(注意)題名からお分かりになると思いますが、当記事はホラー要素があります。苦手な方は、用心して下さい。

【1】ホラー映画に欠かせない「ゾンビ」

ホラー作品でお馴染みの「ゾンビ」さん。知らない方はいないでしょう。「生ける屍」とも呼ばれます。主には敵役として、数々の作品に出てきます。

ゾンビが出演する作品は様々で、作品毎に性質が違っていたりしますが、概ね以下の特徴は「お約束」となっている模様です。

●死んで蘇るなど、発生方法が独特。
●耐久力が高く、通常攻撃ではあまりダメージが無い。
●ゾンビに襲われると、襲われた被害者もゾンビになって、数が増え続ける。

【2】ゾンビが世に出た最初の作品

映画では、1930年代からゾンビ作品が存在した模様です。しかし、現在のゾンビ像を決定付けたのは、1968年の映画作品「Night of the Living Dead(ナイト・オブ・ザ・リビングデッド)」でしょう。直訳すると「生ける死者の夜」。
監督は、後に”ゾンビ映画の巨匠”と呼ばれる「ジョージ・アンドリュー・ロメロ」氏です。

この作品では、「ゾンビが人を襲う」「ゾンビには理性が無い」「ゾンビから身を守るため、主人公たちが家屋に立てこもる」等の、ゾンビ映画の基礎が強烈に描かれました。

この作品の製作から10年後の1978年に、ロメロ監督は「Dawn of the Dead(ドーン・オブ・ザ・デッド)」という作品を発表します。直訳すると「死者の夜明け」。
日本公開時には、「ゾンビ」という題名を付けられました。この作品で、ロメロ監督は一気に有名になります。それと同時に、ゾンビの存在が広く知れ渡りました。

この作品で、現在の「ゾンビ基本設定」「ゾンビ作品あるある」がほぼ完成した…と言えます。その内容は、以下の通り。

●ある日突然、全国各地で、多数の死体が蘇る。
●生き返った死者は、普通の人間を襲って食べる。
●ゾンビに噛まれて死んだ者も、ゾンビとなって蘇り、人を襲う。
●その場で死ななくても、噛まれた者は次第に弱っていき、最終的にはゾンビになる。
●ゾンビが新たなゾンビを生み出すので、爆発的に増殖する。

●主人公達は、田舎ではなく都市部にいる。
●爆発的に増えたゾンビに囲まれ、窮地に陥る。
●ゾンビから逃げるため、巨大なショッピングモールに立てこもる。
●モールの中には、食料を始めとする多くの物資が残っており、主人公達の助けとなる。


●モールに立てこもったはいいが、状況は悪化の一途を辿る。

●最終的にはショッピングモールを捨て、都市部からの脱出を試みる。

今日の映画やゲームにも、上記設定の影響が見られます。

【3】既成ゾンビの大きな転換

映画「ゾンビ」が発表された後、この映画に影響されたと思われる多くの作品が製作・発表されていきます。
有名な作品を列挙すると、「死霊のはらわた(1981年)」「バタリアン(1985年)」「スペースバンパイア(1985年)」「デモンズ(1985年)」「霊幻道士(1985年)」「ペット・セメタリー(1989年)」等々。

ちょっと変わった所では、マイケル・ジャクソンの曲「スリラー」のPVに、ゾンビダンサーズが出てきます。

これらの作品は、ロメロ監督の「ゾンビ」の設定を基本に、様々なアレンジを加えた作品になっています。

こういったゾンビの描かれ方に、大きな転換点がありました。それが、1996年発売のゲーム「バイオハザード」です。

バイオハザード以前の作品は、その殆どが「死者が、何らかの超常現象によって、地獄から蘇った」という設定になっています。しかしバイオハザードは、「ゾンビは単なる死者ではなく、特殊なウィルスに感染した伝染病患者である」という新しい設定を、ゾンビ作品に持ち込みました。

この「伝染病設定」を採用する作品が、バイオハザード発表以降に増えてきました。有名なところでは、2002年発表のイギリス映画「28日後…」があります。

敵は伝染病患者であり、動きの鈍い死者ではありません。その為、陸上選手並みのスピードで疾走し、生存者を襲います。

最近の作品で有名なものは、2016年公開の映画「アイアムアヒーロー」があります。大ヒット漫画が原作の邦画です。この作品では、ゾンビとは呼ばず「ZQN(ゾキュン)」という呼称が使われています。

この様に、作品を重ねる度に「設定や描写」は変化し続けていますが、ゾンビものは「エンタメ界には無くてはならない要素」になっている模様です。

【4】そもそも、ゾンビって本当にいるの?

いろんな意味で人気のあるゾンビさん達ですが、ちゃんとモトネタがあります。西アフリカから中南米に広がる「ブードゥー」という宗教の中に「ゾンビ」の話があります。そこから着想を得たと思われます。(厳密に言えば、宗教というよりも民間信仰に近い)

---注:「民間信仰」とは?--------------------
住民の生活の中で、伝統的に形成された庶民信仰。自然に出来上がった宗教的なモノ。精霊信仰(シャーマニズム)もコレに当たる。
「呪術師」「神の声を聞く予言者」などが、その象徴。

日本での民間信仰は、「土地神」「お稲荷様」「座敷ワラシ」「お百度参り」「丑の刻参り(呪いのワラ人形)」「恵方巻き」「憑きもの」「イタコ」「邪馬台国の卑弥呼」などがある。

別に教祖や教義があるワケではなく、何となく信じられている不思議な存在やチカラ…と言えば、イメージを持って頂けるでしょうか?
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ブードゥーは、映画などでしばしば「邪悪な宗教」として描かれたりしますが、決してそんな事はありません。確かに、「相手を呪う行為」等もありますが、ヒーリング(治癒行為)を行ったりする事もあります。

ゾンビ映画を多く製作するアメリカに於いては、フロリダ州から近いカリブ海上の国「ハイチ」と「ブードゥー」がワンセットで語られる事が多いです。
ハイチは、ブードゥーと深い関わりがあります。

ハイチは、北海道の3割くらいの広さの小さな国です。人口は1000万人ほど。カカオやコーヒー等の生産・輸出を中心にした経済体制を持っており、主な貿易相手はアメリカです。
近年、軍事クーデターや地震などの影響で不安定な状況でしたが、あちこちから援助を受け、安定化を目指しているとのこと。

ハイチは、もともと「アフリカから拉致されてきた、黒人奴隷の国」だったので、ブードゥーの様な「アフリカの民間信仰」も一緒に運ばれて来ました。その流れが、今日まで続いています。

【5】ゾンビは、実は「家事手伝い」の身だった…

この「ブードゥー」の儀式によって、ゾンビが生まれるとの話を聞きます。最も多い説は、精霊「ズンビー」「ンザンビ」の力で相手を蘇らせる…というもの。「ズンビー」「ンザンビ」が訛って、「ゾンビ」になったと思われます。

ゾンビを作り出すのは、司祭(呪術者)です。ゾンビ化されるターゲットは、「何かしらの原因で人に恨まれ、ゾンビ化してくれ…と司祭が依頼を受けた」とか、「悪事を働いたので、処罰を受ける必要がある」などの理由から選ばれる事が多いそうです。

めでたく?ゾンビ化に成功したその後、ゾンビがどうなるか?…と言うと、農園で働かされたり、家の手伝いをしたり、とにかくコキ使われる…とのこと。
ゾンビの本来の姿は、「家事手伝い」「反省中の身」だということになります。意外です。

【6】ゾンビを作る粉「ゾンビパウダー」の真偽は?

ゾンビを作る道具として有名なものは、「ゾンビパウダー」と呼ばれる薬です。呪術師が調合するもので、数種類の毒が原料…とされています。この薬を対象に振り掛ける事で、ゾンビ化させるのだとか。

このゾンビパウダーを科学的に分析し、まとめたサイトや本があります。

上記で紹介された内容によると、カエルの毒やフグ毒、有害な成分を持つ植物が含まれている事は分かりました。動物実験も行ったそうですが、ゾンビ伝説の様な状況にはならなかったそうです。

人体に投与(臨床試験)する事は無理なので、人に対する効き目を確かめたワケでは無いのですが、動物実験の結果から「人間のゾンビ化は無理」との結論が導かれます。

【7】まとめ

ゾンビのルーツを追いかけていくと、「家事手伝い」というところに辿り着いてしまいました。ゾンビの恐ろしさに水を差された気分になります。

ただ、そういう話を聞いても、やっぱり怖いものは怖いです。特に最近は「活発なゾンビ」が活躍する作品が大量発生しています。全力疾走してくるゾンビを目の前にすると、もう怖くてたまりません。

夏はホラーの季節。ホラーの王道「ゾンビ関連作品」を仲間と一緒に視て、暑さを忘れてみませんか?。

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