記事提供:日刊サイゾー

無理やり妊娠・出産を繰り返させられている犬たちが集まった、いわば「子犬製造工場」の存在が、韓国社会に大きな衝撃を与えている。

日本の『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)に近い、韓国の動物バラエティ番組『動物農場』(SBS)が約6カ月に及ぶ取材で暴き出した子犬製造工場の実態は、

同番組のMCやゲストはもちろん、ナレーターまでショックのあまり泣きだすほど残酷極まりないものだった。

番組が取材したのは、19年にわたって犬の“繁殖業”に携わってきたという、ひとりの女性。彼女は、表向き動物飼育場を装った子犬製造工場を裏で営み、犬を商売道具にしていた。

数え切れない数の犬たちを鉄製の檻に閉じ込め、強制的に交配させるのは日常茶飯事。時には発情誘導剤を飲ませ、それでもダメな場合は、オスの精液をメスの子宮に直接注入していたという。

精液をうまく着床させるべくメスのおなかを叩いたり、ぶら下げて揺らしたりといった行為を、番組スタッフの前で平然とやってのけたほどだった。

妊娠はしたものの、自然分娩できない場合は、この女性自ら帝王切開を強行。もちろん、彼女に獣医師の資格などあるわけもない。「病院で手術を見て学んだ」といい、帝王切開を行うにあたって、違法な麻薬類を麻酔剤代わりに使うこともあるそうだ。

そうやって生まれた子犬たちは、すぐ母犬から引き離され、「代理母」と呼ばれる別の犬のもとで育てられる。

その間、母犬にはまた強制的に妊娠と出産を繰り返させるというわけだ。もはや妊娠も出産も不可能になってしまった年老いた母犬は、食用犬として売り飛ばされる。

犬をまるで機械のように扱う子犬製造工場は、犬たちにとってはまさに生き地獄だった。

そもそもこの取材は、“スジ”という名の一匹の犬がきっかけだった。年齢的に出産が難しくなって食用として売りに出された8歳のメス犬スジは、奇跡的に救出された。

救出直後は腹部周辺に手術の痕が異常に多く、脱腸や腫瘍など、さまざまな問題があったという。驚愕すべきは内臓の状態で、獣医の話によると「誰かが内臓を全部出してから、ぞんざいに放り込んだように見えた」という。

番組放送後、視聴者からの反響はすさまじく、子犬製造工場に対する怒りの声が噴出。現在、子犬製造工場撲滅のための「動物保護法改正」を求める署名運動が起きている。

近年、韓国では、痛ましい動物虐待が絶えない。先日も釜山で頭蓋骨が粉々に砕かれた子猫3匹が路上で死んでいるのが見つかったほか、先月の国政選挙中、ある候補者が犬をボコボコに殴ったことが発覚している。

このような事件が起きる理由はいろいろあるだろうが、そのひとつとして挙げられるのは「動物の命の尊厳に対する認識不足」だ。動物保護団体の関係者は言う。

韓国では、他人の動物にケガをさせた場合、“財物損壊”として処罰されます。これは、いまだに社会が動物をモノとして認識している証拠ではないでしょうか」

命ある動物をモノとして扱う、その認識。どうか一日も早く変えてほしいものだ。

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