記事提供:クーリエ・ジャポン

米国では最近、“その場で買うことのできない店”が人気を集めている。

たとえば、ニューヨークの5番街にある「ボノボス」はふつうのアパレルショップのように、好みの服を探したり、試着したりすることができる。

ただし、気に入った服を見つけても、購入して持ち帰ることはできない。注文はウェブで行い、自宅に届けられる仕組みだからだ。

これまでも大型の家具や家電などは、商品を倉庫から直接自宅に配送するのがふつうだった。それを衣類のように持ち帰れるものにまで拡大したわけだ。

ボノボス以外にも、メガネブランドの「ワービー・パーカー」や靴ブランドの「ポール・エバンス」などが同じビジネスモデルで人気を集めている。

ボノボスはスタンフォード・ビジネススクールの卒業生2人が2011年に男性のパンツに特化した形で創業。米「シカゴ・トリビューン」紙によれば、16年4月、シカゴに21店舗目をオープンしたボノボスは、年内に30店舗にまで拡大する予定だ。

この「お店では試すだけ」のシステムには、さまざまなメリットがある。

服飾系の店舗は人通りの多い繁華街に店を構えることが多いが、立地が良ければ良いほど、店の賃料も高くなる。そんな高い賃料を払った店舗に、お金を生み出さない在庫置き場を設けるくらいなら、商品を並べるほうがいいのは明らかだ。

また、店員は品出しの作業を省くことができるし、商品の補充に気を遣うことなく、接客に集中することができる(ボノボスは完全予約制をとっている)。

さらに、どの店でどの商品がどれくらい売れるかを予測するのは難しいが、商品を倉庫から直接発送することで「売れ残り」を防ぐことができる。

完全にオンラインショップにする選択肢ももちろんあるが、eコマースが広まった現在でも、衣類は試着してから買いたいという人は少なくない。

リアルな店舗の存在価値が問われるなか、こうした試着専門の店舗は今後、日本でも広まっていくのかもしれない。

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