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有名IT企業に勤める都内在住の男性、松永さん(仮、26歳)は、入社2年目の秋、ちょっとしたピンチを迎えていたそうです。

そのピンチとは、「1年目の後輩のほうが職場での評判が高い」というもの。

直接的に「新人のほうが良い」と言われることはなかったものの、任される仕事内容や連れていかれる場所、上司・先輩社員の接し方などからそれは明らかだったとのこと。

その大きな原因は、「自分の要領があまりにも悪かったこと」だと松永さんは自ら分析し話してくれました。

ついに言われた「お前より新人のほうが」

体格が良く、常に明るく元気な松永さん。職場の人たちからは、ひとりの人間としては大いに好かれていたものの、こと仕事に関しては怒られてばかりの日々だったといいます。

毎日のように受けるいろいろな人たちからの説教の内容は、つきつめると全て「要領が悪すぎる」というもの。

「この仕事で何でそんなに時間かかるんだ」

「デスクが汚すぎる。周囲に迷惑だぞ」

「こんな資料わざわざ作らなくても、メールで概要をまとめれば済むだろ」

こんな説教が繰り返された結果、松永さんは職場ですっかり“要領悪いキャラ”として定着してしまったそうです。

そしてあるとき、納期ミスをしてしまったことをきっかけに、ついに我慢の限界にきた上司の口から、「お前より新人のほうがよっぽど良い動きしてるぞ!」という言葉が出たのです。

さすがに落ち込んだという松永さん。そのとき彼が頼ったのは、当時28歳で入社6年目だった先輩社員、小柳さん(仮)でした。

部署のみならず社内でも広く“デキる人”として評判が高く、また毎日ほとんど残業せずに退社していく小柳さん。

そんな小柳さんに「どうしたら自分は要領が良くなるんでしょうか?」と聞いたところ、最初は「慣れじゃない?」と一言で返されたそうですが、

「いやマジでアドバイスが欲しいです」と食い下がったところ、二人きりでご飯に連れて行ってくれたとのこと。

小柳さんが選んだお店は、なんてことのない駅前の小さな中華料理屋でした。

お水のおかわりをどう注文するか?

この中華料理屋で、松永さんは「目から鱗」なアドバイスを受けたといいます。

自分の要領の悪さを表すエピソードについてご飯を食べながら話す松永さん。ただただ聞くだけで何も言わなかった小柳さんでしたが、ふと「お水おかわり頼んでくれない?」と言いました。

松永さんは、「ちゃんと話聞いてよ…」と内心思いながら、「すいません!」と声をあげ、やってきた店員さんに「お水おかわりください」と注文したそうです。

そして、食後。

またお互いお水がなくなったので、松永さんが店員さんを呼ぼうと思ったところ、今度は小柳さんがお水のおかわりを頼みました。席に座ったまま、店員さんのほうにグラスを掲げ、少し大きめの声で「お水ください!」と。

このおかわりのお水がテーブルに運ばれてきた瞬間から、小柳さんはこう話し始めたそうです。

「松永がみんなから“要領が悪い”って言われるのは、こういうところなんだよ。

この小さなお店でお水のおかわりを頼むってのに、松永はわざわざ店員さんをテーブルまで一旦来させてから注文してる。これによって、店員さんは持ち場からおれらのテーブルまでを2往復しなきゃいけなくなる。

でも、おれがやったみたいに一言『お水ください!』ってだけ言えば、店員さんは1往復で済むし、おれらだってすぐお水が手元にくる。これって、双方にとって得なわけじゃん」

この時点で既に“目から鱗”だったという松永さんですが、小柳さんはさらに続けました。

「たとえば、松永って社外に打ち合わせで外出してること多いけど、それって『自分が行かなきゃ』って勝手に決めてるでしょ?

でも、絶対に自分が出向かなきゃいけないっていうことばっかりじゃないはずなんだよ。

先方がこっちに来てくれれば1時間で済むのに、こっちが行くとなれば2時間かかっちゃう。松永は、そういうふうにしてロスしてる時間がすごく多いんじゃない?

いまのお水のおかわりの注文もそうだけど、常日頃から“最短距離“と“最小の労力”で何事もこなすっていうことを考えようよ。そうすれば、自然と仕事の効率も上がるはずだから」

食後にタバコを吸うあいだのたった5分間で、松永さんが「見える世界が変わった」とまで振り返るほどの言葉をおくった小柳さん。

まさに、最短距離、最小の労力のアドバイスですね。

その後松永さんは、打ち合わせの場所や使用ツール、書面化の有無まで、仕事にまつわる全てのことを見直し、アドバイスから2年経った現在では「要領が悪い」と言われることは全くなくなったといいます。

あくまで、「“むかしは”デキなかった」という評価に落ち着いているのだとか。

松永さんは最近、小柳さんに対して「小柳さんのアドバイスのおかげで変われました」と感謝の言葉をおくったそうですが、小柳さんの返答はたった一言、「慣れただけでしょ」だったとのことです。

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