大学生の4割が利用する奨学金制度

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4/28放送回の『報道ステーション』で、「奨学金制度」を利用した1人の若い女性にスポットライトをあてた特集番組が、深く考えさせられる内容でしたのでご紹介します。

昨今、多くのニュースで取り上げられるようになった奨学金制度は、大学生の4割以上が進学資金として利用しています。

日本学生支援機構調査によると、奨学金制度を利用した大学卒業後の学生1人あたりが平均約340万円(利息分なし)の返済を抱えていると言われ、また卒業後の返済者の54.9%が、年収300万円未達です。

大学を出れば、“人並みの未来”が開けると信じた

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奨学金制度を利用して大学に進学した女性、ミサトさん(仮名)。彼女は幼い頃に父親を亡くし、母子家庭で育ちました。さらに母親は統合失調症で働くこともままならず、一家4人生活保護で暮らしてきたそうです。

「貧困状態から抜け出すためには、大学を出て就職するしかない」と信じて疑わなかったミサトさんは、大学進学を決意。もともと成績優秀だった彼女は奨学金制度の申請も通り、志望大学へと進学します。

その4年後に卒業、彼女の社会人生活は「奨学金返済生活」と同時にスタートを切ることになります。

奨学金制度とは?

出典 http://bylines.news.yahoo.co.jp

奨学金とは、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)および大学院で学ぶ人を対象とした、国が実施する貸与型の奨学金です。学生が自立して学ぶことを支援するために学生本人に貸与されます。

出典 http://www.jasso.go.jp

経済的に余裕がなく進学できない学生を対象に、低金利で資金を貸し出す制度ですが、種類も多く、教育ローンとも異なります。制度を利用するメリット、デメリットを考慮して利用する必要があります。

たとえば、日本学生支援機構(JASSO)の第一種奨学金を受け、四年制大学に通学した場合、返済期間はだいたい13~18年(国公立か私立か、自宅通学か自宅外通学かによって変動)。

出典 http://camatome.com

一生懸命勉強して大学に入ることができれば、“人並みの未来”が開けるはず…」

そう夢見たミサトさん。なんとなく大学に行きたかったのはなく、貧困から抜け出し、生きていくための進学でした。それなのに彼女を待ち受けていたのは、かくも厳しい現実でした…。

卒業後に務めた仕事では収入が足りない…

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ミサトさんの返済額は500万円、大学卒業後に正社員として勤めた会社の給料は、手取り14万円。

奨学金の返済額に加えて、毎月の家賃、税金、生活費を払えば、彼女の手元にはわずかな金額しか残りません。収入の少ない月には、消費者金融から借り入れをして毎月の返済をしのぐことも…

借金を返済し続けるだけの人生なのか…

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週6日働いて休みは1日のみ、オーバーワークと返済を滞らせてはいけないプレッシャーに追い詰められる日々。

やがて彼女は、せっかく就職することができた会社を辞めることに。それは逃げ出したいからではなく、少しでも高い収入を求めての依願退職でした。

そして、会社ではなく彼女が向かった先は…

再就職先は「性風俗産業」

出典 https://www.youtube.com

その日も彼女が向かった先は「出会い喫茶」。つまり性風俗産業にその身を落としていたのです。

ちなみに上記画像は、映画『闇金ウシジマくん』にて、元AKB48の大島優子さんが、親の借金返済のため、客をとりに出会い喫茶に頻繁に出入りするフリーター役を演じた一場面です。

番組内ではミサトさんが見ず知らずの男性と共に、ホテル街へと消えていくあまりにも生々しい映像もありました…

奨学金の利用は罪なのか?まるで“償う”ように生きる

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あと数日で5万円稼がないと…という強迫観念

ミサトさん:「奨学金返済の為の借り入れを、これ以上増やしたくなかった。あと数日までに5万円稼がないと…という強迫観念がつきまとった。

もうとにかく学費、学費、その言葉に捕らわれていた…」

出典報道ステーション 4/28放送回参照

誰のせいでもない。でも教えてくれる人がいたら…

「借りたお金を返すのは当たり前だし仕方ない。(進学という)間違った選択をした自分がいけないのだから、誰のせいでもない。

ただ1つだけ言っていいのなら、周りがもっと教えてくれていたらとは思う。そうすればこれだけ借金もしないで、大学に行こうとも思わなかった」

出典報道ステーション 4/28放送回参照

人並みになりたくて大学に行ったのに…

「人並みになりたくて大学に行ったのに、人並み以下になって社会に出たみたいな。せつない…」

出典報道ステーション 4/28放送回参照

顔を覆い、涙で言葉を詰まらせていたミサトさん。

「せつない」という言葉は、日常会話でもよく使われたりしますが、これほど胸に苦しく、悲しく響く「せつない」はそう多く聞いたことはありません。

「風俗に頼って生きるしかない状況から早く抜け出したい」と切に願う彼女は、自分の選択は間違っていた、後悔していると言います。しかし、その選択をせざるをえなかった背景が彼女にはあったのですからやるせない話です。

性風俗産業でダブルワークを強いられる女性の現実

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これはなにもミサトさんに限った話ではありません。定職があってもそれだけでは収入がままならず、ダブルワークで性風俗産業に身を落とす女性の数は、年々増加傾向にあります。

なかにはラクして稼ぎたい、やりたくてやっているといった動機がないわけではありませんが、奨学金返済のためにやむを得ないという女性たちも決して少なくはないのです。

風俗で働く女性を支援する一般財団法人「Grow As People」の角間惇一郎さんは「性風俗産業は、一度関わってしまうと孤立しやすくなる。相談する相手がとても少なくなってしまう」と、返済のために、性風俗産業で働く女性たちが増加し続けている現状に警鐘を鳴らしています。

10年以内に完済したい。そうすれば違う景色も見えてくる

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「貯金もしたいし、結婚もしたい。でもいまの目標は、10年以内に奨学金を返すこと。それができたら、今はまだ見えてない道も見えてくるんじゃないかな…」

ATMで今月分の返済金を振り込んだあと、ミサトさんはそんなプランを語っていました。いつか希望を見い出せる日を夢見て、彼女は今日も繁華街へと足を運びます。

奨学金制度に対する世間の声を一部紹介します

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・奨学金を悪のように言うが助けられた学生も多い

・借りるリスクを考えて無い人が多いのも事実

・キツすぎるよね。辛いよ

・人に寄るけど、やっぱり大学って特別なんだよね

・貧困でも今が楽しい

・「奨学金借りたことに後悔もない。ただ給料が合ってないのよ」

・「奨学金返済していってかれこれ7年になるけど、確かに負担だし生活にも制限はあるけど借りて後悔はしたことない」

・「奨学金使って未来に借金してでも、今やっとかないと後悔することってあると思います」

・「奨学金とったの本当に後悔してるよ」

・「後悔はないけど車のローンと奨学金のことはよく頭に浮かぶ」

※上記は奨学金制度に関して寄せられたTwitterの投稿の一部です。

実際に奨学金制度を利用した人がある人とない人では、当然価値観や見解の角度も異なるようです。

借りたことを現在進行形で後悔している人もいれば、生活は苦しいけど後悔はしていないという声、さまざまな意見が寄せられました。

最後に、すこし長い独り言をつぶやきます

奨学金制度こそ利用してませんが、筆者もかつて大学生で、学費に関しては少なからず苦労をした1人です。何不自由なくキャンパスライフを謳歌してるように見えたゼミの友人たちを、恨めしく思ったことも1度や2度ではありません。

それでも進学して良かったなと今は思えます。そう思えたのは仕事やお金の話に関わらず、大切な友人たちとの出会いがあったからです。そういう意味では筆者は幸運だったのかもしれませんが。

少し厳しいことを言うようですが、「大学を出れば未来が開ける」というのは、幻想もいいところです。でも高校生が、将来のために少しでもいい大学に進学したいと思うのは正論で本分です。もっと周りが助言してくれたら…というミサトさんの気持ちも、よくわかるつもりです。

結果的にそうなってしまったことは、もう仕方がないことです。それはなるべくしてなり、受け入れる形になったのですから。それはミサトさんも言うように、誰のせいでもないのです。

でも過去の自分の行動を否定し、大学生活の4年間で学び得られたことの全てまで、無駄だったとみなしてはいけません。

現実問題として、いまの自分の何の役にも立ってないと思える過去だとしても、これまでの自分を見捨てることはあってはなりません。たとえ他人からどれだけ否定されたとしても、自分を肯定し、味方になってあげられるのは自分自身だからです。

都合よく切り替えられないのは当たり前ですし、それができたら何の苦労もないかもしれません。が、過去の選択が間違っていたと悔やむよりも、これまで頑張ってきた自分と、この先も頑張ろうとしている自分を褒めてあげて欲しいと思います。

それらの経験は、人生の財産となって、この先いくらでも降りかかってくる苦境において、自分を支えてくれる礎になってくれるはずです。

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「奨学金制度があること」が罪なのではありません。あなたはどうお考えになりますか?

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