子供の頃、学校に行くのが嫌だったという人は少なくはないでしょう。病気でもないのに「仮病使って休みたい」と思ったことがある人もきっといるはず。先進国の私たちにとっては学校というのは単なる義務教育の場でしかなく「行かなきゃいけないから仕方なくいくもの」という思いを持つ人がほとんどなのではないでしょうか。

でも、途上国の子供たちにとって学校は「行きたくても行けない場所」なのです。どんなに友達に会いたくても、一緒に学校で勉強したくても学校に通うことができない子供たちは世界で約5,800万人も存在するといわれています。

ユニセフの調査では、1999年には1億800万人の子供が学校へ通えていなかったそうです。ユニセフやその他の途上国の支援団体のサポートにより、学校へ通えない子供の数は現在は減ったものの、それでも多くの子供たちが生活に必要な教育を受けることができないのです。

なぜ、私たちに教育は必要なのか

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教育を受けるということは生活する上で必要な知識を身につけるということ。必要な知識を身につけることで個人の才能や能力が引き出され、それが社会に大きく反映し、社会自体が豊かになることに大きく関わってくるのです。

学校に行くことは教科書の中身を学ぶことだけでなく、人として何が大切なのかを学ぶことにも繋がります。団体生活の中で教育を受けることで自分の将来の社会への適応性も決まります。「教育」が持つ効果は計り知れないものなのです。

現在、約8億人の成人が読み書きができないといわれています。子供の頃に全く学校へ通うことができなかった人や、通っていても卒業できなかった人など、国によりその事情は様々。先進国の日本で、「自分の名前が書けない」という人に出会ったら驚きますよね。でも途上国では驚くほどのことではないというのが悲しい現状なのです。

初等教育就学年齢(小学校学齢期)の子どもたちは、世界で6億5,000万人。
その約9%にあたる5,800万人が、学校に通っていない。
5,800万人の53%に相当する約3,100万人が女の子。
5,800万人の3分の1が、西部・中部アフリカ地域の子どもたち。
この地域は、世界で最も就学率が低く、4人に1人以上の子どもが、学校に通っていない。

小学校に通っていない子どもたちは、下記のケースに分けられる
以前は学校に通っていたが、中途退学した:1,300万人
今は学校に通っていないが、将来的には通う可能性がある:2,000万人
今も将来も、生涯学校に通う可能性がない:推定2,500万人近く(女の子1,500万人、男の子1,000万人)

出典 http://www.unicef.or.jp

成人で文字の読み書きができない女性は、全体の3分の2に及ぶと言われています。アフリカは世界で最も貧困な国とよばれるところが多いですが、南西アジア、東アジア、大洋州諸国の児童など、貧困が原因で学校に通えない子供たちは世界中に存在しています。

でも、「教育を受けられない」理由は貧困だけではありません。

貧困 …授業料、教科書などが買えない。
(1日を約100円以下ですごしている人口は世界で約10億人)
児童労働 …働かされているため、学校に行けない。
(2億4600万人の5~17歳の子どもが、有害な労働についています)
教育の質 …近くに学校がない
…教員の給料が安い等の理由で、先生が学校に来なかったり、先生の数が足りない。

出典 http://www.ftcj.com

この他にももちろん、病気が原因だったり、女性だからという性差別が理由だったり、紛争の影響で学校に通うのが安全ではないなど、理由が複雑に絡み合って存在しています。

現在シリアからレバノンに逃れて来た難民は50万人

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シリアの紛争により、シリア国外へ逃亡した人の数はもはや1200万人以上に。隣の国のレバノンにも約50万人のシリア国民が避難しているといわれています。

国外に避難してきた子供たちにとって家族と一緒にいられるのは心強いことですが、生活のために働くことを余儀なくされて学校へ行くことができないという子供が、レバノンには約6万人もいます。

中には、子供を難民キャンプへ残して父親だけが働きに出るというケースもあります。シリアの紛争で家がめちゃくちゃになる前は、小学校1年生になったばかりだという少女も。学校で友達と遊んだり、一緒に学んだりすることが戦争のせいで一切できなくなってしまったという子供もいます。

世界の支援団体は各国で難民の子供をサポート

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「教育を受けた人とそうでない人の差はとても大きい。子供にもう一度教育を受けさせてあげたい」親がそう願っても、生活を支えるのに必死なためになかなか子供の願いは叶いません。

そんな子供たちを献身的にサポートしているのがユニセフなどの支援団体。シリアから各ヨーロッパ、中東に流れた難民の子供たちがしっかりと教育を受けられるように、公立学校では子供たちを積極的に受け入れる姿勢を取っています。

言葉の違う子供たちにはユニセフスタッフがシフト制で教育

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難民として来た子供たちが、その国の言葉がわからないとために学校での授業が受けられないという問題もあります。ユニセフスタッフは、シフト制で難民の子供を教えるシステムを取り、一人でも多くの子供たちが学校に通える環境作りに励んでいます。

子供たちが受け入れ先の国で自立できるようになることが目的

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教育を受けることによって「難民の子供たちが現在の危機的な状況下でどのように暮らしていくか」という現実に必ず直面しなければいけない問題にも触れさせるそう。そして最終目的は母国でなくても子供たちが何らかの方法で自立した生活を送れるようになること。そのためには教育を受けることが何より大切なのです。

銃を持つよりペンを持つ子供が増えてほしい

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現在、紛争地帯ではISISのように子供の兵士も増えているという何とも悲しい現状。銃を握るよりペンを握る子供が一人でも増えてほしいと願う筆者。将来、様々な能力が発揮できるチャンスを持つ子供たちの将来を、身勝手な大人の私利私欲のために奪うことはあってはならないことではないでしょうか。

「教育には人々の生活を変える力がある」

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ユネスコによると、もし途上国の全ての女性が教育を受けられることになれば子供の死亡率が軽減すると言われています。女性教育と子供の死亡率とどのような関係があるのでしょうか。

女子の中等教育就学率が10%増えると、乳幼児死亡率は5.6ポイントも低くなることがあるのです。これは、女性が教育を受けると結婚が遅くなり、生む子どもの数が減る、そして少ない子どもを大切に育てるために死亡率が低下するというわけです。結果として就学年齢の子どもの数が減り、教育環境が改善されることにもつながります。

出典 http://www.ftcj.com

先進国では「LGBTQ」と呼ばれる人たちが存在するように、「性」に関する関心を持つ人が増えてきました。でも途上国では「女性」はまだまだ蔑みを持たれているのです。教育を受けることができない故に、若くして妊娠し子供を持つ少女の中には「教育を受けたい」という諦められない思いの中で生活している人も決して少なくはないのです。

先進国の私たちにできることは、まず、途上国の現状を知ること。難民の子供たちの思いに耳を傾けることではないでしょうか。ネットからでもいいのです。メディアを通して彼らのことを知り、自分にできる支援があるならそれもいいでしょう。

誰かを助ければ、きっとまた誰かも自分を助けてくれる…そんな考え方で生きて行くことも悪くはないのではないでしょうか。

出典 YouTube

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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