知らない人はいない「金太郎」。なのにそのストーリーを結末まで説明できる人は少ない…

au「三太郎シリーズ」などでもお馴染み、日本三大“太郎”の1人である金太郎。

桃太郎、浦島太郎と並び称される彼ですが、なぜか前者2人に比べるとそのストーリーにはフワッとした部分が多く、「いったい何をして有名になった人物なのか」と問われると、ちゃんと説明できる人は少ないでしょう。

まさかりをかついで熊と相撲をとった人でしょ?

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ほとんどの方が「まさかりをかついで熊と相撲をとった人」という認識かと思います。

まさかりだけなら何も驚きませんし、熊と相撲をとったというのは豪傑ですが、それなら極真流空手の大山倍達氏が、素手で熊を倒したというエピソードと同レベル。それが童話になるの?」という疑問も沸いて然りでしょう。

親が子どもに読み聞かせたい昔話ランキング1位は『桃太郎』

出典 http://www.bandai.co.jp

株式会社バンダイ調査による「お子様に語り継ぎたい童話や昔話は何ですか?」アンケート結果 で、『桃太郎』が全体の 20.3%(405 人)を占めて総合1位に。

回答では「1人では困難なことでも、仲間と一緒に立ち向かうことで目的を達成できるということを、物語から伝えられるから」(5歳女児の母親)といった内容のコメントが多く、桃太郎の姿を通じて、“仲間の大切さ”をこどもたちに伝えられる点が保護者から高い人気を集める要因となった。

また、男の子の回答で「桃太郎のように、強くたくましい子に育ってほしい」(2歳男児の母親)といったコメントが見受けられた。

【実査期間】2012年1 月31 日~2月9日
【調査対象】0歳~12歳のお子さまの保護者
【調査実数】2,000 人 (男の子の保護者 1,000人、女の子の保護者 1,000人)

出典 http://www.bandai.co.jp

『桃太郎』はダントツで、『浦島太郎』も総合6位とこちらも高い人気。知名度は両者と同クラスの筈の『金太郎』はなぜかランキング圏外。有名なのに金太郎のストーリーにみんながピンときてない理由はなぜかを探っていこうと思います。

まずは、au「三太郎」シリーズから見ていきましょう。

au「三太郎」シリーズでも、自虐的に語っていた金ちゃん

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桃ちゃん(桃太郎):「あれ?金ちゃん、元気なくない?」

浦ちゃん(浦島太郎):「思ったぁ」

金ちゃんどこが元気がない、と感じた桃ちゃん。その問いかけに浦ちゃんも同調。はたして金ちゃん、どうしたのでしょうか?

「なんか、オレってイケてないな~って」

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金ちゃん(金太郎):「なんか、オレってイケてないな~って。」

浦ちゃん「はぁ?」

金ちゃん「いや、浦ちゃんはさ亀助けたりとか、 玉手箱で大ドンデンとかあるでしょ?」

桃ちゃん「金ちゃんだってクマと相撲したりさ~」

浦ちゃん「クマに勝つってすごいよ!」


友達の2人でも、最初に出てきたのはやはり熊との相撲エピソード。たしかにスゴイことなのですが、金ちゃんが言うには…

「クマ、すぐ手つくから」

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金ちゃん「クマ、すぐ手つくから。」

浦ちゃん「え?」

金ちゃん「誰でも勝てっから」


この説明に「あ~」ってなる2人。そもそも手をついた時点で相撲として不成立ですよえ。さらに金ちゃんの自嘲は続いて…

オレが何やったかさ言ってみ! 試しに言ってみ!

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金ちゃん:「まぁね、お二人ともストーリーがメジャーですよ。鬼退治行き~の、竜宮城行き~の」

浦ちゃん「金ちゃんこそメジャーじゃん!」

金ちゃん「じゃあオレが何やったかさ言ってみ! 試しに言ってみ!」


金ちゃんはメジャーだと返す浦ちゃん。でも金ちゃんは納得がいかないようで、自分がメジャーだといえるその理由を問い質します。すると…

「え?なんかやんだっけ?」

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「ですよね~」

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浦ちゃん「え?なんかやんだっけ?」

金「ですよね~。」


結局わからなかった浦ちゃんの言葉に同調する金ちゃん。具体的に何をしたかは分からずじまい。

「あたらしい英雄・金太郎」篇(60秒)

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3人の楽しいやりとりの続きは動画でお楽しみください!

auの三太郎シリーズCMでも、熊と相撲をとったという以後のエピソードは語られることはありませんでしたね。

では、童謡を思い出してみましょう。

「まーさかーりー、かーついで、きーんたろお~…」

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『金太郎』の童謡は、明治33年(1900年)に『幼年唱歌』に掲載されています。とても有名な金太郎のテーマ曲なのですが、歌い出ししかわからないって人も多いのではないでしょうか?

歌詞の全容を確認してみましょう。

まさかりかついで きんたろうくまにまたがり おうまのけいこ

ハイ シィ ドウ ドウ ハイ ドウ ドウハイ シィ ドウ ドウ ハイ ドウ ドウ

あしがらやまの やまおくでけだものあつめて すもうのけいこ

ハッケヨイヨイ ノコッタハッケヨイヨイ ノコッタ

(『金太郎』:作詞・石原和三郎 作曲・田村虎蔵)

出典 http://www.worldfolksong.com

歌詞の内容からして、どうやら乗馬の稽古がしたいがために、熊を代用していたようです。たしかに熊を乗りこなせたら馬も余裕でしょうね。

さらに「人間じゃ物足りねぇ…」と言わんばかりに、圧倒的な強さを手に入れるべく金太郎は、足柄山の獣を相手に連日相撲の稽古に明け暮れていたようです。将来は力士を志していたのでしょうか…

出典 YouTube

こちらはアニメ動画でも歌詞を確認できます。

というわけで、童謡からも金太郎のストーリーのその後がわかるような内容は見つけられませんでした。

では、あのアニメならわかるかも…!?

アニメ『まんが日本昔ばなし』にも当然「金太郎」の回はあります

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1975年~94年にかけてTBS系列で放送された長寿アニメ「まんが日本昔ばなし」で、1976年に放送された「金太郎」。どんな内容だったのか確認してみましょう。

あらすじ:昔、相模の国足柄山の山奥の家に金太郎と母親が暮らしていました。金太郎は産まれた時からの力持ちで石臼をハイハイしながら引きずってしまうほどでした。

金太郎が歩き始めると、母親は金太郎に腹掛けを作りましたが、腹掛けはブカブカ。でもそれは、金太郎が早く大きくなるようにという願いが込められていたのです。

山奥で暮らす金太郎の遊び仲間は動物たち。元気に動物たちと遊ぶうちに、金太郎はどんどん大きくなり、腹掛けもピッタリになっていきました。

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相模の国というのは、現在でいう神奈川県にあたります。すこし意外な気がしますが、金太郎は母子家庭だったようです。なんとなく天涯孤独、またはおじいさん、おばあさんと暮らしているようなイメージがありました。

生まれた時から怪力の持ち主だった金太郎。石臼を引きずりながらハイハイって、わんぱくすぎるわ!

「石臼って何?」という方、こんなやつです。上下に重ねた石をすり合わせて、そこにそばや小麦なんかを入れて粉にするために使われる道具です。

金太郎のトレードマークともいえる、赤い腹掛け

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金太郎の一張羅であるこの腹掛け。母は金太郎に大きくたくましく育って欲しいと願いを込めて、わざと大きめのサイジングでこしらえていたようです。そんな母の愛に応えるように、いつしか腹掛けは金太郎の体格とジャストサイズに!

やがて、金太郎が身体が大きくなり力がついたことを知った母親は、彼に鉞(まさかり)を与えました。金太郎はそのまさかりで薪割りの手伝いをするように。

その年の秋、動物たちが金太郎のところに来て「栗拾いに行かないか」と誘いました。金太郎は喜んで動物たちと栗拾いに出かけましたが、崖にかかっていた橋がなくなっていました。

動物たちが困っていると、金太郎は近くにあった大きな木を、力一杯押し倒し橋をかけてあげました。

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成長した息子に母が与えたのは、鉞(まさかり)でした

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鉞(まさかり)は、いわゆる斧やナタと同じ類のもので、主に木を切り倒したり、薪を割る道具として使われます。Amazonなどのネットショップでも比較的安価で買えます(笑)

まさかりの扱い方にもすっかり慣れた金太郎はある日、クラスメイトに誘われる感覚で動物たちと栗拾いツアーへ。でも目的地前にあったはずの橋がなくなっていたため、金太郎はまさかりで大木を切り倒して橋をつくります。もはや土木職人の域です。

栗拾ってたら…クマ出没!

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金太郎たちが橋を渡った向こう側には栗の木があり、栗の実が沢山落ちていました。

皆が夢中で栗拾いをしていましたが突然、茂みの方から大きな熊が現れました。動物たちは震え上がりましたが、金太郎は怖がることなく熊とがっぷり組み合いました。

山で一番強い熊が相手では流石の金太郎もなかなか勝負がつけられません。動物たちの応援に励まされ金太郎はついに熊を持ち上げ勝ちました。熊は降参して、金太郎と他の動物たちと仲良くなりました。

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栗拾いを楽しんでいると、とつぜん熊が登場!ビビリのクラスメイト(動物)たちを横目に、金太郎は熊とタイマン勝負(相撲)を張ることに!

さすがの金太郎でも、相手は地上最強レベルの猛獣、激しいぶつかり合いが続きます。動物たちは、金太郎がやられたら次は自分たちの番なので「なんとしても勝ってくれ!」と応援に熱が入ります。

決まり手は不明ですが熊との大一番を制した金太郎。昨日の敵は今日の友なんて言葉がありますが、両者はすぐに意気投合。金太郎は「馬替わりに使ってやるか」と考え、熊を自分の足として利用することに。

きんたろうは「くまタクシー」をてにいれた!

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リアルはこんな感じ?

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TVアニメ「まんが日本昔ばなし」内で放送された内容も、やはり熊との一騎打ちを制したところ終了。これらの出典では、金太郎のその後について特に掘り下げられてはいないが故に、まさかりをかついで熊と相撲をとった人」という以上の人物像がわからないのです。

でも金太郎という人物の元になった人はもちろんいて、金太郎のその後についてのストーリーはあるのです!

では、お待ちかねのその後の展開ですが…

ある日、お偉いさんにスカウトされる金太郎

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天延4年(976年4月28日)、金太郎は、足柄峠にさしかかった源頼光(みなもとのらいこう)と出会い、その力量を認められて家来となる。

名前も坂田金時(さかたのきんとき)と改名し、京にのぼって頼光四天王の1人に。その後、丹波の国で悪さをしていた鬼の頭領、酒呑童子(しゅてんどうじ)を退治。その後、九州の賊を征伐するため築紫へ向かう途中に病に倒れて死去。

つまり童話「きんたろう」は、坂田金時の幼少期のお話なのです。

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なんだこの急展開!?

金太郎のフルネームが「坂田金時」
というのも驚きです。源頼光がスカウトした理由もかなりフワッとしてますね。

「金時豆(きんときまめ)」の由来は、金太郎から

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ちなみに、「金時豆(きんときまめ)」の名前の由来はこの坂田金時から。また、息子の坂田金平は「きんぴらゴボウ」の由来となっている。

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「へ~」って感じです。豆との関わりはストーリーからではわかりませんが。

まとめますと…

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1. 動物と仲良しの力自慢の子どもが、橋がないために「栗拾えねーじゃねーか!」とムカついたので、まさかりでその辺の木を切り倒して橋にした。栗拾いを満喫していたら熊に喧嘩を売られなぜか相撲対決に。勝利をおさめ、乗馬の練習も兼ねて熊を足がわりに使用。



2. 熊を乗りこなし橋をサクッと作れる腕のいい木こりがいる、と聞いてやってきたお偉いさんにスカウト。田舎の怪力小僧は「オラ、立派な侍になりてぇ!」と野心を覚え上京。
それなりに出世して四天王の1人へ。(でも金太郎と同格の武将が他に3人います)



3. その後、金太郎は大江山に鬼退治(桃太郎とカブる)に出かけ、立派な功績をおさめ病死。金時豆の生みの親として後世に名を残す。


めでたしめでたし。

読者さまも薄々感じられていたでしょうが、桃太郎や浦島太郎のように金太郎のストーリーになぜかピンときてない理由。

お分かりいただけたかと思います。それは…

【結論】金太郎…お前の話はつまらん!

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先述の桃太郎のように、親が子どもに語り継ぎたいと思う昔話には、我が子の成長のプラスになるような教訓的な要素が求められていると思います。そういう意味では「この話から何を学べと!?」という見方になるのかもしれません。

童謡や伝記になるものが、必ずしも偉大な功績を残した人でないといけないワケではありません。金太郎はまさかりで橋を作り周囲の役に立ちましたし、熊を負かすほどの豪傑さだって魅力的。立派な武将となり鬼だって退治しています。

もっと評価されていい気もしますが、「金太郎」の良さは伝わりにくいというのが事実としてあるようです。

「つーか、『金太郎』ってただの武勇伝じゃね?」

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『桃太郎』と『浦島太郎』のストーリーはフィクションですが、『金太郎』はおおよそ史実というか、かつて存在していた偉人の武勇伝要素が強いため、2人のようなファンタジー、お伽噺感がちょっと薄く、子どもウケが悪いのかもしれませんね…。

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