記事提供:カラパイア

さて5月4日はみどりの日だったわけだが、人工衛星を利用して地球表面の植生を調査した結果、過去35年間で、植物によって覆われている面積が拡大していることが明らかになったそうだ。主な要因は二酸化炭素濃度の上昇で、新しく緑が増えた面積はアメリカ合衆国の面積にも匹敵するという。

NASAの地球観測衛星アクアに搭載されたMODIS(中分解イメージングスペクトロメーター)やNOAA(アメリカ海洋大気庁)の AVHRR(改良型高分解能放射計)などから収集したデータからは、観測された緑化効果の70%は二酸化炭素の増加によって説明できることが判明している。

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人為的な原因によって毎年大気中に放出される炭素、およそ100億トンのうち、約50%が短期的に海洋と植物に蓄えられる。

全体的にはこれまで海洋と植物に蓄えられる量は相対的に同じであったが、植物が増加したことにより、陸上の植物に保存される量がわずかであるが増えた可能性がある。

今回の調査は緑化と植物の炭素貯蔵量との関係を直接の研究対象としたものではないが、別の研究からは1980年代以降に陸上の炭素吸収源が増加したという報告もされている。これは今回明らかになったことを完全に支持する内容だ。

緑化の要因

よく知られているように、二酸化炭素は植物が光合成を通じてエネルギーを作り出すために不可欠だ。したがって使用できる二酸化炭素が増えれば、単純に植物の成長は早まる。

 しかし二酸化炭素の増加だけがすべての要因ではない。窒素の堆積も緑化に10%近くも寄与するという。窒素堆積とは、反応性窒素の大気から地面への移動のことで、堆積後に植物によって吸収される。窒素堆積を引き起こす気体の大半は、化石燃料を燃焼したことで排出される酸化窒素によって作り出される。

 二酸化炭素と窒素に加えて、人間による地表の利用法の改変、地球の気温上昇による気候の変化、温暖化が引き起こす降水パターンと日照パターンの変化も要因として挙げられる。

 このように緑化には様々な要因が絡んでいるが、二酸化炭素が最大の要因であることは間違いない。そして植物の吸収可能量を上回らない限りはその成長を助けると予測されている。つまり植物は二酸化炭素濃度の上昇に順応しているのだ。

二酸化炭素の増加と気候変動の関係

短期的には二酸化炭素が植物の成長を促してくれる反面、これが急速な気候変動の主要な要因であることには変わりがない。二酸化炭素は宇宙に放出される赤外線を減少させるため、産業革命以降の地球大気の温度を上昇させてきた。

 過去50万年において現代ほど二酸化炭素濃度が高まったことはなく、それによる気温の上昇は海面を上昇させ、氷河や氷山を溶かし、気候パターンに深刻な影響を与え、台風を大きくするなど、様々な影響を与えている。

 過去35年間の緑化は気候システムの水や炭素の循環を根本的に変える可能性がある。二酸化炭素による緑化は地球上の植生の容量と産出量を高めるかもしれないが、あくまで短期的なものだ。

特に植物と海洋の吸収容量を上回ってしまえば、生い繁る緑に喜んでいられなくなるほどの大きな問題が起きるだろう。

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