日本のお隣、台湾からなんともやりきれないニュースが筆者の住むイギリスにも入って来ました。動物保護施設の女性職員が、犬を安楽死させる薬を使って自らも死を選んだのです。

31歳の施設管理者だったジアン・チチェンさん

出典 https://www.youtube.com

動物を愛する獣医でもあり施設の管理者としても働いていた31歳の女性スタッフ、ジアン・チチェンさんは保護施設に溢れかえる犬たちの安楽死処分を言い渡され、この2年間で700頭もの犬を安楽死させなければならなかったのです。

決して自分の意思ではなく仕事で仕方なくといった状況にも関わらず、この事態を知った動物愛護団体から酷いバッシングを受けることに。脅迫まがいのメールなども度々来ていたそう。更にはジアンさんを「美しき死刑執行人」と呼ぶなどして社会全体で追い詰めていったのです。

施設が過密状態のため政府からの命令でしたことだった

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動物が大好きでなった仕事なのに無理やり安楽死させなければならない立場となったジアンさんは、この2年間相当苦しんでいたことでしょう。自分の注射一本で、毎日世話をして可愛がっていた犬の命を奪わなければならない苦しみは計り知れません。

その苦悩と葛藤は次第にジアンさんの精神を追い詰め、5月12日、自ら同じように安楽死という選択をして命を絶ちました。

病気の犬や野良犬を保護し、懸命に世話していた

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同僚の話では、ジアンさんはいつも動物を思う優しさに溢れた女性だったそう。野良犬を保護したり、病気の犬の世話を懸命にしていたジアンさんを同僚たちは一番よく知っていました。ところが、犬たちを安楽死させたということがメディアで広まると世間はそれだけに焦点を当てジアンさんを批判したのです。

現在、この施設には410匹の犬と94匹の猫が保護されているといいます。過去には犬が500匹まで達したこともあるそう。新しい飼い主が見つかるよりも保護される犬猫の数の方が多く、たちまち施設は溢れかえるというのが現状。

自分の手で、そんな動物を処分しなければならなかった辛さをジアンさんは遺書に残していたそうです。上からの命令とはいえジアンさんがどんなに辛い仕事を言い渡されていたかと思うと胸が痛みます。

ジアンさん、どうか安らかに…

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ジアンさんの遺書には「動物の命も、私たち人間の命も同じです。これまで犬たちを処分して来たのと同じ薬で、私も死にます。」と書かれてあったそう。ジアンさんは、自らの死を持って「命の重さは平等なのだ」と伝えたかったのでしょう。

心無い飼い主が存在するために、施設にはたくさんの犬猫が溢れる状態になります。そして懸命に保護し、世話をしているジアンさんのような本当の動物好きの職員たちに、心無い飼い主たちはとてつもない責任を押し付け苦しめているのです。

社会からの批判と重圧に耐えきれず命を絶ってしまった優秀な獣医師の冥福を祈らずにはいられません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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