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「どんな物を食べているか言ってみたまえ、君がどんな人か当ててあげよう」という、フランスの美食家ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァランの名言がある(※1)。

どんな食べ物を食べているかで、睡眠が決まる!?

食べている物で人間性が分かるという意味だと思われるが、最近の研究によって「どんな物を食べているかで、どんな眠りなのかも当てられる」ようになった。

アメリカのコロンビア大学医療センターの研究によると、食物繊維の摂取量が少なく、脂肪や糖分を多く摂取している人は、睡眠が浅く中途覚醒が多くなり深い睡眠が得られないことが多いことが明らかになったのだ。

快眠を得るためにはどんな食べ物が効果的?

研究では、普段7~9時間睡眠を取っている30~45歳で、標準体重の成人男女26人が5日間の実験に参加した。

参加者は最初の4日間、栄養士により管理された健康的な食事を取った。5日目は何を食べても自由とされ、自分で食べたい物を選んで食べた(※2)。

午後10時から午前7時までベッドで9時間過ごし、平均で7時間35分眠った。睡眠データは睡眠中の脳波、血液中の酸素レベル、心拍数や呼吸だけでなく、目と脚の動きをポリグラフで記録した。

快眠に効果のある食べ物は食物繊維を含むもの?食物繊維と睡眠の深い関係

その結果、栄養士により管理された食物繊維が多く健康的な食事をした日は、「徐波睡眠(ノンレム睡眠)」と呼ばれる特に深い睡眠の時間が多かった

また食物繊維を多く食べると、眠りに就くまでの時間も10分ほど短くなり、早く眠りに就けることも分かった(※3)。

脂っこい食事や甘い砂糖が睡眠を妨害!?

一方で、自分で好きな食事を選ぶ場合、食物繊維が少なく飽和脂肪酸や砂糖が多い食事をした人は、睡眠の途中で目が覚めることが多く深い睡眠が得られなかった。

飽和脂肪酸はバターやチーズなどの乳製品やラード、牛肉の脂身や鶏皮などに多く含まれている(※6)。

また、眠りに就くまでの時間も長くかかり、なかなか眠りに就けないことも分かった(※4)。

たった1日の食事内容が睡眠・快眠に影響

さらに詳しく見ていくと、食物繊維が少なく飽和脂肪酸の多い食事では、徐波睡眠が減り浅い眠りになる。そして、砂糖やその他炭水化物が多い食事では、睡眠の途中で目覚めることが多かった。

たった1日の食事内容が変わるだけでも、その日の夜の睡眠の質が即座に変わり、眠りに就くまでの時間も変化することお分かりいただけただろう。

昼間の異常な眠気…脂肪の多い食事のせいかも?

また脂肪の多い食事は、昼間に強い眠気を催すという別の研究もある。

アメリカのペンシルベニア州立大学医学部の研究によると、脂肪の多い食事を取ると日中の眠気が強くなり、炭水化物を多く取ったときは、逆に眠気が弱くなったという。

研究者らは「現代社会では、日中の過度の眠気や疲労がまん延し、増加している。脂肪を多く取ることが注意力を低下させ、個人の能力や公共の安全性に影響を与えるかもしれない」と述べている(※5)。

コロンビア大の実験と合わせて考えると、脂肪の多い食事を食べることで、夜の眠りの質が低下し、その影響で昼間に眠気を引き起こしている可能性もありそうだ。

快眠、良い睡眠のためにできる食事の注意点は

これらの研究結果から、毎日の食事に何を食べるかで、睡眠の質が変わるといっても良さそうだ。

色々な快眠法を試してみたけれどなかなか快眠が得られない、などという人も多いのでは無いだろうか。そんな場合は一度食生活を見直してみるべきかもしれない。

飽和脂肪酸を減らして食物繊維を増やすには、玄米ご飯にみそ汁、野菜の煮付け、焼き魚などの和食の献立もおすすめだ。食と睡眠は表裏一体。睡眠に良い物を食べ、ぐっすり快適に眠ろう。

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