「石器時代も甚だしい!」と、現在、欧米から批判殺到のパキスタン。宗教が文化となり国を支配するのは何もパキスタンだけではありませんが、このほどイスラム・イデオロギー評議会が政府に提案した事案が、耳を疑うものだったのです。

「男性は女性を軽く殴ってもよい」

Licensed by gettyimages ®

DVだ、女性蔑視だ、性差別だと世界中で様々な社会問題が起きる度「女性の権利」を求めて人権団体が躍起となっている現代に信じられないことが起きました。

なんとパキスタンでは、イスラム教の市議会員20人が政府に「男性は、女性がセックスを宗教的理由無しに拒否した時、男性の支持に従わない服装をした時、公共の場で他の男性と話をした時、他人に聞こえるような大きな声で話した時、妻が夫の命令を聞かなかった時に『軽く』殴っても良しとすること」を許可する提案を出したのです。

ヒジャブを着用しなければ殴られる

Licensed by gettyimages ®

イスラム教が中心である国に住む女性は、イスラム教を信仰しているからといって全てのイスラム女性教徒がヒジャブを着用しているわけではありません。それは少なくとも女性が自分で選べるという選択肢を持っているということなのです。

ところが、パキスタンではそれさえも許されないということになります。しかも男性がヒジャブを着用していない女性を殴ることさえ許されるという、女性の権利をことごとく踏みにじった奴隷のような法律が存在する国は、そこに住む女性にとってこの世の終わりといっても過言ではないのではないでしょうか。

性交渉の後や生理の時、お風呂に入らなくても殴られる

Licensed by gettyimages ®

この提案は、男性にとって我儘で自己中心的になるためのものでしかないのではないでしょうか。優位に立つ男性は女性へのリスペクトも全くなく、女性がNOという態度を見せれば手をあげても構わない…こんなバカバカしいことを提案する国が、21世紀の時代に現在進行形で存在するということにただただ驚きを隠せません。

更に評議会は「夫は、妻が親戚以外の男性の家を訪れること」「テレビや広告で女性を起用すること」「女性の看護師が男性患者を看病すること」を禁じることを提案。開いた口が塞がらないとはこのことで、これを知った欧米と女性の権利を求める人権団体からは批判が殺到しています。

パキスタンでは女性の70%がDVの犠牲者

Licensed by gettyimages ®

パキスタン人権委員会の調査によると、女性の70%が男性にDVを受けていると判明しています。あまりにも酷く明らかな女性蔑視のこの国で、評議会の更に驚くべき今回の提案は筆者の住むイギリスでも各メディアが報道。

「まるで石器時代」「こんな国の男と結婚させられる女性が気の毒すぎる」「冗談だろ?」「あまりにも女性蔑視過ぎて信じられない」といったショックを受けた声が相次いでいます。

そもそも、「軽く」と提案するところに男性の狡さが含まれているように思えてなりません。「軽く」とはいったいどの程度のことなのか。男性側がどんなに酷く殴ったとしても「軽く殴った」と主張すれば許可されることになる法律など決してあってはならないのです。

弱者への暴力を、どのようなレベルでも認めてしまうと人道的境界線が消えてしまいます。動物や子供への虐待も、女性への暴力も「軽くならいいのか」ということになってしまうからです。国がそれを許可してしまえばこの国の女性にはもはや「破滅」しか残されません。

これらの「あまりにも馬鹿げた提案」は、国会での協議次第ということなので現時点では法的に認められるかどうかはわかってはいません。恐らく世界中の人権団体の批判を浴びているであろう評議会の会員たち。皮肉にもこの会議があった際、メンバーで唯一の女性は欠席だったそうです。

パキスタンだけではなく、女性が権利を奪われて虐げられている国は多く存在します。21世紀にも関わらず、未だにこのような女性蔑視が色濃く残る宗教色の濃い文化が存在する国。そんな国で生きる女性たちは「自由」「平和」「平等」からは程遠い生活を送っているのです。

同じ女性としてこうしたニュースはただただ悲しく、社会の女性への位置がいかに低いものであるかを考えさせられます。この提案が認可されないことを願うばかりです。

この記事を書いたユーザー

Mayo このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

得意ジャンル
  • 話題
  • 動物
  • 社会問題
  • 海外旅行
  • 育児
  • テレビ
  • 美容、健康
  • カルチャー
  • ファッション
  • コラム
  • 感動
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら