【1】アメリカの賠償金は、桁外れ

「訴訟大国」といえば、多くの方が「アメリカ」と答えるでしょう。賠償金が高い事で有名です。あまりの高さに、「日本人には理解不能なレベル」である事が目立ちます。

つい先日、そんな「日本人には理解不能レベルの訴え」が、アメリカでまた起こされた…とのニュースを見ました。

米シカゴ(Chicago)在住の女性が、米コーヒーチェーン大手のスターバックス(Starbucks)を相手取り、アイスコーヒーやアイスティーなどの飲み物の量が広告の記載より少なく、過剰な料金を客に支払わせているとして500万ドル(約5億3000万円)以上の損害賠償を求める訴えを起こした。

出典 http://www.afpbb.com

AFPニュース、2016年5月3日付けの記事。
※強調朱は筆者によるもの。

「飲み物の量が広告より少ないから、5億円払え」という訴訟です。日本人の感覚からすれば、ちょっと理解不能です。

飲料の価格は、せいぜい1杯500円くらいのもの。その価格帯の商品を、要求している賠償金「5億円」で買おうと思えば、100万杯になります。
1日に3杯飲んでも、飲み終わるまでに900年以上かかる計算になります。

審理はこれからなので、この訴訟がどうなるかは分かりませんが…。
そもそも、なぜこんな状況になるのでしょうか?。疑問に思い、調べてみました。

【2】日本とアメリカでは、賠償金の捉え方が違う

その原因は、日本とアメリカの「賠償金の性質の違い」にありました。

日本の場合、「賠償金」と呼ばれるものは色々ありますが、かなりザックリ分けただけでも「損害賠償」「慰謝料」の二つがあります。

「損害賠償」は、「出た損害に対して、穴埋めで払うお金」という意味合いが強いです。
例えば、「店の品物を、故意に壊してダメにした場合」を考えてみます。店側にとってみれば、ゴミにするつもりなど無く、普通に売れると考えているので、「売り上げが減った」という損害が発生したことになります。その損害を埋める為に、損害を出した人に賠償を請求します。要は「プラスマイナスゼロにしろ」と要求することです。専門用語では、これを填補賠償(てんぽばいしょう)」とも言います。

これに対して「慰謝料」とは、「相手の傷ついた心情に対して、謝罪の気持ちを金に換算し、それを支払う」という意味合いが強いです。これには相場があります。それを基本にして、細かな事情や状況を考慮しつつ、裁判などで決定されます。

ところが、アメリカの場合は上記の要素の他に、「懲罰的損害賠償(ちょうばつてき そんがいばいしょう)」という考えがあります。これが、賠償金を高額にしてしまう最大の原因なのです。

【3】懲罰的損害賠償とは?

懲罰的損害賠償とは、填補賠償を超えて、加害者に対する懲罰および一般的抑止効果を目的とした損害賠償です。つまり、高額の損害賠償金を出させることで加害者を懲らしめ、同時に高額の賠償をしなければならないということを世間に知らしめることで、同様の不法行為が今後発生することを防止しようというものです。

出典 http://www.itojuku.co.jp

法律系資格試験に強い「伊藤塾」HPより。

つまり、「見せしめ」の意味合いが強い…という事です。「こういう騒ぎを起こすと、こんな酷い目に遭うぞ」という事を強烈に喧伝する為に、高額になる傾向がある様子です。

【4】問題ではないのか?

問題なのは、懲罰的損害賠償の額が填補賠償の額をはるかに超えた金額になってしまう点です。

出典 http://www.itojuku.co.jp

もう一つ問題となるのは、その懲罰的損害賠償を課すか否か、及び課される場合の金額までもが全て陪審もしくは裁判官の裁量に委ねられており、予測が困難であるということです。

出典 http://www.itojuku.co.jp

アメリカでも上記の2つは問題となっており、懲罰的損害賠償を認めるための要件を厳格化したり、上限を設けようという動きになっています。

出典 http://www.itojuku.co.jp

1.額が高すぎる。
2.賠償額の決定に関し、強烈な権限を持つのは陪審員(選ばれた一般人。日本の裁判員と類似点多)等で、その相場が読めない。

この2つの理由で、問題にはなっている模様ですが…。

そもそも、アメリカは元々イギリスの植民地であり、独立戦争を経てアメリカを作った…という歴史があります。言ってみれば、「お上を、徹底的に信用しない」というところから始まった国です。

また、「自分の身は自分で守る」という精神が根強く残っています(銃の所持が合法なのが、その象徴的事例)。
「自分を守る=個人を守る」という考えが強ければ、大きな組織に厳しい世論になり、賠償金にもハネ返ってくるのかも知れません。

【5】まとめ

日本とアメリカに限らず、国・地方によって、考え方には大きな違いがあります。自分の感覚が、そのまま当てはまるものではありません。気を付けましょう。

特に円高傾向が続くと、海外で買い物をしやすくなるので、出かける方が増えると思います。旅行・ショッピングは楽しいですが、自国では予想し得ないトラブルに巻き込まれる可能性はあります。心配な方は専門家さんに相談し、予防・対処法を学んでおきましょう。

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