出典 http://www.carsensor.net

▲要介助の義母の移動には車椅子が必須。車椅子のまま移動できる車を主人と見学に。ど素人の車選び、いざ開始!

見た目はごく普通。でも中身は機能性抜群! トヨタ ノア ウェルキャブ

このたび、愛する夫の母(80代)と同居を開始することになりまして。義母は高齢ゆえ筋力が低下し、外出には車椅子が必須。少しでも快適に過ごしてもらいたいし、手すりやバリアフリー、いろいろ導入を考えます。そんな中、義母とのお出かけを想定すると、やっぱり車椅子に座ったまま移動できる車があったらよいね、ということで車椅子が乗車できる車も検討されることになりました。

ちなみに夫は車好き、私はど素人。でも、運転頻度は私の方が断然高いので、介助しやすいのか?ぶっちゃけ車としてかっこ悪くないのか? といった主婦の観点を重視したいと思い、近所にあるトヨタの販売店を夫と一緒に訪ねたわけです。

紹介されたのは、トヨタ ノア ウェルキャブ。一見、普通のノアです。お馴染みのファミリーカー的な、あれです。

しかし、リアハッチを開くと床面に収納されたスロープ、2列目には車椅子のスペースと、中身は充実の福祉車両の様相。スロープはコンパクトに格納されているので、車椅子が乗らないときは大きな荷物を積んだり、3列シートとしても使用できるんですって。これならお友達家族を誘ってのお出かけも楽しめそう。

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▲「福祉車両」というワードに構えていたのに、普通の見た目に肩透かし。でもリアハッチを開ければ福祉車両としての機能が大充実! そして十分なスペースに3列目のシートまでバッチリ装備

車椅子での乗車体験のために、畳まれているスロープを起こしてセットします。すごく重そうなイメージがあったため、恐る恐る引き上げたのですが……、

あれ? 意外に軽い。

畳むときもゆっくり前方に倒れ、最後は手で押し込んで固定できるので、誤って指を挟むなんてアクシデントもなさそうです。

女性や子供でも大丈夫! 介助者の負担を軽減する車の仕掛けとは?

準備が整ったところで、最大の難所がやってきます。

そう、人が座った車椅子を乗車させる工程です。車椅子を押すのって、力いりますよね。人が乗っているし、何より車椅子自体が重いっていう。

義母の乗車をお手伝いするのは主に私なので、用意されていた車椅子に夫を乗せてシミュレーションしてみることに。 覚悟を決めて、力いっぱい押すと……

あれ? 意外に軽い。

すいすい前に進みます。夫が激痩せした可能性も考えられるので、一度降りてもらい車椅子だけを押してみたのですが、

あれ? めっちゃ軽い。

しかもコンパクト。これなら家の中の狭い廊下でも余裕で通れます。この車椅子、トヨタさんが車移動のために自社開発されたそう。もちろん家でも使えるんですって。

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▲利用者だけでなく、介助する側にとっても生活のすべてに寄り添うのが車椅子。乗り心地、使い心地が鍵だ

それでも疑り深い私は、「緩やかとはいえ傾斜のあるスロープを上って車椅子を中に入れるのはさすがに大変でしょ?」とお手並み拝見とばかりに斜に構えていたところ、店員の方が「これを付けてください」と一言。

セーフティベルトと呼ばれる長ーいベルトが、セカンドシート前の床下からびよーんと伸びています。それを手際よく取り付けると店員さんはリモコンを差し出し、「これを押すと電動で車内に引き上げられます」とおっしゃるのです。

半信半疑でリモコンを押しながら取っ手を握った瞬間、

あれ? めっちゃ進む!!!

電動ウインチによってセーフティベルトが巻き上げられ、ぐんぐん車椅子を車内に引き入れてくれるではないですか。取っ手に手を添えているだけで、もはや私の出る幕ほぼなしです。女性や子供でも余裕で作業できます。文明の利器、日本のものづくりにひれ伏した瞬間でした。

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▲斜面の乗降も案ずるなかれ。かゆいところに手が届きまくりのおもてなし品質で、介助者のサポート機能も万全

セカンドシート位置に車椅子を固定したら、今度はシートベルトです。ここでも、細部に宿った神降臨です。この車椅子は車輪が小さく、シートベルトのなんと着けやすいこと!

以前、介護タクシーに義母を乗せる際に通常の車椅子にシートベルトを着用しようとしたら、車輪が遮って大変だったんです。そのストレスから解放される日が来るとは。

っていうか本当すごいな、この車椅子。

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▲車椅子に乗った人の腰をがっちりホールドしてくれるので、急なブレーキにも安心。ベルトが車輪の金具にからまったり、指を挟んでけがをしたりする心配もなし

未経験ではわからない、車の乗り心地を決定づける意外なものとは……!?

「ここまでくればミッションはほぼ終了したようなもの。あとは試乗して乗り心地を確認するだけだ」と思い、夫を車椅子に乗せていざ出発すると、背もたれ90度の椅子に着座している夫がボソリと一言。

「この体勢、ツライかも……」

むむむ!? 車椅子の乗り心地に関しては完全に盲点でした。夫いわく、

・座面に対し背中が直角になる姿勢でずっと座っているのはツライ
・座席位置が高く、隣の人と目が合わなくて寂しい
・そのうえ揺れる。特に上半身の揺れが大きいので酔いそう……
・急なブレーキやカーブで体が前に倒れて、そのたびにふんばるのが疲れる

などなど、不平不満は枚挙にいとまがありません。そこまで言うなら私も試してみるよと、車椅子に乗ったところ、

……参りました。

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▲座っているだけでもつらい90度の背もたれ。動き出すと揺れやカーブでテンションはさらに下降。次第に車内は気まずい沈黙に包まれ……

まさか車椅子での車移動がこんなに大変だったなんて……。車椅子のまま車に乗れて楽だろうくらいに思っていた自分の浅はかさが恥ずかしい。車椅子の車移動の際、義母がなんとなく元気がない気がしたのは、苦痛だったからかもしれないとようやく気づきました。

そして、介護する側の立場に立った福祉車両の機能性と同様に、介護される側の立場に立って「どんな車椅子を選ぶか」ということが重要なのだと開眼したのです。

その感想を夫に言うと 「あ、そういえば店員さんに『この車椅子は背もたれが斜めに倒れるので、乗車時の姿勢が楽なんですよ』と言われたような……」

え、夫もボケが始まった!? いえいえ初老期によくある物忘れです。義母も夫も看護とかマジ勘弁です。

気を取り直して、車椅子の背もたれを倒して試乗してみると、

夫「あれ? いい感じ」

とテンションも上々。まず、目線の高さが低くなるので視界が全く変わります。孤独さはたちまち消え、隣の人とも会話が弾みそう。

しかも、揺れが格段に少なくなるので走行中も快適。お尻が前に滑ったり、車の動きに上半身を振り回されたりすることもありません。最後はウトウトしてしまうほどの快適な乗り心地だったようです。

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▲目線も揃うので同乗者と会話も弾み、車空間が格段に楽しいものに

車椅子でここまで乗り心地が変わるのだということは、今回一番の驚きであり発見でした。義母は私たちに気を使って決して不満は言わなかったけれど、今までどれほど気が重かったことか……。

健常者の観点だけでは気づき得なかった新しい視点を与えてくれたトヨタさんに感謝です。っていうか本当すごいな、この車椅子。

しかし、どれだけ良品の真価を理解していても突きつけられる現実……。そう、お金の問題です。

これだけの機能性を備えた車、そしてその車の乗り心地を左右する最大のキーパーツ・車椅子。両方揃えるとなるときっとお高いんでしょう……?

恐る恐る出されたお見積もりを見て驚き。案外手の届く価格なのです。

購入は19.8万円ですが、介護保険が適用されるのでお得に。しかも、レンタルだと月1,100円~でこの名器・車椅子が借りられるそう。

「なんだ、夫のお小遣いをちょっと減らすだけで、ハッピーな車生活が送れるじゃない!」
と妙案が浮かんだので夫に優しく微笑みかけました。夫は頬を引きつらせながらも「いいよ」と快諾し、契約のサインをしましたとさ。本当にできた夫です。

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