世の中には、殺人者を支援して獄中結婚してしまう女性も存在します。彼女たちは相手が罪を犯した者だと認識したうえで結婚する決意をするわけですが、もし、自分が好きになった人が犯罪者で死刑囚だったら…あなたはどうしますか?

あるサイトで知り合った一人の男性

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イギリス、ウィルトシャー州在住のケイティー・メンハムさん(25歳)は4歳の男の子のママ。今年1月にあるサイトでアメリカ、ネバタ州在住の男性と知り合いました。彼の名前はジュリアス・ブラッドフォード(31歳)。最初はペンパルとして知り合った二人。ところがこの男性にはとんでもない過去があったのです。

ジュリアスは第一級殺人罪で死刑待ちの犯罪者だった

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ジュリアスは、2004年に7人の子供の父親(当時48歳)を金銭目的で襲い撃ち殺した罪で、第一級殺人罪により死刑判決を下された死刑囚だったのです。このほど死刑囚をサポートする団体により、死刑を待つジュリアスのペンパル相手が募集されたのでしょう。事実を知り、衝撃を受けたものの「ぺンパル相手になりたい」と思ったケイティーさん。

ところが、文通を続けていくうちにいつの間にかジュリアスと心を通わせるようになってしまったのです。そしていつの間にかジュリアスと恋に落ちてしまっていたのです。

「彼は犯罪者とは思えないほど、良い人に思えました。今年の母の日にもわざわざカードを送ってくれたんです。イギリスとアメリカじゃ母の日が違うかも知れないけれど君のような頑張る母には値すべき日だね、母の日おめでとう!って書かれてあって…。」

遥か遠く離れたイギリスとアメリカで次第に心を通わせていった二人。ケイティーさんはジュリアスをサポートしたいと思うように。そして、付き合っていた恋人に別れを告げたのです。

24歳の恋人ベンさんとはいずれ結婚する予定だったそう。そんなステディな相手がいながらもジュリアスに惹かれてしまい、どうにもならなくなったのです。「言葉では言い表せないわ。ジュリアスと私は強い何かで引かれあっているとしか言えません。」

ケイティーさんの告白に衝撃を受けたベンさんは、当然婚約破棄に。それでもケイティーさんは言います。「ベンがいながら他の人を探すとかそんなんじゃ決してなかったんです。でも、ジュリアスのことを知って、こうなってしまったんです。自分の気持ちに全く予期してませんでした。」

ケイティーさんが現在頭にあるのは、4歳の息子とジュリアスとの将来だけだと言います。「3人で一緒になるために今ジュリアスの再審を求めて闘っているいるんです。」

ケイティーさんは、死刑執行されないためのトップクラスの弁護士を雇うために莫大な資金が必要ということで、Facebookでも死刑囚のために寄付金を募りファンドサイトまで設けています。

ケイティーさんの行動に、やはり賛否両論が。「母は私を信じてサポートしてくれています。でも父は…。周りの友達も半々。時々世界中で自分一人がジュリアスをサポートしているかのように感じてしまいます。」

どうしてそこまで思い入れてしまったのか…

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ケイティーさんが恋人を捨ててまで走ってしまったジュリアスとの恋。ほとんど「叶わぬ恋」と言ってもいいかも知れません。でもケイティーさんは言います。「私は、彼が罪を犯したことをいいとするわけではありません。彼は13年間も既に刑務所の中で償ってきました。」

「死刑になるのは間違っていると思うのは、人は誰でもセカンド・チャンスを与えられるべきだと思うからです。彼が死刑を免れて、もし、いつか自由の身になれたら一緒になりたい。会ってみて彼を信頼できると思えば、息子とだってもちろん会わせたいですから。」

会ったことのない死刑囚をここまで思うケイティーさんに、社会が拒絶反応を示すのは当たり前のことだと筆者は思います。幼い子供がいる母親の身でありながら、死刑囚のペンパル相手になるというリスクを犯すべきではないと警告した恋人を無視して、ジュリアスと心の交流を続けたケイティーさん。

ジュリアスにとっては死刑という以外先のない状態にあるために、優しい言葉をかけ、励ましてくれるケイティーさんに救われる気がするのは当然のことでしょう。返事を書いて気を紛らわし、恋愛気分に浸っていたのかも知れません。

ただ死を待つだけの死刑囚は、孤独になりやすいといいます。自分が犯した許し難い罪の償いのために死刑が科せられたとしても、やはり犯罪者とて人間。様々な気持ちが渦巻くことでしょう。そんなジュリアスの孤独を受け止めたのがケイティーさんだったのです。

二人の間には、誰にも見えない絆があるのかも知れません。でもそれは結局のところ「結ばれない恋」に酔った二人の単なる錯覚かも知れないのです。でもケイティーさんにはもう止められないのです。

正直、いくら優秀な弁護士を雇うことができても、一度死刑判決が下されればそれを覆すにはよほどの証拠がないとできないことでしょう。イギリスに暮らす1児の母、ケイティーさんにはどれだけのことができるでしょうか。

ジュリアスを思う気持ちが深くなるほど、恐らく「彼を救えない」というジレンマも出てくることでしょう。不運にもこんな形で出会った二人。これが全く別の状況ならどれほど良かったことでしょうか。

先の見えない結果のために、ケイティーさんは闘うつもりだとメディアでも告白。人は誰でもミスをし、そのミスを補うためのセカンド・チャンスが与えられるべきと主張するケイティーさんの気持ちを、この先絶望しかないジュリアスが利用していなければいいのですが。あなたはケイティーさんに対して、どんなふうに思いますか?

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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