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無作為に選ばれた有権者が、裁判官と共に判決について考える「裁判員制度」が施行されて間もなく7年になります。

いつ、誰が、どんな裁判の裁判員に選出されるかは誰もわかりません。もしかしたた、この記事を読んで下さっている方の中には、既に裁判員を経験している方もいらっしゃるかもしれませんね。

どんな制度なのか、今一度おさらいをしたいと思います。

裁判員制度とは?

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裁判員制度とは、国民のみなさんに裁判員として刑事裁判に参加してもらい、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう制度です。

出典 http://www.saibanin.courts.go.jp

そのままですが、裁判官と一緒に刑事裁判の刑をどのようにするか考える制度です。

もちろんどんな犯罪にも適用されるわけではなく、具体的には次のような一定の条件が設けられています。

・人を殺した場合(殺人)
・強盗が、人にけがをさせ、あるいは、死亡させてしまった場合(強盗致死傷)
・人にけがをさせ、死亡させてしまった場合(傷害致死)
・泥酔した状態で、自動車を運転して人をひき、死亡させてしまった場合(危険運転致死)
・人の住む家に放火した場合(現住建造物等放火)
・身の代金を取る目的で、人を誘拐した場合(身の代金目的誘拐)
・子供に食事を与えず、放置したため死亡してしまった場合(保護責任者遺棄致死)
・財産上の利益を得る目的で覚せい剤を密輸入した場合(覚せい剤取締法違反)

出典 http://www.saibanin.courts.go.jp

大きな犯罪とされる刑事事件が、裁判員裁判の対象になります。

裁判と聞くと、専門家の集団が法律に則って判決を決めていくイメージが強いですが、裁判員裁判となると一般市民も裁判員として参加するので、司法との距離感が近くなるのではないでしょうか。

また刑の重い軽いに関わらず、加害者と被害者の人生に影響を与えることに変わりはないので、とても重大な役目であると言えます。

しかし、一方で裁判員を引き受けたことで心が辛くなってしまう方もいるのです。

過去にはこんなことが起きていました。

裁判員になったことで…

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強盗殺人罪などに問われた男に死刑判決を言い渡した3月の福島地裁郡山支部の裁判員裁判で、裁判員を務めた福島県の60代女性が、公判後にストレス障害と診断されたことが分かった。

関係者によると、女性は「審理で見た血みどろの殺害現場のカラー写真がフラッシュバックする」と話し、国への法的措置などを検討している。

出典 http://iryou.chunichi.co.jp

この話は2013年のことで、女性は実際に訴訟を起こしましたが昨年棄却されています。

また、この女性以外にも学生時代に裁判員として裁判に参加し、関わった裁判の被告の死刑が執行されたことで悩んでいる男性が最近ニュースにもなりました。

こういった側面を考えると、裁判員を引き受けるか否かの選択を柔軟にすることや、捜査資料で凄惨な写真を見る場合のケアなどが必要に思えます。

※実際に裁判員として参加した方の体験が書かれたブログをご紹介します。一連の流れや、何が行われるのかが明かされているので、ご参考までに。

さて、この裁判員制度については賛否が分かれており、度々議論される死刑制度のあり方について言及されることもしばしばあります。

ツイッターでも意見が分かれていましたので、ご覧下さい。

裁判員制度への賛否両論

死刑制度自体を反対する人もいらっしゃいます。

裁判員になる方のことを考えて、死刑自体の廃止を訴える方もいらっしゃいました。

「やらない」という選択も大事な選択です。

現在では写真の閲覧可否を裁判員の方に尋ねているとのこと。それでも許容範囲か否かは、ご本人の問題なのでケアは必要になる気がします。

身内が殺されたら…と考えると人情としては極刑を望む人が大多数でしょう。

裁判員の辞退が認められるには、高齢、病気、育児や介護、自営業などの理由でなければなりません。また、学生の場合も辞退が認められます。

引き受けたくないと考えている方は、きちんと辞退の条件を把握する必要があるのではないでしょうか。

裁判員が「死刑」と言ったから死刑になるわけではありません。最終的な決断を下すのは、あくまでも裁判官です。

裁判員として死刑の意見を出したからといって、人殺し呼ばわりする人はお友達として如何なものかと思います。

良くも悪くも人の人生に関わることなので、信念を持って臨めないのであれば辞退した方がいいと筆者も思います。

自責の念に駆られてしまう方が出ていること、PTSDになってしまう方がいらっしゃることを考えると、選出方法の見直しは必要かもしれません。

例えば辞退の条件を緩めるなど、選出された方が難しいと感じた時の選択肢は広げてもいいのではないでしょうか。

現行の制度にしろ、仮に志願制とするにしろ、PTSDなどに対するケアを手厚くする必要があります。

なぜなら、どんなことがきっかけでPTSDになってしまうかは誰にもわかりませんし、「大丈夫だろう」と思っていた人でも、いざ写真を見てみたら許容範囲を超えている可能性もあるからです。

裁判員制度も死刑制度も賛否が分かれる問題ですが、命に関わる問題と向き合うからには相応の覚悟が必要な気がします。

凄惨な現場の写真を裁判員として見ることは辛いですが、一番辛いのは被害に遭い命を奪われた被害者の方と、ご遺族です。

運用に今後変化が起きるかはわかりませんが、裁判員選出のお知らせが来た時は真剣に考えたいですね。

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動物が大好き。会社員であり、流浪のライターとしても活動。
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