【1】本気のかくれんぼ メタルギア・シリーズ

「メタルギア」シリーズといえば、とても有名なゲームです。本作以外にも、「リメイク」「外伝・スピンオフ」などの作品が多く、その数は30以上になります。プレイされた方も多いでしょう。
第一作の発売が1987年ですので、来年でシリーズ30周年となります。

「このゲームをプレイした事が無い!」という方がいらっしゃるといけないので、念のためにゲーム内容を説明しておきます。

(1)戦争をモチーフにしたゲーム。
(2)戦争ゲームだが、「主人公が、銃撃戦で相手を制圧する」というモノではない。
(3)コッソリ行動し、敵に気付かれない様に諜報・工作活動を行う事が、主な任務。

戦争ゲームですので、武器などのアイテムも用意されています。しかし、マトモに銃撃戦をやると大勢の敵から袋叩きに遭い、まず勝てない造りになっています。

「敵をなぎ倒す爽快感」というものよりも、いかに相手から身を隠し・密かに任務を遂行するか?という要素が強いゲームです。「かくれんぼゲーム」というあだ名が付けられたのも分かります。

爽快感を犠牲にした代わりに、「敵に見つかったら危ない」という強烈な緊張感を前面に押し出す事に成功しています。また、主人公・スネークの声を担当していらっしゃる「大塚明夫」さんの渋い声と世界観が見事にマッチしており、重厚な造りになっているゲームです。

【2】生みの親が語った、逆転の発想

このシリーズの生みの親は、ゲームクリエイターの「小島秀夫」さんです。

メタルギアシリーズの人気は高く、開発者である小島さんも多忙だった様子です。本職のゲーム製作の他に、テレビ出演・講演会・イベント出演・サイン会など様々な活動を通し、メタルギアの魅力やウラ話を語っていらっしゃいました。

その中に、人気ゲーム番組「ゲームセンターCX」への出演があります。お笑い芸人「よゐこ」の有野さんがMCを務める、レトロゲームを中心にした番組です。

この番組で、小島さんは以下の様な内容を語っていらっしゃいます。

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私がゲーム製作を始めた時、世の中では「戦争ゲーム」が人気でした。銃を持って、相手を倒していくゲームです。

そんな状況で、私にも「戦争ゲームを作ってくれ」と指示が出たのですが、いろいろ無理な点が多く、とても困りました。

そこで、いっその事、発想を全く変えた戦争ゲームを出そうと思ったのです。
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【3】何が無理だったのか?

小島さんが受けた指示は、「MSXというハードで動く、戦争ゲームを作れ」というものでした。
「MSX」とは、1980年代を中心に話題になったパソコンです。「ホビーパソコン」「パソコンの入門機」という立ち位置で、数百万台の売り上げを出した商品です。

このパソコンには、ファミコン等のゲーム専用機と同じく、「ROMカセットを挿して、たくさんのゲームができる」という特徴がありました。小島さんが受けた開発指示も、この「カセット」を作れというもの。

ところが、このMSXには問題がありました。それは「画像表示能力が貧弱すぎて、戦争ゲームには向かない」というもの。

「爽快感のある、戦場での銃撃戦」を表現するには、多くの敵や銃弾を画面に表示する必要があります。しかし、MSXの処理能力では、そんなに多くのものを一度に表示できません。もし無理に表示させようとすると、人物がチラついたり、銃弾が見えなくなったりするという不具合が発生してしまうのです。

爽快感を出そうとすると、グラフィックが崩壊する。グラフィック能力の範囲内でゲームを作ろうとすると、爽快感が無い。これには小島さんも頭を抱えたそうです。

【4】逆転の発想へ

悩んだ小島さんがたどり着いた答えは、正に逆転の発想でした。

「弾を撃たない戦争ゲームならば、開発できるのでは?」

一見矛盾する様な発想ですが、その結果生まれたのが「メタルギア」だったのです。
確かに、「隠密行動」をメインにしたゲームだと、弾幕の表示は少なくて済みます。それに加え、爽快感とは真逆の緊張感が生まれます。

当時、この発想を打ち出したゲームは少なく、その意外性がヒットの要因になりました。

【5】移植・発展へ

メタルギアの人気は高まり、MSX以外の機種にも移植されていきます。また、続編の製作も決まり、「メタルギア2 ソリッドスネーク」が発売。その後、プレイステーションで三作目となる「メタルギアソリッド」が発表。「3D表示のステルスゲーム」というジャンルを確立させ、その流れは今日でも続いています。

【6】まとめ

この「メタルギア」は、問題点や弱点を逆手に取った結果、生まれた名作です。「能力が貧弱だから、どうしようもない」と諦めるのではなく、それでも「面白いゲームを作ろう」と努力した小島さんは、凄い人だと驚きます。

他方、小島さんの話を聞いていると、「こういった発想を得るには、遊び心も必要」という考えに至ります。
小島さんの講演やインタビューでの発言には、随所に「遊び心を大事にする方」という印象を受けるものがあります。

「こんなユニークなキャラを出したいんだけど、どうかな?」と小島さんが部下に言ったところ、「このクソ忙しいのに、冗談はやめてくれ」って怒られた…という発言がありました。この昔話を、小島さんはニコニコしながら話していて、とてもひょうきんな方だな…という印象がありました。
部下に怒られる上司…何とも奇妙な感じですが、それでも「メタルギア」という大作を作ってしまう辺りから考えて、小島さんが只者ではないという事が伺えます。

その遊び心は、製作したゲームの中でも随所に出てきます。例えば、主人公のスネークが「ダンボール箱を被った状態や、ワニのぬいぐるみを被った状態で、真面目に相手を追跡する」というシーンがあります。戦争ゲームなのに、こういったものを真剣にゲーム化するとは、かなり面白い方だと思えます。

心の余裕は、発想の余裕に繋がるのでしょう。

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