記事提供:長谷川豊 公式ブログ

「オプジーボ」

皆さんはご存じだろうか?肺ガンに効くとされる抗がん剤だ。

本日、赤坂で開かれた「メディカルカフェ」に講師の一人として参加をしてきた。

「メディカルカフェ」はまだ30代や20代という若き現場で働く医師たちが立ち上げたイベントで「少しでも医療について知識を深めるきっかけになってほしい」と、

気軽にカフェをしながら専門家たちの話を聞いたりその講義内容について語り合ったりする企画だ。

その講師として招かれた私はいつも通り「メディアリテラシー」をはじめ、現在の日本社会の構図やなぜ経済政策が行き詰っているのかなどを話してきたのだが、

そこで話題に上がったのが、先日、作家の百田尚樹氏がレギュラーコメンテーターを務める番組に出演させていただいた際に話題となった「高すぎる抗がん剤」についての話題だった。

すでにこのコラムでは何度か紹介しているのだが、もう一度見てほしい。

愕然とする数値である。

これは日本の社会保障給付費のグラフだ。なんて増加の仕方か。日本は社会保障に対する政策を間違えているのである。ここに来るまでで30年も40年も、完全に間違った方向に進んだのだ。

日本人は間違えたのである。そこを認めないと、先に進めない。

私が何度も記していることだ。こんな金額で増え続ける社会保障制度が持つわけない。小学生で分かる計算式だ。

現在、日本の「医療費」は「年間1兆円」という…もう…何が何だか分からない速度で増加の一途をたどっているのだが、その大半が「高齢者の医療費」である。

それは確かにやむを得ない。若い体ではない。身体の至る所が悪くなってくることは仕方がない。私だって将来そうなるのだ。

しかし、だ。

日本にはある医療制度がある。皆さんは知っているだろうか?

「高額療養費制度」という制度のことを。

平成27年に厚生労働省が認可した、ある抗がん剤がある。名前を「オプジーポ」。肺ガンに効くという。

画期的なのが、今までと違い「自己免疫力」を高めるという効能があることだ。必ずしも劇的に効くわけではないそうだが、少なくとも今までの代表的な治療と比べると数か月間にわたり延命できる薬のようだ。

いいと思う。医学の進歩だ。立派だと思う。

値段を除いて。

この「オプジーポ」…百田氏や今日の「メディカルカフェ」で聞いたところによると…大体1か月で300万円かかるという。1年の処方で3600万円だ。

さて、ここで問題なのはこの極端に高額な値段だ。

皆さんはご存じか?「高額療養費制度」という制度が日本に存在していることを?

通常の保険適用は患者の3割負担。高齢者は1割負担だ。皆さんもそこまでは知っているだろう。

しかし、あまりに高額な薬に対しては「高額療養費制度」という制度が適応される。

所得のある人間であっても少しだけ…所得が減れば支払う金額はどんどん減っていく制度だが、日本の後期高齢者たちは、一部を除いて基本的にほとんど収入はない。

したがって、ご高齢の方々は、日本では高額ながん治療薬などを使用するときには、そのほとんどを税金から賄っているというのが現実なのだが…。

よく考えてほしい。

肺がんの患者のご老人に…税金が年間3000万円以上投入されているって…それ、健全なのだろうか?

ものすごくイヤな表現をする。これはものすごくイヤな表現で、気分を害される方々も少なくないと思うのだが、現実的に起こっている状態なので、どうか腹を立てずに考えてほしい。

周囲の人が嫌がり、友人たちがどれだけ止めても、タバコをバコバコ吸い続けた老人がいて、周囲に副流煙を吐き続け、吸殻も投げ捨て、

そんな老人がいて、

そんな老人が肺ガンになりましたよ、と。

年間3600万円する抗がん剤の存在を知り、その老人は迷うことなく抗がん剤治療を開始。

だって、自分の負担はほとんどないのだから。

その結果、余命1年と言われていた老人は3か月ほど延命し(この薬は生存期間が3か月ほど伸びることで知られている)、1年3か月後に死んだ、と。享年88歳でした、と。

分かる。言いたいことは痛いほどわかる。

しかし、だ。

どうか考えてほしい。

現在の日本の医療費の現状を。どうか上記したグラフを見てほしいのだ。

若い人たちが働いて収めたお金だ。確かに、その抗がん剤を使いたい気持ちは分かる。全額自腹ならいくらでも支払ってほしい。

が、現在の日本に、肺がんの治療を行っている患者は150万人ほどいるそうだ。

もし、そのうちの1万人だけ。たった1万人だけがその「オプジーボ」を使ったとしよう。使用期間を計算しやすいように1年と仮定する。

3600億円だぜ?

薬代だけでそれだ。入院しているのであれば、入院費も当然かかる。病院はロクに意味もない胃薬なども処方する。

全部でいくらかかる?

その金額で、いったいどれだけの保育園が運営できる?どれだけの数の待機児童が減らせる?どれだけの子供の貧困対策ができる?

参議院議員選挙に挑む、すべての政党に言いたい。

すでに日本の現段階で構築されている社会保障制度は、完全に崩壊している。そんなこと、誰でもわかっているはずだ。もう持たないことくらい。

社会保障制度の…ゼロベースの抜本的な改革を求めたい。一切の聖域なき改革を。製薬会社様からおいくら献金していただいているのか知らないが、どうか分かってほしい。もうそんなくだらないことを言っていられる状況じゃない。

ご高齢の皆さんも分かってくれ。

私自身、将来は老人になるし、そもそも私はおばあちゃんっ子で育ち、高齢の方々が好きだったりするが、限度ってもんがある。今の日本の社会保障制度は「限度を超えている」のだ。

GPIFと言って年金のために積み立てたお金を株投資で10兆円も負けてる暇があったら、年金制度なんてもうやめてくれ。払った金を国民に返してくれ。

後期高齢者は全員、保険適用外にしてくれ。趣味で病院に行く連中は自腹で行ってくれ。

高額医療制度は廃止をしてくれ。受けたい治療があるなら自腹でやってくれ。

そして、削減できた金を、どうか子供たちに回してあげてほしい。借金も返してあげてほしい。

子供たちが笑顔になるような、そんな社会保障制度を、参院選候補者のみんな、どうか頼む!

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