記事提供:カラパイア

アップル社の製造ラインでも極秘と言われてきたiPhoneの製造工場。AppleのiPhone6sの生産を担当しているペガトロン社が、そんな工場の内部を一部公開した。そこでは数百人の従業員が軍隊並みの規律で整列し、点呼を待っている。

ピンクのジャケットを羽織り、ブルーのヘアネットを被り、プラスチックのスリッパを履いた労働者たちは現場主任が朝の点呼を始めると、自分のIDをiPadにスキャンする。

そこからは、1列縦隊で組立現場まで進む。しかし現場に入る前には厳重なIDチェックがある。セキュリティーバーには顔認識装置があり、各従業員はIDをかざし、カメラを覗き込む。出勤時間もここで記録されている。

ペガトロン社の従業員は5万人にものぼる。上海工場はサッカー場が90個入るほどの大きさで、敷地内には消防署や警察署、郵便局などもある。そこで働く全ての従業員がiPhoneの組立・製造を行っているのだ。

工場に入る前に、作業員たちは金属探知機を通る。カメラやビデオなどで隠し撮りを行い、未発表製品のリークやテクノロジーなどの社内秘密が漏れるのを防ぐためだ。

その後、中央にセーフティーネットがある階段を上り(事故や自殺を防ぐため)、制服に着替え、点呼のために整列する。

これまで、工場内部の様子は極秘で部外者に公開することはなかった。

しかし、ペガトロンの劣悪な労働環境が世界の注目を集め非難の対象になると、ペガトロンは米ブルームバーグの記者を工場へと招待し工場内の一部を公開した。

労働環境問題に取り組んでいることを世界に見せるのが目的だ。

英オックスフォード、ケロッグ大学の専任講師ジェニー・チャンは「外部からの非難に堪えかねて内部を見せることを決意したんでしょう。表面上だけではあっても彼らも改善しようとしているようです。しかし、全体像はまだ秘密のままです」と述べている。

米ニューヨークに拠点を構える中国における労働者の人権問題を扱うNGO団体、「チャイナ・レイバー・ウォッチ(CLW)」によると、標準賃金がとても安いため、労働者たちは少しでも賃金の高い時間外労働をしないと生活ができないという。

ある従業員の賃金は1ヶ月約3万6千円、中国で販売されているiPhone 6の価格は1体約7万6千円だ。

ブルームバーグの記者たちに工場内を案内した際、施設長のジョン・シュー氏は新しいIDシステムが導入され、より効率的になったと語った。ここでは1秒でも大切だと言う。

また会社が従業員の労働時間を管理することも簡単になったそうだ。従業員の労働時間が週60時間の制限を越えたり、6日続けての勤務が続くと、自動で警告メッセージがマネージャーに送られる。

ペガトロンはEICC(電子業界CSRアライアンス)に基づき月の残業量をおよそ80時間に制限しているという。

しかし、アップルのサプライヤー(商品製造業者)は例外なく、アップルの定めたサプライヤー行動規範を厳守しなければいけない。

アップルもサプライヤーの労働問題には頭を悩ませているため、サプライヤー行動規範なるものを作成していて、

ホームページには「Appleのサプライヤー行動規範は、業界で最も厳しい規範の一つです。私たちは、それらの高い基準に対する説明責任をサプライヤーに課すだけでなく、

ともに取り組み、彼らが責任を持って事業を運営できるように必要なサポートを提供します」と記載している。

従業員も自分の働いた時間が分かり、給料の透明化にもつながる。給与明細や月ごとの記録や食費などにもアクセスできる。

ペガトロンの上海工場で働いていたティアン・フレイさん(26歳)が死亡状態で見つかったのが2016年2月3日。1部屋を複数人でシェアするペガトロン社の寮で死んでいた。裁判では、突然死という判決が下されたが、検視/検案は行われなかったという。

ティアンさんの家族は、息子は休みなしで残業ばかりしていた、と話している。ティアンさんが亡くなったのは英BBCのパノラマという番組が極秘調査を行い、従業員たちが倒れるまで働き続ける実態を明らかにした2ヵ月後のことであった。

出典 YouTube

ティアンさんの妹、ティアン・ゾウメイさん(25歳)は、ティアンさんは死ぬ直前まで健康で、死亡原因は残業だったと話してくれた。

しかしペガトロン側はティアンさんの死と労働環境には何の関連性もないと言い張っている。ティアンさんの死により、世界で需要が高まるApple製品を作るため、低賃金で過酷な労働を強いられている労働者たちの人権問題が再び世間の注目を集めた。

工場がついにその内情を明かす気になったのは、ティアンさんの家族が、死亡原因は1日12時間にものぼる労働時間のせいだと訴えたからである。

ペガトロンは今年1月に過去最大となる四半期の利益をあげたことを発表。第1四半期で約1兆8900億円の利益を生み出した。昨年の12月27日までの3ヶ月間で売り上げたiPhoneの数は7450万台だった。

ペガトロンはティアンさんの家族に対し「お気持ち」として約133万円を支払った。

しかし、会社が当初提示した金額は約24万円だったという。警察が交渉を援助するとその金額は一気に跳ね上がった。

ペガトロン社の報告書では、ティアン氏の死と会社は関係ないが、遺族の力になりたい、ということが綴られている。

「労働者の安全と健康が当社の最優先事項です。弊社では全ての施設において安全で健康的な労働環境を提供することに全力を尽くしています。

今回、上海工場の組み立てラインで視覚調査員として働いてくれたティアン・フレイ氏を失い、弊社社員一同深い悲しみに暮れております。

フレイ氏の死後、すぐに当時の労働環境を調べましたが、同氏の死が弊社の労働環境に起因している事実は見当たりませんでした。

弊社はフレイ氏のご家族に対し、サポートや援助を提供いたします。また、ご遺族の方には心からお悔やみ申し上げます。この困難をご遺族と共に乗り越えたい所存です」

アップル社のサプライヤー責任部の広報官は、今回の事件に対して調査を行うが、直接的なコメントは避けている。

・アップルはもう古い?中国版ネットフリックスの最高責任者が語る

中国のネット動画配信最大手でアジアにおけるアップルの最大の競合者、レコー(LeEco、旧LeTV)の最高責任者ジャー・ユエティン氏がアップルはすでに時代遅れになってきていると語った。

億万長者の企業家であるジャー・ユエティン氏によると、アップルは革新的な製品の欠如により、中国市場でその価値を失い始めていると言う。

ジャー氏の会社ではアップル製品と類似した商品を販売しているが、その範囲はスマートフォンやテレビサービスだけに留まらず、電気自動車やバイクなどアップルの一歩先を行っている。

「アップルが販売数に伸び悩んでいる最大の理由は、イノベーションの速度が極めて遅くなってきたため」同氏によると、iPhoneでさえ、すでに時代遅れだそうだ。

「これからは高速なモバイルインターネット環境の普及はさらに広まり、エコシステム(収益活動協調体制)に基づいた時代になる」と述べた上で、アップルのエコシステムは閉鎖的だと指摘する。

「皮肉なことにアップルの支配力が強すぎたため、同社はインターネット指向の考えが欠如し、エコシステムに対しても閉鎖的です。それ故にモバイルインターネット業界での革新的なアイデアを自ら妨げているのです」

出典 http://karapaia.livedoor.biz

出典:dailymail

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