記事提供:カラパイア

アメリカ、セントラル・ミズーリ大学のカーティス・クーパー博士は数学者としては念願の発表をした。

これまで知られる中で最大の素数、「2の274,207,281乗‐1」を発見したのだ。およそ2,200万桁という長大な数で、読むだけで127日もかかる。

この発見はセントラル・ミズーリ大学のGIMPS(Great Internet Mersenne Prime Search/大インターネット・メルセンヌ素数検索)という共同プロジェクトの成果であるそうだ。

素数とは、それ自体と1でしか割り切れない数のことだ。例えば100以下の素数なら…2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47、53、59、61、67、71、73、79、83、89、97といった具合である。

私たちの日常生活にはいたる所に数が存在する。それに関連した迷信もある。意外にも、そうした迷信にまつわる数のほとんどが素数だ。

1. 不吉な素数「13」

例えば、13は不吉な数とされ、ホテルや商業ビルには13階がないものがある。また13日の金曜日を忌み嫌う人も多いだろう。

13が忌み数とされる理由として最も一般的なのは、キリストと12使徒の最後の晩餐において、13人目のイスカリオテのユダが裏切り者だったからというものだ。

また3には宗教的な意味合いもあり、父、子、聖霊の三位一体や東方の三博士に言及しているほか、教会の建築構造にも見ることができる。

また西洋に伝わる「ハシゴの下を歩くと不幸になる」という迷信も3が背景にあるようだ。

つまり壁に立てかけたハシゴは、壁とハシゴと地面で三角形を形成しており、その下を通ることは三位一体の象徴を破壊する行為と解釈されることが原因であるようだ。

2. 素数にはまだ未知なるパターンが隠されている

数学者は3,000年以上も素数のパターンを探してきたが、大きな成果は上がっておらず、未だに数多くのパターンが隠されていると考えられている。今回の発見もその理解につながるものだろう。だが、なぜそんなものを探すのだろうか?

中には金目当ての人もいるだろう。クレイ数学研究所では“リーマン問題”を解いた者に100万ドル(約1億円)の賞金を出すとしている。

これは素数の性質を理解する数学者の試みから発生した問題だ。そして大きな素数を見つけることで、この問題を解くヒントが得られるかもしれないのである。

あるいは、ただ真実が知りたいという人もいるだろう。人はその謎に大昔から挑んできた。

紀元前200年頃のギリシャの数学者エラトステネスは、アレクサンドリア図書館で働いているときに素数の一覧を見つける最初の方法を発見したと言われている。

知識欲が旺盛でフィロログス(学習を愛する者)という通称で呼ばれていた彼が考案したアルゴリズムは、篩から数が落ちるかのような様からエラトステネスの篩と知られている。

まず、ある数が n = ab のような合成数であれば、a と b が同時に √n を超えることはない(例えば、合成数 21(21 = 3 × 7)では 7 のみが √21 = 4.58 を超える)。したがって、あらゆる合成整数 n は √n を超えない素数 p によって割り切れる。

ここから、素数であるか検証するには、その平方根より小さいか等しい数で割るだけでいいことが分かる。2~30までに含まれる素数を見つけるには、√30 が 7 より小さいことを利用し、素数 2、3、5で計算するだけだ。

つまり、2~30を紙に書いたら、2、3、5で割り切れる数を“振るい落とし”、2、3、5、7、11、13、17、19、23、29を残すことができる。

3. ミステリアス素数

素数は不思議な数だ。例えば、370,261~370,373や20,831,323~20,831,533の間には存在しない。また13,331、15,551、16,661、19,991、72,227、1,777,771はいずれもどちらから読んでも同じになる回文数だ。

1956年、心理学者ジョージ・A・ミラーが『魔法の数 7、プラスあるいはマイナス 2(The Magical Number Seven, Plus or Minus Two)』という論文を発表した。

ここで彼は身の回りにある素数7について論じている。例えば宗教なら、7つの大罪や7つの秘跡など、7が溢れている。

またセールスマンなら、顧客が契約するまでには7度は売り文句を伝える必要があるという”7の法則“を信じているかもしれない。ミラーは、こうしたことには単なる偶然以上のものがあると主張している。

人間の直接記憶が最もうまく発揮されるのは7つの記憶までであることが証明されている。

また7つの別々のカテゴリーまではうまく区別して判断できる。注意の範囲も一目で7つまでならカバーするだろう。ミラーは他にも人が情報を記録し、蓄えておく領域を調査し、繰り返し7という数が登場することに驚いた。

とはいえ、ミラーが出した結論はそれほど深遠なるものではなく、せいぜい7が思った以上に特別なもので、注意深い観察が必要ではないかと主張しているに過ぎない。

私も素数を習いたての頃、「自分と1でしか割り切れないとかすげぇ!他人の介入を許さないとか孤高っぽくてすげぇ!」と、偶然見た数字が素数だとワクワクして、暗証番号を「2357」にするレベルには興味もったんだが、

素因数分解を使って文章を暗号化するほどには脳が理系向きじゃなかったのでいつのまにか忘れていたわけだけども、素数はまだまだミステリアスなのだという話を聞くと、改めて何か数字を決める時には素数を使おうという程度にはまた興味がでてきたよ。

てことで世界最大の素数、「2の74,207,281乗‐1」を全てみたいという人の場合には以下のサイトでダウンロードできるよ。

リストの一番下、49番目にある右側の「274,207,280 ・(274,207,281‐1)」という数字をクリックすると圧縮ファイル(ZIPファイル)のダウンロードが始まる。

読むだけで127日かかるほどの量だから当分退屈はしないはずだ。

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