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青色発光ダイオードの開発に世界で初めて成功し、2014年にノーベル物理学賞を受賞した中村修二さんが読者からの質問に答える形式で「夢の見つけ方」を教えてくれるメルマガ『熱血!中村修二ゼミナール』。

今回は夢の実現と、それを阻む壁についてのお話です。中村先生は自身の体験を踏まえて、「夢の実現における壁の重要性」を語ってくれています。

夢と壁(その1)

私には医師になって人を救うという夢があります。でも、今の成績では合格できそうにありません。大学に受かっても国家試験もあります。

夢をかなえたいけど、壁を乗り越えられそうにありません。

でも、この本には「夢は捨てない限り必ず実現できる」と書いてありました。

そして、壁を乗り越えるには、「壁をぶち壊すことを楽しむことだ」と書いてありました。私は、ハッとしました。なんだか、自分にもできそうな気がして来ました。ノーベル賞に比べたら壁は低いですから。(高3・女子)

出典 http://www.mag2.com

前講で紹介したオックスフォード大学のエレーヌ・フォックス教授は、人が本当の意味で幸福になれるのは、次の3つの要素が合わさった時だけだと言っています。

(1)ポジティブな感情や笑いを多く経験すること。
(2)生きるのに積極的に取り組むこと。
(3)今日明日ではなく、もっと長期的な視野で人生に意義を見出すこと。

どうですか。大金持ちになるとか、ノーベル賞をもらうことなんて1つも出て来ませんね。成功した人、夢を果たせた人が幸せになるとは言っていません。

果たせたか否か、結果ではなく、夢を抱き続けたこと、夢中で取り組んでいる最中の過程こそが幸せな時間なんだと言っていますよ。

この講義の最初の質問を覚えていますか。あなたにとって夢とは何ですか。

それに対して、「夢こそわが命だ」と答えた人、本当に幸せなのはこういう人です。夢がどんなに大切なことなのか、だんだん分かって来たと思います。

もし壁がなかったら

そこで、第5講では、みなさんが夢を持とうとする時の障害になっている壁について考えてみたいと思います。

この壁さえなかったら、私も夢が実現できるのに。いやそれ以前に、夢が持てて、わくわくする毎日が送れるのに」

──憧れやどうしても達成したい願望が心に浮かんだ時、こういう思いが頭を支配したことがあると思います。

そこで、みなさんに訊いてみたいと思います。

問23 壁というのは、夢を阻む阻害要因だと思いますか。

人生にはいくつもの壁があなたを待ち構えています。当面は大学入試でしょうか。でも、それを超えたら、次は薬剤師や建築士になるための資格試験や、司法試験や税理士などの国家試験もあります。

入社試験を突破してこれが最後かと思ったら、TOEICや管理職になるための試験があったりします。

車の免許を取らないと運転できないように、その資格や試験を突破しなければ、壁の向こう側の世界には永久に行くことはできないのです。考えるだけでもうんざりしますか。

そこで、「では、いっそ一切壁がない夢を描いたら」と講演先で訊いてみました。すると、「壁はない方がいいけど、全く壁がない夢というのもなんだが拍子抜けする」という答えが返って来ました。

「何でも思い通りにかなってしまう夢、何の苦労もしないで立ちどころに実現してしまう夢って、そんなの夢って言えるの?」と口々に言っていました。

そうなんですよ。一切壁のない夢って魅力がないんです。本気でかなえたいと思えないんです。すると次には、「努力すればかなう夢」とか「少し無理っぽいけど一生懸命やればなんとかなりそうな夢」が手ごろだとか、いろんな意見が出て来ました。

ということは、壁の役割って何だということになりますか。

そう、みなさんの本気を引き出すものなんですね。

私にとって最初の壁は兄でした。相撲で何度挑んでも跳ね返されてしまう分厚い壁でした。どんなに本気で闘っても勝てない相手、もう憎ったらしい存在でしたよ(笑)。私が長男だったら、今日の私はなかったと思います。

何しろ私の唯一の才能は、物心ついた頃から鍛えられた筋金入りの「コンチクショー魂」なのですから(笑)。

つくづく今から思うと壁があったことはありがたいことでした。目標、やる気を持続してくれるもの。コンチクショー魂を思いきりぶつけられる相手です。

もし、兄がいなかったら…私の根性は、人並みだったと思います。同年齢の、同程度の力の友だちとの競争だけでは、勝てっこない壁に立ち向かうド根性は鍛えられないと思います。

試験やライバルといった壁はリアルで、バーチャルな夢よりずっと自分にやる気を起こさせてくれるものなんです。

憧れが幻想に終わる訳

この講義の第1講の結論として、「夢は憧れでいい」と言いました。夢がみつからない人や夢を持たなくてはいけないとプレッシャーになっていたみなさんは「ホッ」としたかもしれません。

でも、私が「憧れでいい」と言った理由は、それが今日の生活を浮き浮きしたものにし、やる気を引き出してくれるからです。

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