筆者の住むイギリスでは、小学校高学年ぐらいの年齢になると親の財布からお金を盗むという行為をする子供が時折問題になっています。「どうしてお金を盗むのでしょう。どうすればいいのでしょう。」そんな相談がネット上でも寄せられています。

家庭環境だけが一概に窃盗を働く子供を作り上げているのではないということが様々な人の問題からも見て取れます。何不自由なく愛情を注ぎ、子育てしている両親の財布からもお金を盗む子供はいます。理由がわからないだけに悩み続ける親。お金を抜き取っている子供への叱り方もどのようにすればいいのかわからない親もたくさんいます。

子供の動機はなんなのか

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専門家によると、9歳や10歳という年齢の子供は自分の能力を試してみたいという気持ちに駆られることが多く、それが窃盗という行為であっても「チャレンジ」してみるという気持ちが湧くというのです。

よく、万引きの常習犯は「そのスリルが止められない」というのを聞いたことがあるかと思いますが低学年の年齢の子供は、まさに自分のスキルをいかにコントロールできるかという限界へチャレンジしているかのような気持ちになっているのでは、と専門家は分析しています。

親の気を引きたいばかりに盗む子供も…

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このぐらいの年齢の子供は、自分に妹や弟ができると親への反発精神が高まります。自分への気を引きたいために悪いことだという認識はあっても、親の財布からお金を抜き取るという子供もいるようです。

親が心配するのは子供が窃盗を繰り返すようになること、親だけでなく他の人の財布からも盗むようになってしまうこと。この心配は当然のことでしょう。親がしなければいけないことは「盗みは犯罪」ということをしっかり子供に理解させること。

自分の子供を警察に通報した親

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「止めなさい」というだけではまた繰り返すだろうと思った親が、警察に通報したというケースもあります。10歳の子供が財布からお金を盗み続けていることに気付いた母親は、シングルマザーということを子供に侮られたくないと、意を決して警察に連絡。

なぜなら、彼女の息子は母親だけでなく友人のお金も盗んでいたのです。そしてそのお金で地元のお店でキャンディーや雑誌を購入。子供にしては持つ金額が大きいと怪しんだ店主が親に連絡し発覚したのです。

警察が現れ事態の深刻さに気付いた10歳の息子。泣きながら調書を取られる姿を6歳の弟が見ていて、幼い子供に恐怖を与えたという罪悪感はあったものの、ここまでしないと息子はダメになると思ったそう。警察の前で泣きじゃくりながら、もう二度と窃盗をしないと誓った息子を見て、自分の対処法は正しかったと思ったとその母親は言っています。

叱る前に理由を訊ねること

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もしある日、財布からお金が消えていたらあなたならどう思いますか。「ひょっとして…」と疑ってしまう気持ちにさえ嫌悪感を抱いてしまうかも知れません。でも子供に問い詰める時に、子供が認めても叱るのではなくまず「どうしてしたの」と理由を訊ねることが大切。もしかしたら誰かに脅されていることだって可能性としてあるからです。

ティーン(13歳以上)になると、親のクレジットカードを盗んだり、盗んだお金でドラッグに手を出したりするという最悪のケースも起こり得るということも考えなければいけません。そんな時にはまず、子供が陥っている状況を把握し救いの手を差し伸べる努力をしなければいけないのです。

子供が盗む金額というのを見ていれば、その状況が見えて来る場合もあるといいます。自分の子供にお金を盗まれた経験のあるほとんどの親が、そこから学び、子供に理由を訊ねること、話をすることが大切だと言っています。

悩みを抱える親の中には「外では一切しないのに、親のお金だけを盗み続ける」という子供を持つ親もいるようで、何度注意しても言い聞かせても繰り返す子供を持つ親の葛藤は日々、かなりのストレスになっていることでしょう。

子供に理解してもらえるにはどうすればいいのか。お金を盗むことは犯罪であることを認識した上でその行為をしている子供が正直ほとんどでしょう。注意して聞かないのならば親はどういった行動を取ればいいのか…あまりに繰り返すようだと、イギリスでは子供へのカウンセリングなども薦められているようです。

お金を盗むという行為は、何かしら必ず理由があるはず。友達が自分よりもお小遣いが多かったりした場合でも親の財布から抜き取るという子供だっています。親が子供に教えなければいけないことは「自分の行為で必ず困る人が出て来る」ということではないでしょうか。

買い物に出た際に、子供の前でお金がないということを店の人に恥ずかしそうに言ってみたり、子供の大切なものを盗まれたらどう思うかと子供に話してきかせるだけでも効果はあるという親もいます。

繰り返し盗むような子供には適度な「禁止」と「恥辱」を味あわせることが効き目があると言われています。自分がその立場になれば思うか、自分のしていることで困っている人がいるということを理解してもらうためにはやはり子供に向き合って話すこと以外の方法はないのでしょう。

「絶対に更生できると信じてあげること」

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家庭によって子育ての仕方はいろいろ。そして一つの答えはありません。親はみな試行錯誤しながら子供を日々懸命に育てています。子供とて1人の人間なために、親がコントロールすることなどできません。

でも、正しい道に導いてあげることはできるはず。お金を盗む子供であっても、絶対に更生させてみせるという自信と親の愛でもって子供に接すれば、きっと子供も気付くはず。ちょっと悪いことにも手を出して見たくなるというのが子供心です。でも子供のチャレンジしたいという熱意と能力を、もっといいことで活かせてやれるような環境を作ってあげることが、親としての役目ではないでしょうか。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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