記事提供:おたぽる

モバイルゲームのガチャ課金が、射幸心を煽るなどとして問題になって久しい。

この「ガチャ」とは、ゲーム内で使用するカードを、有料(無料の場合もある)のくじで当てるシステムのこと。

業界団体「日本オンラインゲーム協会」が、有料くじ「ガチャ」の課金上限額を5万円に自主規制するよう働きかけるに至るなど、たびたび社会問題になっている。

ただ、実際に万円単位で課金する人は、プレイする人の1%よりずっと下回ると言われており、いわゆる「ガチャ中毒」になっている人は、決して多くはない。

そんな中、その1%未満のガチャ中毒に陥ってしまったという女性・Aさんに、今回は話を聞くことができた。Aさんは30代前半の、ごく一般のOLだ。

「私がハマっているゲームは『S(仮名)』という戦国時代をモチーフにしたゲームです。ひとりあたり38枚のカードを持ち、20人でグループを組んで戦うルールになっています。

より良いカードを引くためには、有料のガチャを引くしかないんですが、このゲームはその課金額が、ほかのゲームに比べて格段に高いんですよ」

普通のガチャを引く値段は1回300円だが、レアなカードを引くことができる確率は0.03%。しかもそこで得られるレアカードは、ただレアなだけで、戦闘では使いものにならないカードもあるという。

そのため、より有効なレアカードが出る確率の高いガチャもあるのだが、こちらは1回1500円。その上の、1回3000円のガチャもあるという。

「ガチャをし始めると一瞬でお金がなくなっていく感じですね。50万円くらいの課金では、強いデッキ(カードゲームにおけるカードの1セットを指す)は育てられません。

私は2年間で150万円くらい使いました。これは仲間の中では、かなり安くおさえているほうだと思います」(Aさん)

ゲーム内でしか使えないカードを揃えるのに150万円もかけるなんてとんでもないことのように思えるが、このゲームのトップ100位に入っているプレイヤーは全員、それ以上の課金をしているとAさんは断言する。

「このゲームの中で知り合って、よく飲みに行く男性がいるのですが、彼は累計で2000万円ほど課金していると言っていました。それでも全然トップには及びません。

なんでも、このゲームで1位の人は、3億円以上の課金をしていると言われているんですが…その人はゲーム上に急に登場して、一気にトッププレイヤーに上り詰めたんですよ。

強いカードを揃えられる確率を考えると、どう考えてもその急上昇はおかしい。

仲間が『いくらくらいゲームに使っているの?』と聞いたら、『新しいカードを1枚ゲットするのに、ベンツ1台分くらいかけてる。全部で、新築の家3軒分くらいは使っている』と答えたそうです」(Aさん)

ちょっと、途方もない値段になりすぎて、想像がつかない。3億円はさすがに現実味がないが、そもそも一体どんな人たちがガチャに課金しているのだろうか?

「私が知っている人だと、会社の社長、コンサルタント、美容外科医、看護師…などですかね。やっぱり社長や、個人経営の人が多いです。

珍しいところでは、普段は密漁をして稼いでいる、なんて言ってる人もいました(苦笑)。あと、福島の被災地に住んでいて、助成金・補助金でガチャをやっているという人も。なんだかんだと、一癖ある人が多いですね。

『写真を送って』とメールすると、全身入れ墨の写真を送ってきたりとか(笑)。あと、これは職業じゃないんですけど、パチンコにもハマってるって人がとても多いですね」(Aさん)

ゲーム内で活躍すると、プレイヤーたちから、ヒーローやアイドルのように扱われるという。

ゲーム内でもコメントが山のように書き込まれるし、Twitterのフォロワーも増える。人気の女性プレイヤーが、キャラクターグッズを自主制作したらすぐに完売した、なんてこともあったそうだ。

「普通に生きてたら、そんなふうにちやほやされることってないじゃないですか。やっぱり気持ちいいんですよ。オフ会もよくやるんですけど、わざわざ遠方から私に会いに来てくれるプレイヤーさんもいるんです。

オフ会では、女性は強いプレイヤーじゃなくてもモテるんですけど、男性は強いプレイヤーがモテます。まあ、強い=お金持ちというのが確定してますからね(笑)。

あと、ゲーマーってやっぱり、もっさりしてるというか、あまりモテないタイプの人が多いので、女性からすると落としやすいです。デート相手を探すために、ゲームをプレイしているって女子もいますよ」(Aさん)

一見、こうしたゲームライフを楽しんでいるように見えるが、さすがに彼女たちも自分がガチャにお金を使いすぎていること、中毒になっていることに危機感は覚えているという。

「知り合いの女子プレイヤーだけで集まって、『ガチャを引かない女子会』をやったことがあるんですよ。

最初はカラオケしたり普通に遊んでるんですけど、段々ガチャが引きたくなってきて。耐えられなくなった子が『ちょっとトイレに行ってくる』って言ってその場を離れて、ガチャを引きまくるんです。

最近では、みんなで電車に乗って、電波の届かない場所に旅行に出かけて、強制的にガチャを引けないようにしてます。それでも、ちょっとでも電波がつながると、ガチャを引いてしまうんですよね…」(Aさん)

ゲームは、ゲーム会社が提供するサービスであり、いずれは終了する可能性もある。その時、彼女たちは、何を思うのだろうか?

「もちろんその時が来てみないと分からないですけど、意外とすんなり受け入れられる気がしますね。強制的に終わらなければ、終わらないですから。終わりが来るのは寂しいですけど、ちょっと楽しみに待っている部分もあります」

熱に浮かされるようにガチャを引く、モバイルゲーマーたち。規制が入ることによって、中毒者は果たして本当に減るのだろうか?

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