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2013年4月に法定摂取となるや次々と副作用が報告され、わずか2か月余りで一時勧奨中止となった子宮頸がんワクチン。

しかし国は、被害に遭った少女たちが求める対策や救済に真摯に向き合わないばかりか、接種を禁止しようともしません。

メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者・新 恭さんはその裏にTPPや海外製薬メーカーによる圧力が存在すると指摘、将来の日本をつくる若い女性たちの健康確保こそが重要だと訴えています。

TPPで国は子宮頸がんワクチンの勧奨を再開するつもりなのか

いわゆる「子宮頸がん予防ワクチン」は、ヒトパピローマウイルスHPV)に感染するのを防ぐ効果はあるが、子宮頸がんを予防できるという確たる証拠はない。

子宮頸がんを調べると、そこにHPVに感染した痕跡が認められるという。

それだけの根拠で、HPV単独犯人説が組み立てられ、性交渉年齢以前にワクチン接種を受けてHPVウイルスから防御しておけば、歳をとっても子宮頸がんにならない、などという理屈が編み出されたのである。

これは言うまでもなく、ワクチンをつくった製薬会社の自己都合ストーリーに過ぎない。

このワクチンの効能は、つまるところ接種された少女たちの一生を見届けなければわからないが、一部の少女たちにあらわれた現実の薬害は次から次へと明らかになっている。

接種後の強い痛み、けいれん、記憶障害、歩行困難。車椅子生活、計算障害、記憶障害…。悲痛な訴えにもかかわらず、ワクチンが原因だと認めない医師のほうがはるかに多く、患者の苦しみを増幅させている。

対策と救済を求めても、政府はなぜか真摯に向き合わない。国の方針に従い、国を信頼して予防接種を受けた無辜の少女たちは一生、この苦しみを背負い続けねばならないのだろうか。

国内で使われている子宮頸がん予防ワクチンといわれるものは、サーバリックス(グラクソ・スミスクライン社)とガーダシル(米メルク社)だ。

国と製薬会社を相手に、今後、損害賠償請求の訴訟が提起されるという。当然だろう。他の薬害事件と同様、深い闇のなかに利権がうごめき、さらにこのケースでは外交問題もからんでいる。

現在、国は子宮頸がん予防ワクチンの接種を勧めるのを一時的に中止しているが、国会で審議中のTPPの承認案と関連法案が可決され、発効すれば、勧奨再開への外圧は強くなる。

いずれ、国は接種の勧奨を再開するのではないか。そんな観測があるなか、4月4日、参議院の行政監視委員会で、山本太郎議員がこの問題を取り上げた。

山本はまず、厚生労働大臣、塩崎恭久こそが子宮頸がんワクチンの公費助成を進めた重要人物であることを指摘した。

厚労省が国会で認めたワクチンの危険性

塩崎は2010年2月に発足した「自民党ワクチン政策に関する議員連盟」の幹事長だった。当時のブログに塩崎はこう書いている。

原因が解明されている数少ないがんである子宮頸がん。日本では毎年約1万5,000人の女性が発症、約3,500人が亡くなられている。

しかし、接種すれば発症数を6~7割削減可能な予防ワクチンが開発されており、英国、豪州、米国などではすでに2006年ころから10代前半の女子を中心に、公費負担で接種を進めているのだ。

(中略)必要予算は約200億円程度で済む。5兆円をこえる子ども手当てに比べれば微々たるもの。

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子宮頸がんの原因が究明されているというのがそもそも間違っている。

ヒトパピローマウイルスを発見したドイツの科学者ハラルド・ツア・ハウゼン自身が自著の中で「ワクチンの効果はガンに対してではなく、前がん状態、つまり異形成に対してだ」と述べている。

異形成を子宮がんの発症のごとく誤解すればHPV感染が原因であることになり、その感染予防ワクチンに効果があると言える。しかし、そうではないのだ。

それは、その後の国会の質疑の中で、とっくに明らかになっている。

2013年3月に子宮頸がん予防ワクチンの定期接種の法律が国会で成立したさい、衆参722人の国会議員のうち、法案に反対したのは、はたともこ参院議員ただ1人だった。

同年7月の参院選で落選した、はたともこは今、山本太郎の公設第一秘書をつとめている。山本の追及の中身から、彼女の思いも伝わってくる。

はたは、2013年3月28日の参院厚生労働委員会で質問に立った。答弁したのは厚生労働省健康局長、矢島鉄也である。

はたともこ「HPVに感染しても、90%以上は自然排出されるということでよろしいですか」

矢島「米国における3年間にわたる調査で、90%が2年以内に検出されなくなったという報告がされております」

はた「HPVに感染しても90%以上が自然排出する。残りの10%のうち、持続感染し、前がん病変の初期段階である軽度異形成になったとしても、そのうちの90%は自然治癒するということでよろしいですか」

矢島「イギリスの医学雑誌ランセットによる2004年の11月のデータによりますと、若い女性の軽度異形成の90%が3年以内に消失するという報告がございます」

はた「軽度異形成の段階では経過観察を行い、中等度、高度への進展の段階で治療をすれば大部分は治癒するということでよろしいですか」

矢島「高度異形成とか上皮内がんの段階では子宮頸部円錐切除術で治癒率はおおむね100%と日本産婦人科腫瘍学会のガイドラインで示されています」

はた「HPVワクチンの副反応の頻度はインフルエンザワクチンに比べ、サーバリックスが38倍、ガーダシルが26倍、そのうち重篤な副反応は、サーバリックスが52倍、ガーダシルが24倍ということでよろしいですね」

矢島「子宮頸がん予防ワクチンの副反応は、100万回接種当たり約232例の報告率です。インフルエンザワクチンは、100万回接種当たり約6例の報告率で、御指摘の意味では約40倍です

この質疑から判明したのは、子宮頸がんの予防にとって、HPV感染への対策はさほどの意味がないということ。逆にHPVワクチン接種による副反応のリスクは、インフルエンザワクチンの40倍にも及ぶということである。

にもかかわらず、政府は法律を制定して義務的に接種させたのだ。

単なる感染、軽度の異形成はほとんど自然に治り、矢島が言うように「高度異形成や上皮内がんに相当する段階」ですら、適切な治療を受ければ100%治癒する。ならば、少なくとも、リスクを抱えた過剰な予防であることは明らかだ。

なぜ政府は接種を禁止しないのか

これだけ、子宮頸がん予防ワクチンの効果に疑惑の目が向けられているにもかかわらず、政府はなぜ接種を禁止しようとしないのか。

山本太郎は、米製薬業界を後押しする勢力の存在を指摘し、TPPとのからみで日本政府がどう対応するのかを追及した。

「グラクソとかメルクとかは、勧奨中止になっているのは日本だけだぞ、と。WHOも勧奨再開を勧告しています。

集団的自衛権、原発再稼働、TPPなどを日本に要求し、安倍内閣が完全コピーしたと言われるアーミテージ・ナイ・レポートを発表したCSISは、子宮頸がんワクチンについて日本政府に勧奨再開を求めるレポートを出していますよね」

「TPPが発効し、メルクとかグラクソとかが、ISDS条項で数百億の損害賠償を請求してきたら、日本政府はどのような対応をしますか」

塩崎大臣は「TPP協定では、健康など公共の福祉に係る正当な目的のため合理的な規制を行うということについて妨げているわけではない」などと、終始逃げを打った。この曖昧な答弁から、ISDS条項への懸念で、省内でも対応に苦慮しているさまが窺える。

製薬会社にとって、「予防医学」の世界的流行は、またとないチャンスだ。

高度なハイテク技術を有する世界規模の製薬会社が、日本の「ワクチン村」に乗り込んできて、国費助成つき定期接種という、「金のなる木」を手に入れた。そこまでは思い通りの展開だっただろう。

ところが、この子宮頸がんワクチン接種を勧めていた日本政府が、副反応の患者が続出するのを見て2013年6月14日、「一時勧奨中止」とした。法定接種となってから僅か2か月余りのことだ。

これによって、子宮頸がんワクチンの接種率が65%から4%に激減したことが、阪大大学院医学系研究科の調査によって分かっている。

グラクソ、メルク両社がカネの力で巻き返しをはかろうとしているのはあきらかだ。WHOやCSISはもちろん、ワクチン行政の審議会メンバーである日本の医学者を研究資金提供で手なづけ、内外から厚労省にプレッシャーをかけている構図だ。

山本は塩崎に問いただした。「まさか、塩崎大臣、この子宮頸がんワクチン、何としても大臣在任中に勧奨を再開しようということを考えられているわけじゃないですよね」

塩崎はこう答えた。「ワクチン行政はやはり科学で判断をしていかなければならないというふうに思います」

科学で判断とは、どういうことか。それを言うなら、HPVワクチンが子宮頸がんの予防に効果があることを論理的に証明しなければならない。

厚労省は福島みずほ議員の質問に対しても、「前がん状態までは減らせるが、最終的に子宮頸がんを減らしたというエビデンスはない」とはっきり答えているのだ。

政府が考えるべき基準はただ1つ。将来の日本をつくる若い女性たちの健康確保だ。企業の利益ではない。良識をもって冷静に判断すれば、おのずから正解は出てくる。

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