「ある日突然、何が起こるかは誰にもわからない」とよく言うものの、実際に自分の人生がある日を境に大きく変わってしまった時、人はどれほど強くなれるでしょうか。ここに一人の勇気ある男性がいます。

彼の人生が変わったのは2013年の11月。「風邪かな。」英ハンプシャー州のストックブリッジ在住のアレックス・ルイスさん(35歳)は思ったそう。発熱や頭痛など風邪によく似た症状だったために「すぐ治るさ」と気軽に思っていたそうです。

ところが、容態が悪化

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一人息子のパパであるアレックスさんは、2週間後に自分の容態が普通ではないことに気付きます。体に茶色の痣のようなものもできて明らかにただの風邪ではないと悟ったアレックスさんは急きょ病院へ。

検査の結果、アレックスさんは「連鎖球菌毒素性ショック症候群」にかかっていたことがわかったのです。

毒素性ショック症候群は、細菌性感染によって引き起こされる、まれで重篤な疾患です。 この疾患は、黄色ブドウ球菌によって生成される毒素が原因で起こります。
毒素性ショック症候群はタンポンの使用に関連していますが、男女や年齢を問わず誰にでも発生します。

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主に女性のタンポン使用で稀に起こる「トクシック症候群」は、血液の流れが細菌感染により妨害され、壊疽してしまう病気です。

毒素性ショック症候群に似ているものの異なる疾患として、A群レンサ球菌(GAS)が生成する毒素によって起きるものがあります。 この疾患は、連鎖球菌毒素ショック症候群や毒素性ショック様症候群(TSLS)と呼ばれます。 毒素性ショック様症候群は、この種の細菌が通常存在しない体内の部分に存在する場合に発生します。

GAS感染症の発症の可能性が高い人は、TSLSの発症の可能性も高いでしょう。 以下が当てはまる場合、より可能性が高くなります:

糖尿病に罹患している
アルコール依存症である
水痘に罹患している
手術を受けた場合

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実はアレックスさんは、アルコール依存症ではなかったというものの極度のお酒好きだったそうです。細菌感染の可能性としては恐らく飲酒が関係していたのではないかと言われています。

ほとんどの臓器が機能していなかった

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アレックスさんは、体内の血流が減少しほとんどの臓器が機能低下という「生存率わずか3%」という状態だったのです。医師からも「回復は難しい」と告げられたために一時はもうダメだと思ったそうですが、強い精神力で回復。ところが、壊疽の影響で四肢切断という苦渋の決断を強いられることになってしまいました。

パパの変化にショックを隠せなかった息子

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四肢切断の辛さよりも、アレックスさんを打ちのめしたのは3歳の息子、サム君の態度でした。いきなり姿が変わってしまったパパに慣れるまで時間がかかったと言います。細菌感染により顔半分も壊疽を起こしてしまっていたアレックスさん。二度と愛する息子にキスをすることができなくなってしまいました。

アレックスさんが一番恐れたのは、一生手足を失ってしまったことよりも、これまで築いてきた息子との絆が消えてしまうのではないかということでした。

「息子の心の負担になりたくない」

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まだ幼いサム君には、どうしてパパがこんな風に変わってしまったのか100%理解することは難しいでしょう。でもアレックスさんは言います。「僕がこんな体になっても、息子は僕のことを誇りに思ってほしい。だからそう思ってもらえるような生き方をしたい。」

「まだ小さい息子が僕のことで悩んだり苦しんだりするのは辛い。父親のこんな姿を見てストレスに思ってほしくないんだ。」どんな時にも息子の気持ちを考えているアレックスさん。

アレックスさんはこの2年間リハビリに励んでいる

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アレックスさんは「自分の命は助からなかった可能性が高い」と知った時に改めて「まだ生きていられる」ことの喜びを感じたそう。「人生、どこでどんな目に遭うかは本当にわかりません。こんな苦難を強いられることになるとは誰もが想像できないことでしょう。」

大好きだった愛犬の散歩も十分にできないことが辛い

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今まで当たり前のように使って来た手足が急になくなると、いかに手足が重要な役割を果たしていたかに気付かされるのでしょう。愛犬との散歩も今では思うようにできず、ついストレスを溜めてしまいがち。

でも、アレックスさんの精神は鋼のように強かったのです。四肢切断という苦悩を味わいながらもそのまま絶望のどん底に落ちることはなかったのです。「できるだけ仕事に復帰したい」というアレックスさんは、義手を使ってペンを持ちスクリーンを動かします。

最新技術の優れた義足はNHSでは手に入らない

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国営病院のNHSでは予算の都合上、コンピュータ制御ができる最新の義足を手に入れることはできません。そのために今、アレックスさんは義援金を募っています。そして自分の身体の変化を自分自身が見た時にどう受け止めるかという葛藤に対しても強くならざるを得なかったと言います。

「夫に対して憐みの気持ちはありません。」

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そして鋼の精神を持っているのはアレックスさんだけではなかったのです。パートナーのルーシーさんもアレックスさんを日々支える強い力となっています。「足が無くても、手が無くても、アレックスはアレックス。別に彼の容姿を好きになったわけじゃないから。それに可哀相だという憐憫の感情はないわ。」

さっぱりと言い放つルーシーさんだからこそ、アレックスさんも救われているのでしょう。「自分がこんなになって可哀相」という気持ちを押し出すことはせずに、なってしまったのだから前向きに考えて進むしかないという強い気持ちが彼の中にあるのです。

義手でサム君と愛情確認をするアレックスさん

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発病してから今日までのアレックスさんの信じられない苦難の旅は私たちの想像を絶するものがあります。もちろん投げやりになってしまう日々もあったことでしょう。でも今はようやく自分の姿を受け入れられるようになり、「辛かったけど幸せだった」と語るアレックスさん。

その幸せの背景には常に彼を支える家族の姿があったに違いありません。障がいを持つ人はそうでない人よりも遥かに精神が強いと実感させられます。

「ただ1日1日を生きていられるだけで幸せ」と全ての人が思えるようになったら、この世界から差別や偏見や戦争、そして無駄な消費がなくなり、人への思いやりだけが残る社会になるのではないでしょうか。

そんな日がいつの日かやってくることは決してないのかも知れないけれど、アレックスさんの強さからはたくさんのことを学ぶことができるはず。これからも家族に支えられて、息子さんとの絆もより一層深めていってほしいですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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