現在、メディアにも出演され「避難生活で役立つ術」を紹介されている岡部梨恵子先生。防災備蓄を考える会・代表であり、防犯アドバイザーとして活動されています。東日本大震災発生時は、街の86%が液状化現象の被害を受け、ライフラインが停止した千葉県浦安市に在住され、特に上下水道が使えない状況での生活苦を身を持って経験されていました。

つい先日、岡部先生のブログ「防災備蓄術」では「だから 女を捨てろって!被災時に知らないといけないこと」と題し、女性や子どもが、“防災グッズの色”が原因で震災レイプや性暴力に巻き込まれる問題について厳しく紹介されていました。

岡部先生は東日本大震災後、防災に関心を持ち取り組みを開始されます。全くの素人でしたが、学びを通して日本災害食学会の会員になり、災害食セミナーなどを行われ続けています。

綺麗ではない“川の水”でも調理できる、災害食を提案

実は、これらの料理はすべて災害食。水やガスが止まった状態で、鍋やフライパンを使わずにこれだけの料理を作ることができるといいます。白米を炊いたごはん、炊き込みごはんに蒸しパン、手羽元の煮込み、魚肉ソーセージの入った野菜スープ、ポテトサラダのほか、フルーツ入りのミルクゼリー。どれもこれも、災害食とは思えないおいしさだそう。

使用するものはずばり…

「高密度ポリレチレン製の袋」

いわゆる「キッチンパック」。ポリエチレンの袋に入れた食材を、カセットコンロの火で温めたお湯で調理する「パッククッキング」を用いれば、ガスや電気が止まっても料理ができるほか、綺麗な真水でない川の水でも調理が可能に。また、調理の際の排水も少なくて済みます。

岡部先生は「パッククッキング(ポリ袋調理)」を学び、メニューを考案するほか、パッククッキングの講師としても現在活躍されています。早速レシピにうつる前に、開発に至った想いと、パッククッキングの注意点について触れさせていただくと…

被災したときにあたたかいものを食べられることって、肉体的にも精神的にもとても大切だと思うんです。だから、備蓄した食材や冷蔵庫にあるものを使い、家庭の味になるべく近いものを作れる「パッククッキング」は、備蓄と合わせて伝えたい知識でもあるんです。そのためのメニューの開発にも取り組んでいます。

出典 http://katazukeshuno.com

「パッククッキング」をする際の注意点

出典 http://ameblo.jp

半透明のロールポリ袋で国産を選ぶことをお勧めします。

食材は厚さが均等になるように平らに入れてください。 調味液は最少量にして薄味に仕上げ、好みに応じて食べるときに調節しましょう。 

しっかり空気を抜いて、袋を結ぶ時にはできるだけ袋の近い部分で結びましょう 加熱すると袋が膨張するので、遊びの空間を作ることがポイントです。

出典岡部先生のパッククッキングレシピPDFより

お皿を入れることで、袋が直火に触れずに済む

出典 https://www.youtube.com

必ずしもお皿をいれなければいけないというわけではありませんが、できればお皿を入れてお湯を沸騰させるようにしましょう。こちらの導入動画も参考にしてみてくださいね。

パッククッキングのレシピ8選をご紹介します

出典 http://ameblo.jp

1. 基本の『ごはん』の炊き方

出典 https://www.youtube.com

米60g 水90ml(1人分) 
30分、米を水に浸けていた場合は30分の加熱でOK。浸水していない時は50分加熱。1枚の袋では、1人分の調理をおすすめします。

2. 冷めても美味しいモチモチの『パンがゆ』

出典 https://www.youtube.com

あんパン1個をちぎってポリ袋に入れ、水100cc砂糖大さじ1杯を加え加熱する。(15分)

出典岡部先生のパッククッキングレシピPDFより

3. だしが染み込んで美味しい『煮込みそうめん』

出典 https://www.youtube.com

そうめん50gに、水400mlとだし汁大さじ2を入れて15分加熱する。

出典岡部先生のパッククッキングレシピPDFより

4. やきとり缶で作る、あたたかい『親子丼』

出典 https://www.youtube.com

・焼き鳥缶 1缶 ・タマネギ 1/2個 スライス ・卵 1個 ・しょうゆ 小匙1(2人分)
ポリ袋に入れて軽く混ぜ加熱する。(10分) +ご飯

出典岡部先生のパッククッキングレシピPDFより

5. カレー味で食欲が増す『キャベツとさばのカレー蒸し』

出典 https://www.youtube.com

・キャベツ 1/4 個(食べやすい大きさにカット) ・玉ねぎ 1/4 個(スライス) ・ さば水煮缶 1缶汁以外を使う(吸い物につかう) ・カレールー 1片(細かくきざみます)(3〜4人分)

上記を合わせて軽くもみほぐし加熱する。(20分)

出典岡部先生のパッククッキングレシピPDFより

6. 糖分で力をつけたい時は『ういろう』

出典 https://www.youtube.com

・薄力粉 100g ・砂糖 大匙2 ・醤油 大匙1 ・水100ml

上記を合わせて軽くもみほぐし加熱する。(15分)

出典岡部先生のパッククッキングレシピPDFより

7. 『ポトフ』は後から足せるよう、薄味で作って

出典 https://www.youtube.com

・ジャガイモ 1個 ・人参 1/2本 ・玉ねぎ 1/2個 ・ウインナー 2本 ・コンソメ 小匙1 ・水 150ml(2人分)(30分)

出典岡部先生のパッククッキングレシピPDFより

8. 混ぜて簡単『マセドアンポテトサラダ』

出典 https://www.youtube.com

・ジャガイモ 1個 ・人参 1/2本 ・きゅうり 1本 ・魚肉ソーセージ 1/2本 ・マヨネーズ 適量 ・こしょう 適量(2〜3人分)

まずジャガイモと人参で40分パッククッキングをし、ゆであがってさましたジャガイモと人参に入れて調味料で味を調える。 野菜、魚肉ソーセージは 5mm角のキューブに切る。(30分)         

出典岡部先生のパッククッキングレシピPDFより

いかがでしたでしょうか。非常食とは思えない、とても簡単で温かく美味しそうなレシピばかりです。岡部先生のYouTubeでは、ほかにもツナとキャベツの蒸し物、蒸しパンなどを紹介しているので、ぜひいくつもご覧になって、参考にしていただければと思います。

岡部先生のパッククッキングPDFは、こちらの記事からダウンロードできます。

“自分で生活ができるようにしておくこと”の大切さ

災害が大規模になるほど、行政の支援は行き届かなくなります。 広域かつ甚大な被害の場合、避難所の受け入れにも優先順位をつけ、自宅損傷が少ない場合は受け入れてもらえず帰宅を促される可能性もあるのです。 

一方避難所の暮らしには、プライバシーがなく、ストレスも多く、せっかく生き残ったのに避難所で体調を崩す場合も少なくありません。 自宅が危険な状態にないのであれば、被災しても「自宅で生活できるようにしておくこと」もしっかりと考えていくことが大切になります。

出典岡部先生のパッククッキングレシピPDFより

避難所に受け入れられず、帰宅せざるをえない場合もあります。(この際は、余震や倒壊、見知らぬ人が潜んでいたり訪れてくることで起こる震災レイプや性暴力などにくれぐれも注意をしてください

自宅でできるパッククッキングは、カセットコンロと鍋と水、ビニール袋の備えがあれば、いざという時でも温かくて栄養満点、時短の料理が作れます。鍋の水も、綺麗な真水ではなく川の水でも大丈夫。さらに排水も少なくて済むなど、多くの利点が存在。

ポリ袋、コンロ、カセットボンベを常備し、いざという時に調理ができるようしっかり心掛けておきたい次第です。

最後に、この度の地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。負傷者や救助を待つ方々が一刻も早く、適切な処置を受けられることを願っております。現在もまだなお、余震が続き危険な状態が続いています。避難されている方々のご無事をお祈り申し上げるとともに、ネットが見られない環境やお年寄りなどの方にも、必要に応じて情報を共有していただけると幸いです。

熊本県、そして近隣の地域の方だけではなく、ひとりひとりが災害を他人事と捉えず、すぐに行動を取れなくても、心を寄せることから始めていければと切に感じます。

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有名人の意外な素顔・夫婦愛を中心に書いています。まだ世の中で隠れている素敵な出来事に、スポットライトを当てることが出来たら嬉しいです。

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