世の中に蔓延る警官の不祥事により、警察を信用しない人も多くなっています。警官を見ても「また何か酷いことをされるのでは」と不安に思う人も少なくありません。警察による権利をかざした暴力が社会のあちこちに蔓延しているからです。

市民の安全を守るべき警官が少なくなっているのは非常に残念なこと。でも、まだまだ捨てたものではないという出来事が先日ありました。アメリカ、ミシガン州で起こったある出来事を一人の男性がSNSに公開したことで話題になっています。

予想もしていない展開になって驚いた1児のパパ

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ミシガン州のウエストランドで車を運転中だったLaVonte Dell(ラヴォンテ・デル)さん(28歳)後部座席に3歳の娘を乗せていたところをパトカーに呼び止められました。近付いてきたのはJoshua Scaglione(ジョシュア・スカリオーネ)巡査。

「ヤバい、違反切符を切られてしまう」瞬時に憂鬱になったデルさん。というのも、3歳の娘をチャイルドシートに乗せてなかったのです。案の定、スカリオーネ巡査は「安全のために義務付けられているチャイルドシートになぜ娘さんを乗せないのか?」と聞きました。

デルさんは、スカリオーネ巡査が「聞く」体勢であることに気付き、自身の境遇をポツポツと話し始めました。最近何もかもが上手くいっていないこと、経済的にも苦しいこと、だから娘のチャイルドシートも買う余裕がないこと…。

すると、スカリオーネ巡査は「今から僕について来て」とパトカーに乗り込んだのです。てっきりさっさと違反切符を切られるかと恐れていたデルさんは、困惑しながらも言われるままに。そして着いた先は、ウォルマートだったのです。

なんと巡査はデルさんにチャイルドシートを購入!

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「娘が好きなピンクのチャイルドシートを買ってくれたんだよ。」後にメディアのインタビューで嬉しそうに話すデルさん。「彼のような警官には今まで会ったことないよ。切符を切る代わりにシートを買ってくれるなんて。しかも黒人の俺に白人の警官が、だよ。」とSNSでも驚きと感動のメッセージを投稿。

この投稿はたちまち拡散。デルさんだけでなく人助けをしたスカリオーネ巡査も、メディアのインタビューを受けることになったのです。

「自分の過去とダブったんだ」

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デルさんの車を止めて話を聞くうちに、過去の自分の経験と重なってしまったというスカリオーネ巡査。「この男性から切符を切ってお金を取ってもなんの助けにもならない。こういう時こそ、何か力になれれば」と思い立ちデルさんをウォルマートに導いたそう。

「特別なことはしていない」というスカリオーネ巡査ですがネットユーザーからは「心が温まった!」「警官がみんな彼みたいな人だったらいいのに」「これこそ、人助け」といった多くの称賛の声が寄せられています。

また、同時に「一人一人の警官はそんなに悪くはないのかも知れない。組織が彼らを殺しているのかも。」「こんなにいい警官はきっと一握りだよね」といった「警察組織」に対する不信感を表す市民の声も寄せられています。

何よりハッピーになったのは3歳の少女

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大好きなピンク色のカーシートを巡査にプレゼントしてもらったデルさんの娘は、とっても喜んでいるとか。これで子供の安全も守れるし罰金も免除になり、デルさんはとっても運が良かったと言っていいでしょう。

SNSでこの出来事を公開したデルさんは「このことを多くの人に知って欲しい。そして本を表紙だけ見て中身を判断しちゃいけないように、警官も表面だけで判断すべきじゃないってことを知ってもらえたら」と話しています。

確かに現実は、表情のない警官が淡々と仕事として公務をこなしている姿や、市民が何か尋ねても上から目線であまり答えてくれない警官もいます。近年は、レイプや犯罪事件など起こす警官も増えていることもあり、当然市民の警察に対する不信感は大きいものでしょう。

でもスカリオーネ巡査は「淡々と仕事をこなすだけでは本当の人助けはできない」ということを知っているのです。だからこそデルさんにチャイルドシートを購入したのでしょう。

「ウォルマートを歩いている時には、なんだか彼と昔からの知り合いのように思えてきたんだ。きっと周りから見ても俺らは親友に見えたかも。」と喜びを語るデルさん。デルさんの感謝に対しスカリオーネ巡査は「僕はあくまでも仕事をしているだけだよ。子供の安全を守るためにシートは必要だからね。」と答えたそう。

スカリオーネ巡査の「市民の気持ちを聞く」という親切な行為もデルさんの心を揺さぶりました。自身の苦境を話しながらつい涙ぐんだデルさん。アメリカでは、現代でも水面下で白人が黒人を差別するという行為はまだまだ行われているのです。デルさんからしてみればスカリオーネ巡査の対応はまさに「神」だったのでしょう。

後日、メディアのインタビューでスカリオーネ巡査は「市民の警官に対する見方がちょっとでも変わってくれれば」と話していましたが、きっと彼は一人の警官として、常日頃周りの警官が起こす不祥事に心を痛めているのではないでしょうか。

彼が行った親切な行為は称賛に値するものですが、きっとこれはスカリオーネ巡査だからこそ起こったことなのかも知れません。デルさんはあくまでも運が良かったのだと筆者は思います。

根深く残っている人種差別に揚げ足を取るように、アメリカでは白人警官が黒人を射殺したり過度に暴行したりするケースが増加しています。デルさんとスカリオーネ巡査の間にはそういった肌の色の偏見は一切見られなかったのです。

世の中がこんな風になるのはいったいいつなのでしょうか。ニュースを聞いて心温まる素敵な出来事がもっと一般化し、世の警察官への評価ももっと高まるような社会になればいいなと思う筆者です。

出典 YouTube

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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