記事提供:CIRCL

「ねえねえ、お父さん、何飲んでるの?ぶどうジュースみたい!ちょっと飲んでみたいな」「ワインだからダメだよ。うーん。でも、誕生日だし、まあいいか。一口だけだよ。でも、本当は子どもはお酒はダメだからね」

クリスマスやお正月、誕生日など、事あるごとに、夫が飲む赤ワインを飲んでみたいというわが家の子どもたち。しかし、グラスに顔を近づけてみるものの、子どもにはきついにおいに飲む気はうせるようで、結局、飲んでみたことは一度もない。

飲ませずに済んで本当によかったと今は思う。こうした大人の「子どもにお酒をちょっと味見させる…」が、子どもの将来に深刻な問題を引き起こすという。

お酒「一口だけならOK」という親が多すぎる世の中

当たり前だが、子どもの飲酒は禁じられている。肝臓のアルコール分解処理能力が未完成な子どもがお酒を飲むと、急性アルコール中毒になりやすかったり、他の臓器の病気の原因になったり。成長にも悪影響を及ぼす(※1)。

このようなことは、誰もが知っている事実だ。でも、一口だけなら飲ませてしまう。一口なら影響がないと思っている。多くの親のこんな誤解が、結果、子どもの将来に問題をもたらしているのだ。

4分の1の家庭で「お酒一口ならOK」習慣

オーストラリアのニューサウスウェールズ大学医学部の研究チームは、子どもに一口味見させたときの影響について調査した。1700人余りの中学1年生の子どもを対象に、その親も含めてアンケートを行った。

味見をさせたことはあるか、親の飲酒の習慣はあるかはもちろんのこと、子どもの友達の飲酒の習慣を知っているかなどについても聞いた。

その結果、4分の1の家庭で過去1年間、子どもにお酒一口ならOKの味見をさせていることが分かった。特別な家族イベントのときや夕食の時間が最も多かった(※2)。

子どもにお酒、は将来の大量飲酒や薬物使用の前兆

また、わが子の友達の飲酒や薬物使用を認識している親は、家庭で子どもにお酒の味見をさせる傾向があった。つまり、友達が飲酒していることも、わが子が味見をしていることも“普通のこと”になっていることが分かった。

研究チームは、家庭でのお酒味見の習慣は、子どもの将来の飲酒の「前兆」と位置付けた(※2,3)。

ピッツバーグ大学の研究でも、子どものお酒一口の味見が将来の大量飲酒や薬物使用と関係があることが分かっている(※3)。

お酒一口、がグラス一杯に変わる時期が来てしまうかも

いずれ、「一口だけ」が「グラス一杯だけ」に変わる時期も来るだろうし、何より心配なのが、友達も飲酒の習慣があるということは、将来、親や教師の監督なしで、子どもだけで飲酒をする土台があるということだ。

一口だけなら、ちょっと口を付ける程度なら、体の成長に大きな影響はないのかもしれない。しかし、将来への影響があまりにも大きすぎる。絶対に、子どもにアルコールを与えてはならない。たとえ、一口だけでも。

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