記事提供:カラパイア

昆虫にもある種の意識がある。最新の論文によると、昆虫の脳のスキャンからは、そこに意識が宿る容量があることや、自己中心的な振る舞いをすることが明らかになった。

これは昆虫が物事を主観的な経験として認識している可能性を示すと同時に、人間や他の動物の意識の始まりについても示唆しているそうだ。

プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ』に掲載された米カリフォルニア大学のアンドリュー・B・バロン氏とコリン・クライン氏の研究は、昆虫の脳の神経システムを詳細にスキャンし、比較したものだ。

ここから意識は中脳という古い中枢に関連していることが判明した。中脳は人間の意識にも関連しており、昆虫においても同じことが言えるようだ。

昆虫は小さな脳しか持っていないが、それは人間の中脳と同じ機能を担っているらしい。すなわち記憶や認識など意識の別の側面をつなぎ合わせ、意思決定に利用する。

論文の内容が正しければ、昆虫の意識をさらに詳細に調査できるようになる。ミツバチの脳は比較的単純であるため、研究にうってつけだろう。

昆虫も自分の意識で世界を感じとっている

研究者によれば、昆虫の意識とは複雑な表現なのだという。まず、その言わんとすることを明確にしなくてはならない。

例えば、ミツバチが世界から情報を得て、それに基づき計算し、行動することについては誰もが同意するだろう。

しかし、ここで問題となっているのは、昆虫が自分の視点から世界を感じているかどうかということだ。

従来、学者たちは昆虫や動物の行動を観察することで、それを理解しようとしてきた。

しかし、今回観察対象となっているのは、昆虫の特定の神経の成り立ちである。そうした観察からは、昆虫の意識体験が人間のそれとは完全に同じではないことが明らかとなっている。

とはいえバロン氏とクライン氏はこう論じている。「昆虫が体験している世界は、人間の体験ほど豊かでも、精密なものでもないが、似たような感覚であることには変わりがない」と。

おそらく、心を深く省みることができるのは人間だけだろう。これは自らが意識的な存在であることを人に意識させる複雑なプロセスである。

だが、私たちは大部分の時間をそうすることなく、もっと単純なやり方の意識を持って過ごしているのだ。

両氏は、今回明らかとなった類似点が、まったく新しい科学的な方法で主観的体験を理解することにつながればと期待している。

動物に意識を持たせるに至った環境要因を明らかにすることで、主観性と外部世界との関係性に光を当てられるようになるそうだ。

出典:pnas
出典:phys
出典:independent

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