記事提供:TOCANA

4月14日以降に発生した最大震度7規模の地震によって、熊本県は甚大な被害を受けてしまった。読者の中にも、被災地への義援金の寄付を考えている方がいることだろう。

しかし、人の善意が集まるところには、それを食い物にして私腹を肥やそうとする輩が現れる。聖人のような顔をしながら、裏では自分のことしか考えていない筋金入りの偽善者には注意が必要だ。

今回は、過去に実際に起こった、巨額チャリティー詐欺事件の数々をご紹介しよう。

■大物ミュージシャンのハイチ地震チャリティー詐欺

2010年1月12日、マグニチュード7の地震がハイチで発生。多くの建物が倒壊した結果、31万6千人もの死者を出し、被害総額は77億5000万ドルをこえた。

地震発生直後からアメリカの主要なテレビ局はハイチ救済のための募金を視聴者へ呼びかけ、ハリウッド俳優やミュージシャンもチャリティーイベントに参加した。

こうして集められた義援金は1600万ドルにものぼり、ハイチ出身のミュージシャン、ワイクリフ・ジョンが設立した慈善団体「エール・ハイチ」に集められた。

ワイクリフ・ジョンは、ローリン・ヒルらと結成した「フージーズ」として全米で大ヒットを飛ばした、ブラック・ミュージック界の大物だ。そんな彼を信じて、音楽ファンからも多くの義援金が寄せられた。

ワイクリフは、この1600万ドルをハイチの人々に送金すると約束したのだが、地震発生から数年後に「多額の義援金不正使用」が明らかとなった。

・エール・ハイチは、自分たちの飲食代として50万ドルを使用。
・建設業を手掛けるワイクリフの義理の兄弟のもとに、63万ドルが融資されたが、何に使われたのか不明。
・ワイクリフがチャリティーショーへ出演するための移動の飛行機は常にファーストクラス。
・6万6千ドルの義援金が集まったシカゴのチャリティーイベントでは、女優のリンジー・ローハンの出演料が3万ドル。
・ハイチに俳優のマット・デイモンが慰問に訪れた際は、5万8千ドルでプライベートジェットをチャーター。
・震災によって親を失った子供たちへ毎月3千ドルを支給すると発表したが、数カ月でサポートを打ち切る。

これらの事実が告発されると、当然のようにワイクリフへ非難が集中。エール・ハイチは設立から8年で閉鎖され、ワイクリフは謝罪会見で涙を流したが、全米から集まった善意の大部分が、ハイチへ送られることはなかった。

■募金を呼びかけるインターネットサイトに要注意!

2005年8月にアメリカを襲ったハリケーン「カトリーナ」は、ルイジアナ州ニューオリンズの8割が水没するほどの猛威を振るい、2000人近い死者を出した。

ニュースで深刻な被害を目の当たりにした人々が、インターネットにアクセスすると「カトリーナ基金」を名乗るウェブサイトが立ち上がっていた。

ハリケーンで被害を受けた人たちへの義援金を募るサイトには、その趣旨に賛同した人たちが訪れ、サイト経由で送金を行った。

ところが、この「カトリーナ基金」の運営者は、最初から集めた義援金を被災者へ届けるつもりなどなかった。

それどころか、サイト経由で送金した人たちの個人情報が、悪意のある第三者へ渡ってしまい、その後、さらに別の詐欺からも狙われる事態となった。

当時は、このような募金詐欺サイトが雨後の竹の子のように出現し、FBIも捜査に乗り出した。多くのサイトは閉鎖され逮捕者も出たが、多額の義援金が掠め取られてしまった。

■「9.11アメリカ同時多発テロ」で私腹を肥やした人々

2001年9月11日、世界中に衝撃を与えたアメリカ同時多発テロ事件が発生した。ニューヨークの世界貿易センタービルやアメリカ国防総省にハイジャックされた旅客機が次々と突入。3000人以上の犠牲者を出した。

この大惨事をきっかけに、多数の慈善団体が設立され、その大部分は被害者や遺族の支えとなった。しかし、当初から義援金を横領するために設立されたあくどい慈善団体も存在した。

・巨大キルト制作

アリゾナ州で便利屋を営んでいたケビン・ヘルドは、9.11の惨劇を忘れないために、記念の「巨大キルト」を制作する慈善団体を立ち上げた。

団体の取締役にはカトリック教会の司祭も名を連ね、ケビンの意志に賛同した人たちから70万ドル以上の寄付が集まった。

しかし、人々の善意をケビンは、あっさり裏切った。

彼は、自分自身への給与として17万5千ドル、毎週200ドルの車手当を計上。さらに、自分の家族へ多額のコンサルティング料を支払った。それだけではない。ケビンは湖を見下ろす66万ドルの大豪邸へ引っ越した。

これだけ義援金を私利私欲のために使った上に、ケビンは「資金難」を理由にプロジェクトの中止を宣言。当然のように非難が集まると、彼は開き直った。

「だって俺は、慈善活動のプロだなんて一言も言ってない。ちょっとミスしただけだ」

・星条旗販売

コネチカット州に住むジョン・ミケロッティは、アメリカ同時多発テロで亡くなった方たちを弔うため「名誉の旗/英雄の旗プロジェクト」を立ち上げた。

これは、亡くなった方たちの名前がプリントされた星条旗を販売し、その売上を遺族に寄付するという、志の高い活動だった。ジョンの星条旗を多くの人が購入し、14万ドルを売り上げた。

しかし、これにも裏があった。

彼は中国の企業に「星条旗1枚5ドル」で発注し、それを25ドルで販売。利益となる20ドルは寄付せずに、そのまま自分の懐に入れた。

しばらくして、このプロジェクトへ疑惑の声が上がると、ジョンは慌てて星条旗1枚につき70セントだけ寄付した。つまり、1枚販売するごとに、19.30ドルはジョンの利益となる、とんだ茶番劇だった。

・牧師詐欺

テロ攻撃を受けた世界貿易センタービル近くの教会で牧師をしていたカール・キーズは、事件発生直後に、クリスチャン向けのテレビ番組に出演し、視聴者へ訴えた。

「被害者の皆さんを助けるために力を貸してください」

この呼びかけに、全米から400万ドルもの義援金が集まった。カール牧師はテロの被害者たちを支援する活動に精を出した。かのように思われたのだが、後に大きな疑惑が持ち上がった。

カール牧師が集めた義援金の内、チャリティーに使われたのは67万ドルだけだったのだ。

「私の教会は何も悪いことはしていません」

カール牧師は反論の声明を出したが、300万ドル以上の大金がどこへいったのかは明らかとなっていない。

日本でも同様に、このような詐欺事件は立件することが難しく、一度、詐欺師やそのグループに渡ってしまった義援金が再び戻ってくる可能性は極めて低い。あなたの善意が被災地へ無事に届けられるよう、義援金の送金先を安易に選んではいけない。

出典:cracked
出典:DailyMail

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