自分の大切な家族が、誰かの手で無残に殺されてしまったらということを想像したことがありますか?世界で起きている凶悪犯罪事件は、いつ、私たちに降りかかってくるかわかりません。

残酷にも家族を殺されてしまった時は、きっと誰もが犯人を恨むことでしょう。でもいくら憎しみや恨みを抱き続けても失った大切な人は戻っては来ないのです。だから諦観の念を持つという遺族もいます。

恨みや憎しみから解き放たれることで、最愛の家族を失くしたと辛さからも解放されると考える人も中にはいるようです。「犯人を赦す」というなかなかできない行為をしている遺族も現実に存在しているのです。

遺族にとって耐え難い法廷

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愛する家族を失った打撃は計り知れないもの。法廷で殺人者の姿を目の当たりにした時には怒りが沸き上がるのは当然でしょう。でも、犯人が反省していることを知ったなら赦すという気持ちになるという遺族もいるのですが、逆に笑みを浮かべているのを見たら…。

オハイオ州で起こった性犯罪殺人事件の犯人

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2013年に女性3人が相次いで殺害されるという痛ましい事件が起こり、性犯罪者名簿にも登録されていたマディソン容疑者が逮捕されました。裁判が行われたのは今年の2月。この3年の月日は家族を奪われた遺族にとっては耐え難い苦痛の日々だったことでしょう。

日本でもそうですが、海外でも裁判が長引くことで余計に思い出したくないことも思い出さざるを得ないという状況になり、被害者やその遺族にとっての心理的負担は想像を絶するものがあると思います。

被害者3人のうちの1人、当時18歳だった娘を殺された父、ヴァン・テリーさんは法廷で被害者意見陳述を読み上げていました。「今日は、私たちの娘を奪い、家族を苦しめた殺人犯を赦すつもりでここに来ています。」

テリーさんがそう口にしてふとマディソンへ視線をやると、なんと殺人犯の男は顔にテリーさんを小馬鹿にしたような笑みを浮かべていたのです。

思わずマディソンに飛びかかったテリーさん

この写真からも明らかですが、オレンジ色の囚人服を着たマディソンは笑っています。最愛の娘を失った両親がどれほど辛い日々を過ごして来たかを思うと、テリーさんの気持ちに同情を禁じえません。

咄嗟にカッとなりマディソンに飛びかかったテリーさんを必死で抑える裁判所の役人たち。悲鳴が飛び交う中、マディソンはニヤニヤ笑いをしたまま。これでは赦せなくなるのも当たり前でしょう。

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テリーさんはそのまま退場を命じられました。テリーさんの妹のソニアさんはインタビューで胸の内を語りました。「兄は怒っていました。自分の子供を失ったことをマディソンの前で訴えていたんです。それなのに当の本人は笑っていたんです。もう十分。勘弁してほしいと思いました。」

「告訴されても構わない」

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テリーさんも自身の気持ちをメディアで語りました。告訴されるかどうかは今は裁判所が検討中のようですが、「それならそれでも構わない」と話しています。テリーさんは人として当然の怒りを覚え、娘を殺しながらもヘラヘラと笑みを浮かべている殺人犯に制裁を加えたかったのでしょう。

自分は何もできないと知りながらも、マディソンのまるで反省の色も見せずに小馬鹿にしたような笑いを見た瞬間、テリーさんの理性が吹っ飛んだことを誰も批判はできないのではないでしょうか。

マディソンは死刑判決を宣告された

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これまでの悪行が弁護人によって回避されることにはならず、検事も陪審員も共にマディソンの極刑を要請。マディソンに死刑判決が下されました。ところが、オハイオ州では現在、死刑執行が延期されているそう。死刑執行に使う薬物の入手が困難なためにマディソンの死刑執行の日まではまだまだ時間がかかるとのこと。

反省の色もない極悪殺人犯が命を絶たれるということで、誰も同情の声もなく、むしろ検事でさえ「あの男が、女性をレイプし遺体を切断するなどという残酷な事件を二度と起こさないようになることが救いだ」と述べているとか。

「薬での処刑なんて楽過ぎる!」

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マディソンに殺害された被害者3人のうちのある親族は、「薬での処刑なんて楽過ぎる」と裁判所に訴えの手紙を書いたそうです。「死刑までに生きている犯人が自分の家族と会っていたりしたら、早く死んでほしいと思わずにはいられない」と本音を漏らす気持ちも十分理解できるもの。

愛する家族を奪われた遺族の悲しみは、きっと犯人を死刑にしたところで癒されるものではないでしょう。むしろあっけなく死んでしまうことにさえ憎しみの感情が湧くのも仕方のないことかもしれません。こんな時には死刑という最悪の手段でさえも、不十分で不公平に感じてしまいます。

「人は人を裁けない」として死刑を反対する国もありますが、では残された遺族は誰に犯人の罰を求めればいいのでしょうか。法廷という神聖な場所にいながらも笑みを浮かべたマディソンに飛びかかったテリーさんには同情の声が寄せられています。

マディソンの犯した罪は殺人ということだけではありません。殺人犯が「生きた」罪はやはり死でもって償うしかないのでしょう。被害に遭われた3人の冥福を祈ると共に、少しでも被害者遺族が苦悩の日々から解放されることを願ってやみません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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