記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
下痢や嘔吐など、苦しい症状を引き起こす食中毒…。なんとか避けたいものです。

ところで、梅干しを食べると食あたりになりにくいという話を聞かれたことはありますか? 食中毒に梅肉エキスが効くというようにいわれることもあります。
梅に含まれる成分により、食中毒を防ぐ働きがあるともいわれていますが、これは本当なのでしょうか?

今回は、梅と食中毒の関係について医師に解説していただきました。

食中毒の症状は?死にいたる場合も!

食中毒は、病原となる菌などが食べ物に付着し、その菌や菌が作り出す毒素を含んだ食べ物を摂取することによって、症状が起こります。

≪主な症状≫
・下痢
・嘔吐
・腹痛
・発熱

ひどい場合は脱水症や、菌の種類によっては、溶血性尿毒症症候群などを引き起こし、死にいたることもあります。
原因となる菌や毒素によって、症状が起こるまでの時間や、症状の経過はかわってきます。

また、食中毒として頻度が高いものには、
・黄色ブドウ球菌
・病原性大腸菌
・腸管出血性大腸菌
などがあります。

胃酸と梅干しのクエン酸の働きとは?

胃の中には食べ物の消化のために胃酸があります。この胃酸により、胃の中は酸性に保たれています。
酸性環境のなかでは多くの菌は生きていけませんので、酸性環境によって外部からの菌の進入も防いでいるといえます。

健康な胃は、この殺菌作用がある胃酸を含む胃液が分泌されているので、胃の中で菌が増えるような形での食中毒は起こりにくいです。しかし、食中毒を起こす大腸菌などはある程度の酸に強いです。体調を崩したりして、胃酸の働きが弱っている時などは、酸の抗菌作用も落ちてしまうため、食中毒も起きやすくなるといわれています。
食中毒といえば夏に起きやすいイメージもあるかと思いますが、風邪などをひきやすい冬の時期も食中毒には注意が必要といえます。

梅には、クエン酸などの有機酸の成分が含まれています。これらの酸によって胃液の殺菌作用を増強し、体の外から入ってきた食中毒の原因となる細菌が増殖するのを防ぐと言われています。

減塩の梅干しでは抗菌作用も半減?

注意したいのは、現在スーパーなどでよく売られている梅干しは、減塩対策によって塩分が抜かれていることがあります。

脱塩するときに梅干しの成分も損なわれることがあり、クエン酸など含有量も少なくなるため、抗菌作用が弱くなることが多いです。

梅の効用が高くなるといわれるのが梅肉エキスです。これは青い梅から作ります。家庭でも作ることができます。青い梅をおろし器ですり下ろし、すった梅をこして、果汁を絞り、果汁を煮詰めます。

この梅肉エキスには、ピロリ菌インフルエンザに対する効果が高められることも報告されています。

≪あなたの食卓は大丈夫?チェックしてみましょう!≫
夏は特に気になる【食中毒危険度】を診断してみましょう!

【医師からのアドバイス】

勘違いされやすいのは、お弁当などに梅干しを入れておいたら腐らないし食中毒にもならない、と思われがちなこと。実は梅にそこまでの防腐効果や殺菌効果はありません。
食中毒を防ぐには、作る人がしっかり手を洗ったり消毒すること、食べ物をあたたかいところに長く放置しないなどの保存方法に気をつける、生肉などは避けるなどが大切になります。

食中毒の予防に、梅を試してみてはいかがでしょうか。

(監修:Doctors Me 医師)

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