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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
むし歯の治療をする場合「神経を抜く」治療をすることがあります。神経を取ってしまうと聞くと「大丈夫なのかな」と不安にもなりますが、どのような場合に必要な治療なのでしょうか。

今回は、神経を抜くというむし歯の治療について、詳しいことを歯科医師に聞きました。

神経を抜くむし歯ってどういう状態ですか?

むし歯の進行度合いによって、治療方法が変わります。

むし歯が歯の表層のエナメル質までならば痛みはありませんが、内側にある象牙質にまで広がると痛みを感じます。そしてむし歯が更に深くなると、神経(歯髄)が炎症をおこし激痛になります。

歯の中央部にある神経(歯髄)までむし歯が深くなると、歯の神経は細菌感染などで炎症を起こしてしまいます。その炎症が起こっている神経を抜くことが、俗にいう「神経を抜く」ということです。

どうして神経を抜く治療をしなければいけないのでしょうか?

炎症がある神経(歯髄)を放置しておくと、やがて歯髄壊死、壊疽(腐敗した状況)となります。

温度刺激による痛みは感じなくなりますが、そのまま歯の根の治療(感染根管治療)を行わず長期間放置すると、歯冠の変色や根の先に病巣ができ、痛みや腫れなどの症状がでることになります。
感染根管治療になると通常の根の治療より治療の回数が増えたり、予後があまり良くないこともあります。

神経を抜いても、その歯が痛むのはなぜでしょうか?

治療した歯が痛む原因はいくつか考えられます。

1.神経が残っている
根の治療をしても、わずかに神経が残ってしまうことがあります。この場合、比較的早い段階(翌日~1年程度)で痛くなることがあります。

2.神経を抜いた場所の根充材に隙間がある
神経を抜いた後、その神経があった場所に根充材というものを詰めます。その根充材に隙間があると少しづつ時間をかけて細菌が繁殖して、骨の中に膿を持った空間ができることがあります。比較的長期間(1年~10年以上)かけて膿がたまるため、症状が分かりにくいこともあります。

3.歯の根がひびや割れた
歯の根の部分にひびが入っている場合は、食べるときに噛むと、痛みが出ることがあります。

4.咬み合わせが合わない
根の治療をしてから、かぶせものをしたり、詰め物をします。その咬み合わせが合わないと痛みが出ることがあります。咬み合わせを少し調整すると楽になります。

5.歯周病になっている
歯周病になると、歯が浮いた様な感じがして、咬むと痛むことがあります。歯科医院で、適切な処理を受けましょう。

神経を抜いた後の痛みは、すぐに落ち着きますか?

ズキズキ痛いなどの急性症状があった場合は、根の治療をすると痛みが落ち着きます。

根の治療は、歯の根の先端まで器具を入れて、歯髄組織を切断しています。治療中はガムや肉など、歯の根に圧がかかるものを噛むと、痛むかもしれません。

虫歯で神経を抜くと、今後の生活に何か影響は出ますか?

根の治療をした歯は、通常、金属やセラミックの「クラウン(冠)」と呼ばれるかぶせ物をし、歯の強度を補います。その後、その歯がむし歯になっても、神経を抜いているので痛みを感じず、気がついたらクラウンとの境目からむし歯になってしまうこともあります。

また、削って歯の厚みが薄くなっていたり、歯の質がもろく、他の生活歯(根の治療をしていない歯)と比べたら割れやすくなっています。

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最後に医師からアドバイス

根の治療後、それからその歯の治療の必要がなく過ごす人もいれば、何回も治療が必要になる人もいます。本来、根の治療の必要がなく、神経がある歯のままでずっと生活ができることが望ましいですが、必要となった場合は神経を抜く治療を受けましょう。

なるべく、むし歯で根の治療とならないように、毎日の丁寧な歯ブラシと定期的な検診が重要です。

(監修:Doctors Me 歯科医師)

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