家事・育児に主体的に取り組む既婚男性、主夫。世の中では、主夫に対して偏った見方をされることが多い中、ポジティブな発信を続けている「秘密結社 主夫の友」の皆さんにSpotlight編集部がインタビューを敢行。

今回インタビューさせて頂いたメンバーの皆様は7名。前列左から、杉山ジョージさん、佐久間修一さん、インド支局長、後列左から村上誠さん、坪井博一さん、吉田尚史さん、堀込泰三さん。

前回のインタビューではそれぞれが主夫になったきっかけや主夫への偏見ついてお聞きしましたが、今回は家事・育児への取り組み方や、男性の育児の強みについてお話を伺いました。

「家事や育児が評価されない」主夫も同じように感じているのか?

ーーよく「仕事は頑張ったら第三者に評価される。それが羨ましい。家事や育児は評価されない」という主婦の声を聞くのですが、皆さんはどのように感じていますか?

村上:
そういう時もあったし、時々はあるけれど…当たり前になってくると、あまりそういう欲求はなくなってきますね。

時々家事をやるという人は、そこに感謝を求めちゃうんですけどね。毎日やっていると、家事が生活の一部なんです。やることがたくさんあるから、一喜一憂している時間もないよね。

杉山:僕も、あまり承認欲求はなかったですね。仕事でもクリエイティブな世界にいるから(杉山さんの職業は放送作家)、普段から具体的な成果の基準がないんです。それよりも自分で感じたことが評価だと思っています。

例えば、子どもが「ママ」と呼ぶ回数よりも「パパ」と呼ぶ回数の方が多ければ、それが子どもからの評価だと感じますね。

堀込:評価という部分であれば、子ども達や奥さんの笑顔が評価にならないですか?僕はそれで十分かなと思います。

ーー家事をやることで奥さんに褒めてもらいたいとか、感謝されたいということはあまりないんですね。

坪井:毎日凝った料理を作るよりも、毎日普通の料理を作って、普通に食べてもらって、片付けて…というのが日常じゃないですか。それを褒めてもらいたいとかは、基本的にないですね。たまに気合を入れて作った料理が喜ばれたら嬉しいですけど。

杉山:僕、お店をはじめて気が付いたんですけど、人ってあまり「美味しい」って言わないんですよね。美味しいことが当たり前の感覚なんだなって思いました。お皿にどれだけ料理が残っているか、どんな勢いで召し上がったかで読み取るしかないんです。

村上:結局他者からの評価といっても、自分が求めている評価と違うことが多い。「認めてもらえない」「理解してもらえない」「頑張っているのに分かってもらえない」そういうケースが多いから、何かを求め過ぎても満たされないままなんですよね。

そこは自己評価にシフトしていけた方がいいし、コツコツ続けることで得た成功が自分の自信に繋がるんじゃないかな。

妻の収入がグングン上がっていったことが励みに

佐久間:僕は3年間難病を患っていたので、家事は少しやっていたものの、自分が生きていくということにフォーカスせざるを得なかったんです。でも、3年後に僕が毎日作ったご飯を食べて、妻が毎日元気で働いているということに評価を見出せました。

あとは、妻の収入がグングン上がっていったことが励みになりました。あくまでも僕の場合ですが、自分のやったことが妻の評価に繋がるのであれば、僕が完全にバックアップに徹した方が妻の評価はもっと上がるんじゃないかと思ったんです。昔の専業主婦の「内助の功」に近い考え方ですね。

村上:男女逆のバージョンだよね。

佐久間:そう。そこに僕は価値を見出したんです。

育児に対するプレッシャーを主夫はどう感じている?

ーー皆さんはお子さんと接する時間が多いですが、その分子どもの教育責任やプレッシャーを感じていますか?

一同:全然!楽しいです。

村上:だって自分で考えて育児できるんだもの。

佐久間:男性側の育児のメリットって、育児のプレッシャーを感じないことなんですよ。もう楽しくてしょうがないんです。ママは(子供の教育やしつけを)自分が全て担わなきゃいけなんだとプレッシャーに感じている気がします。

坪井:義務感を感じてますよね。

佐久間:プレッシャーを感じるか否か、ここの男女差は激しいですよ。僕、ママ友からよく相談を受けますけど、「こんなにプレッシャーかかってるの?荷物下ろせ」ってよく言ってるんです。

村上:多くの女性は同調意識が強いせいか、「はみ出ちゃダメ」という世界で生きているから、子どももその世界の中で守ろうとしているように見えます。

「出る杭にしたくない」という思いで育てているように感じるけど、僕は主夫というマイノリティな生き方を選んだからこそ「はみ出ても大丈夫な子をどう育てるか」という気持ちでやっています。

坪井:子どもが何をしようが、まずは受け止めるという考え方ですね。子どもの意見に対して「ダメ」はないですね。

杉山:うん。「なんでそう思うの?」だよね。

子どもの人格は“みんな”で作るもの

ーーお子さんの人格を作っていくのは、夫婦どちらかというと自分だと思っていますか?

一同:それはないですね。

村上:人格を作っていくのは夫婦でもあり、第三者でもあるから、あまりにも親が責任を背負い込んでしまうことが問題になっている気がします。よく「3歳児までは」という3歳児神話の話が出ますけど、場合によっては20歳を超えても親が付き添っていることだってある。それは、親が子離れできていないんじゃないかなと思います。

親だけじゃなく、地域や社会、他人の手も借りて子供を育てていかなきゃいけないところを、あまりにも親ばかりに責任を問いすぎていることが子離れを難しくしているのかもしれません。

杉山:僕の場合は、親戚のおじさんが好きだったから、おじさんにも色々話をしましたね。

坪井:親に話せないことを話したりするんですよね。

杉山:そうそう。そういうのも含めて人格形成の過程なんです。一番基本的な人格については親が責任を取らなければいけないかもしれないけど。

吉田:子ども自身の生まれ持った性格もあると思います。

主夫が感じる女性と男性の育児の違い

ーー皆さんが育児をする中で、女性と男性の違いを感じることはありますか?

杉山:お母さん達は「やれ」って言うけど、僕らは「背中を見せていれば子どもがやってくれるのでは?」という期待を持っている。つまり、子どもが行動を起こすまで待てるんです。

ーーそこは男性と女性の気質の違いがありそうですよね。

村上:うちは、あまり口で言わずに仕掛けを作ってます。コミック雑誌の隣に読んで欲しい本を、しれっと置いておく。「なんだこれ?」って自発的に行動するような仕掛けを、日々仕込んでいます。

佐久間:うちもそれよくやりますね。片付けているうちに、発見することを想定して色々仕掛けます。子どもが探していたものを僕が既に見つけていた場合、そっと隠して子どもが片付けた時に見つけられるようにして、遊び感覚で子どもが取り組めるようにしています。

杉山:うちも似てます。子どもに何か見せたい、読んで欲しいものがある時、妻は「読みなさい、見なさい」なんだけど、僕の場合は子どもが興味を持っているものに紛れ込ませます。

坪井:自分で見つけさせた方が勝手に見るからね。勝手に勉強もするし。

ーー男性の方が子どもと一線を引いているイメージがありますね。

坪井:子どもに対して一個人として接する傾向はありますね。生物的な繋がりが強いせいか、お母さんは自分と子どもを同一視しがち。そこも男性と女性の育児の違いの1つかもしれません。

村上:そこはジェンダーの男性・女性ではなく、父性・母性によるところなんでしょうね。

杉山:女性は子どもを細かく見るけど、男性は俯瞰で見ようとする。俯瞰で見ることで自立した子どもが育つのかもしれないけど、もしかしたら危険も多いのかもしれない。

子どものすぐ近くにいるのと、少し離れた場所にいるのとでは、何かあった時に助けに行けるタイミングも違ってきますからね。

佐久間:うちの息子も僕が俯瞰で見てるものだから、全く知らない男の人やお兄ちゃんに平気で声をかけて一緒に遊んでいることがある(笑)。

ただ、今の時代を考えると危険なこともあったりするから、子どもとの距離は悩みどころですね。

ーー男性と女性で物事の捉え方や、取り組むマインドも違うことはなんとなく知っていたものの、主夫の方たちにお話を伺うととても身近に感じました。特に育児に対する考え方は、良い意味でママ達がプレッシャーから解放されるきっかけになると良いのではないでしょうか。

最終回は、3児の父でもあるSpotlight編集長・渡辺が、主夫の皆さんに育児や妻との接し方について相談をします。突然の相談に主夫の皆さんは、どんなアドバイスをするのでしょうか?続編をお楽しみに。

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