100万人に1人といわれるほど珍しい脳の形成異常により、酷い時には1日5回の発作を起こして気絶。その間、夢遊病者のようになり記憶が全くなくなるというアラフォーママがイギリスにいます。

ノーサンプトン在住のリアン・リヨンさん(42歳)は4歳の頃から発病。視床下部過誤腫(ししょうかぶかごしゅ,hypothalamic hamartoma)と呼ばれる先天奇形を患っています。

視床下部は脳の中心でその下面にあり、代謝やホルモン分泌、自律神経機能、記憶や感情を左右するきわめて重要な脳組織です。視床下部過誤腫は、視床下部の中、あるいは視床下部に接して発生した灰白質の塊です。灰白質とは元来は大脳の表面などにある神経細胞の豊富な脳組織ですが、視床下部過誤腫は、異常な灰白質のかたまりが、先天的に視床下部に出来てしまったものです。

代表的なものは笑い発作です。特に笑うような場面でもないのに引きつるような笑いが起こります。これがてんかん発作であることは同時に脳波を測定するとてんかん波が出現することによってわかります。この笑い発作の後に体全体をひきつける発作(強直発作)や強直間代発作が起こることもあります。笑い発作は生後直ぐに起こるものから数年後に起こるものまでありますが、多くは生後1年以内に起こります。年長児になると、短時間の意識消失、自動症と呼ばれる異常行動、転倒発作(ドロップ・アタック)なども加わってきます。

出典 http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp

発作が起きれば30分は続く…

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腫瘍でもなくその大きさはがんのように進行しないとはいえ、その症状は自分の人生を台無しにすると言うリヨンさん。というのも、発作が起きれば笑いから始まり、果ては公共の場でストリップをしてしまうという醜態を晒してしまうからです。

ストリップ回数は月に2回ほど…

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発作が起きる度ではなくても月に2回の頻度で公共の場でストリップするとなれば、さすがに対処法が必要でしょう。幸いこれまで警察沙汰にはなっていないものの、発作によってはリヨンさんは夢遊病者状態になり、意識がないまま服を脱ぎ出すという奇怪な行動に出てしまうそう。

視床下部過誤腫は、発作が続くとこうした異常行動(rage attacks)を引き起こしてしまうというやっかいな病気なのです。

リヨンさんの場合、何度もスーパーや道でいきなりストリップをしてしまうだけではなく、レジに並んでいる時に発作で意識が遠のき、気付けばお漏らしをして足元に水溜りを作っていたという経験が。覚醒した時には、信じられない粗相を自分を恥じ、周りから批判的な侮蔑の眼差しを受け、死んでしまいたいほどの心境になったと言います。

見た目にもどこが悪いかわからないので理解が得られない

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リヨンさんが発作を起こして夢遊病者のような状態になっても、第3者から見ればどこが悪いのか全くわからないというのが難しいところ。ましてリヨンさんの頭に先天性の異常があるなどとは知る由もないのです。下手すれば単なる酔っ払いと思われてしまうでしょう。

4歳に既に発病していたものの、正確に視床下部過誤腫と診断されたのは29歳の時だったそうです。イギリスでは的確な治療が受けられず、このままでは日常生活にかなりの支障が出るとリヨンさん。

2人の子供を育てているアラフォーママのリヨンさんは「発作がバスの中で起こって、気を失ってしまい、気付いたら自分が全く知らない場所にいたなどというのは冗談では済まされない」とその危険性を訴えます。

子供を連れて出かけられない

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友達と出かけることももちろん、子供たちと一緒に出掛けることもリスクを伴うというリヨンさん。外で発作が起これば自分がしていることの記憶がぷっつりと消えてしまうからです。

外出することに不安を抱え、このままでは普通に生活することがままならないというリヨンさんは現在、アメリカでの治療を希望して寄付金を募っています。

「普通の母親になりたい」リヨンさんほどこの思いを深く心に刻んでいる人はいないのではないでしょうか。普通の母親ということがリヨンさんには夢のような話なのです。信じられないようなストーリーも現実に起こっていること。これが、100万人に1人の奇病と言われる病気なのです。

「子供たちと公園に行きたい…」

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リヨンさんにとっては、私たちが普通にしていることができないという辛さを味わっています。9歳の息子と6歳の娘と一緒に公園へ出かけることができたらどれほど幸せか。でも今は発作が起こることを懸念して、子供たちの学校の送り迎えはもちろん、普段の面倒も誰かに頼まなければいけないといった状況なのです。

夫のデイヴィッドさんはそんなリヨンさんを理解してくれてはいるものの、やはり治療をして良くなるものなら良くなりたいというのがリヨンさんの気持ちです。そのためにはアメリカでの治療と手術が余儀なくされるということで、今、リヨンさんはその希望を持って日々病と闘っています。

世の中には私たちが知らない病気がまだまだ存在し、それと闘っている人たちがいるのだと改めて気付かされます。大切な家族の為にも、リヨンさんのアメリカ行きの資金が貯まり、無事に手術&治療が行われるといいですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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