますが重度になると呼吸困難、血圧低下、意識障害を起こし死に至ります。これがアナフィラキシーショック症状と呼ばれるものです。

筆者は15年ほど前ですが、イギリスでアナフィラキシーショック症状になり危うく命を落とすところでした。原因はペニシリン。日本では使用したことがなかったために自分がペニシリンにアレルギーを持っていることを知らなかったのです。

ある病気になり、処方された薬にペニシリンが入っていたため全身痙攣を起こし、呼吸困難に陥りました。ショック症状が出た時、家に筆者一人だったので本当に死ぬかと思うほどの恐怖を味わいました。

助かったのは運が良かったのですが、実際に命の危険性があるこのショック症状。日本でも1番の死因は薬物だそうです。知らずに使用してアレルギー症状を起こすというケースが多いのでしょう。

薬物、蜂毒についで多いのが食べ物によるショック死

Licensed by gettyimages ®

同じ食物に対してアナフィラキシーを起こす場合でも個人差が大きく、加工品をほんの少し食べただけでもアナフィラキシーショックを起こす人もいれば、たくさん食べたときだけ症状を起こす人もいます。

食べ物以外にも蜂、ラテックス(天然ゴム)、薬のアレルギーや運動などが原因となることもあります。特に運動の場合には「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」といって、特定の食物を食べてから運動をした時にだけアナフィラキシーが起こる方もいます。この場合は食べただけや運動しただけでは症状がないので、最初にアナフィラキシーを起こして初めて食物アレルギーに気づかれることがほとんどです。

出典 http://www.alle-net.com

20歳のミリアムさんは、この日に限ってエピペンを携帯していなかったそう。そのために命を失ってしまったのです。アナフィラキシーショックを防ぐには、アレルギーとなるものに触れないということが大前提ですが、起こってしまった場合にはアドレナリンを素早く注射すると危険性を回避できると言われています。

アドレナリン自己注射液(エピペン®)が世界中に広まっています。平成17年3月から日本でも食物アレルギーの患者さんに処方されるようになったアドレナリン自己注射液は、ペンタイプの薬で1回のみ使用できるようになっています。

出典 http://www.alle-net.com

患者の身近な人も使い方を覚えておく必要がある

Licensed by gettyimages ®

実際に発作を起こして患者が倒れてしまった時に、エピペンを使用するのは周りの人になるので、家族や親しい友人などもその対処法を覚えておく必要があります。そのためにはやはり患者が周りの人に「自分はアレルギーを持っている」ということを知らせておくことが大切。

ミリアムさんは、きっと付き合い始めて間もない恋人に話すつもりだったのでしょう。でも毎日楽しくて、自分のアレルギーのことを話すことに気が向かなかったのかも知れません。

ミリアムさんのナッツアレルギーのことを全く知らなかった恋人は、普通にピーナッツバターサンドイッチを食べた後ミリアムさんにキス。まさかそれが恋人の命を奪ってしまうことになるとは想像もしていなかったことでしょう。

大切な人だからこそ、話しておこう

Licensed by gettyimages ®

自分がアレルギーを持っているということは、自分だけが認識していればいいというものではありません。特にアナフィラキシーショックの場合は周りの理解・協力、そして起こってしまった時の素早い対処法が求められます。知っているからこそできる予防策もあるのではないでしょうか。

もし、ミリアムさんが恋人に話していれば…と思うと残念で仕方がありません。大切な人にだからこそ、早い段階で自分のアレルギーのことを知ってもらうことが大切。ミリアムさんのお母さんが願うのはきっとそういうことなのかも知れません。

命を奪う危険性があるアナフィラキシーショックについて再認識して、普段私たちも自分に何のアレルギーがあるのか十分理解しておく必要がありますね。

この記事を書いたユーザー

Mayo このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

得意ジャンル
  • 話題
  • 社会問題
  • 動物
  • 海外旅行
  • 育児
  • テレビ
  • カルチャー
  • 美容、健康
  • ファッション
  • 感動
  • コラム
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス