欧米では子供が生まれても夫婦二人の時間を楽しむ家庭が多く、生後数か月の赤ちゃんでもベビーシッターに預けて夫婦は外出というケースは決して珍しくはありません。筆者の周りでも、二人の子供を幼いうちから知り合いの女性に預けていた友人がいますが、子供自身も「ママとパパじゃない誰かと一緒に過ごす」ことに慣れてしまうようです。

筆者の周りでは、ベビーシッターを雇う時にはいくつかのオプションがあります。誰かの口コミで「いい」と言われるベビーシッターに連絡したり、知り合いの知人&友人に頼んだり、近所の子供好きの学生にお願いしたり。

数時間でも「アルバイト」なわけですから当然雇う側はお金を払います。基本、1時間数千円程度なのですが、金銭が関わってくると当然そこに責任問題も生じて来るわけです。そして自分の大切な子供を一時的でも預けるというからには「信頼」がないとできないこと…。

ベビーシッターを雇ったことがないと「とても珍しい」

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筆者の住むイギリスではベビーシッターを雇うことが一般的なために、これまで5年間一度も息子にベビーシッターを頼んだことがない筆者は「かなり珍しい」と言われています。心配性の筆者は、家族ではない誰かに数時間でも息子を預けるということが不安なために、これまでできるだけ自分たちで面倒を見てきました。

信頼しているママ友が「預かってあげるから出かけておいで」とよくオファーしてくれるのですが、彼女も二人の子供の母親で何かと忙しくしているのを知っているために、甘えるのは申し訳ないという気もあります。そこがきっと日本人の遠慮し過ぎるところなのかも知れませんが。

でも、誰かに子供を預けるということは「万が一」のことがあった時に知り合いなら尚更責めにくいというのもあります。そして何より信頼していたベビーシッターに子供が傷つけられた時には、怒りよりも悲しみと失望の方が大きいでしょう。

そしてもし、子供が怪我をさせられて取り返しのつかないことにでもなれば…そんなことは起こるはずがないという保証はどこにもないのです。このほど米オレゴン州で、1歳の息子をベビーシッターに預けた夫婦が、子供が虐待を受けたことに気付き怒りを露わにしています。

知り合いのママ友にベビーシッターを頼んだ夫婦

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3月に、知り合いでしかも2児の母親であるという安心感からか、ある女性にベビーシッターを依頼することにしたジョシュアさんとアリシアさん夫妻。1歳になるジェイコブ君を預けて、数時間夫婦水入らずのデートを楽しむことに。

ところが、これが悲劇を招いた…

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たった数時間の貴重な夫婦の時間。楽しく過ごして余韻たっぷりで家に戻ってきた夫妻を待ち受けていたのは、ジェイコブ君の泣き叫ぶ声でした。

その時、ベビーシッターの女性はソファで居眠りをしていて事情がわからなかったのですが、どうにも息子の泣き方がおかしく、翌日になってもいつもと違う様子ということで心配になった夫妻はジェイコブ君を病院に連れて行きました。すると、とんでもないことが判明したのです。

ジェイコブ君は虐待を受けていた…!

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顔の右側のどす黒い痣が見えるでしょうか。そしてくっきりと残る手の痕。医師も「平手で相当力強く叩かれないとここまでにはならない」と証言したほど、ジェイコブ君はベビーシッターの女性に虐待を受けたのです。

目の周りにも打ち身のような痣が。ここも殴られたのでしょうか。でも1歳のジェイコブ君はまだ言葉も話せない赤ちゃん。何があったか訴えるためには泣くことしかできないのです。

「死んでいたかも知れませんよ」

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病院側も警察も「(ジェイコブ君は)死んでいたかもしれない」と言われて恐怖で蒼白になった両親。愛する我が子が友人に虐待を受けたとショックで、暫く仕事も手につかなかったという母親のアリシアさん。

夫妻をさらに打ちのめしたのは、虐待をした女性が逮捕されなかったこと。明らかな暴行の痕があり女性も認めたにも関わらず「被害者からの証言が得られない」ことで不十分とされ釈放となったのです。これには両親も激怒。アリシアさんは怒りをFacebookで綴っています。

「普段、家族のプライベートなことはシェアしない主義なんだけど、今回は違う。2ヶ月ほど前に私たちの1歳の息子がベビーシッターの女性に暴行を受けたの。複数の医者も証言しているように、息子の顔にはくっきりと手形まであるわ。

なのにその女性が逮捕されないのは、息子が口頭で暴行を受けたと発言していないこと、痛みを表現していないことが理由だと裁判で言われたのよ。たった1歳の子供が話せるわけがないじゃない。それを聞いて私たちは怒りに震えたわ。

「死人に口なし」とよく言うけど、これじゃあ「赤ん坊に口なし」も同じじゃない。話せないから証拠不十分で逮捕に至らないっていうのはどう考えてもおかしいわ。はっきりと手形があり、本人が暴行したと自白したにも関わらず、よ。

もし、私が誰かを殴ったらその場で逮捕されるはずよ。どうしてここまで明らかなのにその女性は逮捕されないの。子供を殴ることは誰であっても許される行為ではないわ。話せない赤ちゃんだからって、加害者が罰を受けないのは間違ってる。

私たちは、彼女に正当な裁きを望んでいるわ。だからみなさん、どうかこれをシェアして周りに伝えてください。よろしくお願いします。」

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夫婦はオンラインで署名活動中

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2ヶ月待って出た判決が「起訴取り下げ」という何とも不公平なものとなり、怒りと悲しみ、失望を隠せないジェイコブ君の両親。ジェイコブ君が話せないことによりその行為が「意図的に」行われたかが判断しかねるという裁判所の判決に、親であれば納得がいかないのは当然でしょう。

現在、夫妻はこの一件をできるだけ拡散し、裁判所の正当な裁きを望む署名運動を行っています。

幼かったことが逆に救いになるかも

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1歳という幼いジェイコブ君が受けた暴行は許し難いもの。でも、見方を変えればトラウマにならずに済むかもしれません。この年齢ではきっと一生覚えているということはないでしょうから。

でもだからといって、子供に危害を加えたベビーシッターが無罪というのは全くもって別問題。女性自らも認めているのだから、然るべき罪を償うべきではと思う筆者。

ジェイコブ君の両親も「死んでいたかもしれない」と言われて生きた心地がしなかったことでしょう。ベビーシッターを雇うこと全てに危険があるわけではもちろんないですが、こういうこともあり得るのだということを再認識せずにはいられません。

夫妻の闘いはまだまだ続きそうです。とにかく今はジェイコブ君の痣もすっかり消え元気そうで何より。両親にとっては、愛する息子の笑顔をこうして見られることが唯一の救いですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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